「子どもは健康のために外で遊んでほしいけれど、なかなか外に遊びに出たがらない…」というお悩みはありませんか。近年は暑さの影響や子どもの遊び場の減少など、外遊びが難しい環境になりつつありますが、それでも外で体を動かすのは子どもの発育上、重要です。子どもに外遊びを促すために、保護者はどのように接するのが良いのでしょうか。外遊びのメリットや上手な誘い方について、保育士の白井麻依子さんに聞きました。
■感性や感情の形成につながる外遊び
Q.小さな頃から外遊びをしていないと、発育上、どのような影響があるのでしょうか。
白井さん「外遊びの機会が減ってしまうと、『運動能力が向上しない』『筋肉や体幹が成長しない』などの影響があると思います。
また、『外に出かける』という行為自体にも大きな意味があって、自然と触れ合ったり外の空気を感じたり、感性や感情の形成にもつながるんです。それだけではなく、他の子どもたちと一緒に遊ぶ機会を増やすことでコミュニケーションが増えたり、遊びのルールを覚えたりなど、さまざまな『学び』を得ることができます。
そういった体験が、家の中にずっとこもっているとなかなかできないことなので、身体面・精神面の両方に影響が出てくるのではないかと思います」
Q.子どもが外に遊びに行きたがらない場合、どのような原因が考えられますか。
白井さん「原因の一つとして、スマホやタブレットで動画を見たり、ゲームをしたりするといったデジタルコンテンツ・デジタルデバイスの普及があると思います。特に幼少期にコロナ禍を過ごした子どもたちは、室内での遊びが当たり前になってしまい、外へ行く機会が減ってしまったことも大きいかもしれません。
花粉症やアレルギーなどの影響で外に出ると鼻水やせきなどが出るお子さんが、最近すごく多いんです。そのため、子どもながらに『外に行くのはよくない』と感じているというケースもあるかもしれません」
Q.外遊びに誘うために、保護者は子どもにどのように接するとよいのでしょうか。
白井さん「外に行くのを楽しんでもらえるように、保護者が協力してあげるのが良いです。外遊びというと、ついボール遊びや汗をたくさんかく運動を思い浮かべるかもしれませんが、必ずしも運動をさせなければいけないというわけではありません。近所を散歩して新しい道を歩いてみたり、かわいいお花を探してみたりするなど、ゆったり過ごす遊びというのも良いかもしれません。
反対に、『いつまでもうちでダラダラしてないの!』などと無理やり外に連れ出すようなことは避けてください。外遊びに対するマイナスな気持ちが芽生えてしまうと、余計に外に出たがらなくなってしまいます」
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さまざまな理由で、外遊びをする機会が減ってしまっている現代の子どもたち。室内遊びが悪いわけではもちろんありませんが、外遊びをすることで得られるメリットは多くあるようです。アレルギー症状などに気を付けて、少しずつ外に遊びに行く機会をつくってあげられるとよいですね。
オトナンサー編集部