来年や再来年、小学校に入学予定の子どもがいる人の中には、子どもが小学校の授業についていけるよう、入学前にひらがなの読み書きや数の順序などを覚えさせたいと考えている人も多いと思います。未就学児を対象とした学習教材や学習教室がありますが、これらを利用しても問題はないのでしょうか。子どもが小学校に入学するまでに身に付けさせた方がよい能力や習慣になどについて、保育士の白井麻依子さんに教えていただきました。
■「できた」「楽しい」と思えるような体験が大切
Q.子どもが小学校に入学するまでに、どのような学習能力や生活習慣を身に付けさせるとよいのでしょうか。
白井さん「『この勉強内容を覚えさせるべき!』というよりは、勉強への向き合い方や勉強をすることの楽しさ、意欲を持ってもらうような習慣を身に付ける、というのを目標にするのが良いのではないでしょうか。
絵本を読み聞かせたり、数え歌を一緒に歌ったりするなど、知らないことを覚えることが楽しいと思ってもらえるような学びの機会をつくってあげると、お子さんも小学校への期待が高まっていくと思います」
Q.未就学児を対象とした学習教材や学習教室がありますが、小学校への入学準備としてそれらを活用した方が良いのでしょうか。
白井さん「教材や教室での学習は、使い方やお子さんとの相性によって良くも悪くも変わります。お子さんから『もっとやりたい!』『楽しい!』という意思が見えるのであれば積極的に学ばせてあげてほしいですし、あまり意欲的ではなさそうなら、逆効果になる前に別のアプローチに変えるというのも手です。
何よりも、お子さんのペースに合わせて、学ぶことを強制するのはやめましょう。お子さんがストレスを感じてしまうと、学校に通い始めても学ぶことがストレスになってしまい、勉強が嫌いになってしまう可能性もあります」
Q.もしも子どもが学習教材や学習教室の勉強についていけなくなった場合、保護者はどのように接したらよいのでしょうか。
白井さん「『ついていけない』『難しい』と感じると、学びへの楽しさや意欲が薄れてしまいます。勉強そのものが嫌いになってしまわないように、休憩をしたり楽しいことを間に取り入れてみたり、別の方法に切り替えたりすることを検討しても良いかもしれません。
学習は『できた!』『分かった!』という成功体験を積み重ねてあげるのが重要ですから、あまりたくさんのことを詰め込みすぎず、小さな目標から少しずつレベルアップできると良いですね。
学びのペースは人それぞれなので、『近所の〇〇くんはこんなに覚えているのに!』などと他の子と比較したり焦ったりせず、ご自分のお子さんのペースに合わせてあげることが重要です」
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小学校入学前の段階で学習の基盤をつくることは重要ですが、無理強いをしてしまうとかえって逆効果になってしまうということです。子どもが学習の楽しさや意欲を持てるように、保護者が導いていけたら良いですね。
オトナンサー編集部