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管理栄養士が推奨! スーパーで手軽に買える、特に栄養価の高い「果物」3選

オトナンサー 2024年10月20日 8時10分

 おいしく食べられて、栄養もたっぷり取ることができる「果物」。毎日の食事に上手に取り入れたい、栄養価の高い食材の一つです。スーパーで手軽に買える果物の種類はさまざまありますが、中でも1年中購入できて、特に栄養豊富な果物はどれなのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

■1日に必要なビタミンCが「0.7個」で取れる

Q.スーパーで(ほぼ)通年買える果物は多数ありますが、中でも「特に栄養価が高い」果物はどれでしょうか。

岸さん「スーパーで買える果物のうち、特に栄養価が高いといえるおすすめの果物は次の3つです」

【バナナ】

バナナはビタミンB6、マグネシウム、カリウム、オリゴ糖、食物繊維が豊富に含まれ、肌のターンオーバーを促進したり、むくみや腸内環境を改善したりと、美容効果が高いです。また、アミノ酸の一種である「トリプトファン」も含まれます。

そして、バナナは消化しやすく質のよい糖質が多いため、エネルギー補給にもぴったりです。多様な糖質を含んでおり、エネルギーの即効性と持続性の両方に優れています。安価で手に入りやすく、皮をむくだけで食べられるのも魅力ですね。

【キウイフルーツ】

キウイフルーツにはビタミンC、ビタミンE、食物繊維、葉酸が豊富に含まれます。特にビタミンCの含有量がずば抜けており、グリーンキウイでミカンの約2倍、バナナの約4.5倍、リンゴの約18倍と優れていますが、ゴールドキウイはさらに、グリーンキウイの2倍の量を含んでおり、ビタミンCの含有量が非常に多いことが分かります。成人の1日に必要なビタミンCは100ミリグラムですが、グリーンキウイなら1.4個分、ゴールドキウイなら0.7個分で摂取することができます。

【ミカン】

ミカンはビタミンC、A、B1が多く含まれ、ビタミンの宝庫である上、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルもまんべんなく含まれます。さらに、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用を持つ「ヘスペリジン」、ミカンの色素成分である「β-クリプトキサンチン」などの栄養成分も含まれます。

 このように、果物には栄養素が豊富に含まれています。特にビタミンC、B群、カリウム、マグネシウム、食物繊維の摂取量は、現代人の生活においてほぼ不足しています。そのため、果物を食べることで、足りない栄養素を補うことができます。

 しかし、食事全体のバランスがやはり大切なので、栄養効果があるからといって果物を普段の食事にプラスするだけでは、カロリーオーバーになって太ってしまう可能性があります。また、果物の栄養素に頼りすぎて、果物ばかりを食べていても足りない栄養素が出てきてしまうので、まずは食事のバランスを見直すことが大切です。

■キウイフルーツは「皮ごと食べられる」!

Q.これらの果物の栄養を効率よく摂取するための食べ方や、注意点とは。

岸さん「バナナは熟成度で含まれる栄養が変化します。緑色が残る熟成度が低いものは糖度も低いですが、善玉菌のエサになる『レジスタントスターチ』を多く含み、腸内環境の改善に役立ちます。全体がきれいに黄色になったバナナはビタミンB群が増え、エネルギー代謝を助けるとともに、美肌効果も期待できます。

黒い斑点である『シュガースポット』が多数出現するような茶色のバナナは、免疫に関する物質が増える効果が報告されています。熟成度を見ながら食べるタイミングを変えてみるのもよいでしょう。ただし、熟しすぎるとビタミンCが減ってしまうので、注意が必要です。

キウイフルーツには、タンパク質分解酵素の『アクチニジン』が含まれるため、肉などの下ごしらえに使用すると、肉をやわらかくする効果があります。最近では、その効果がヒトの胃の中でも起こる可能性が示唆されているので、肉や魚と一緒に食べることで、消化を促進する効果が期待できるかもしれません。

また、キウイフルーツは、実は皮ごと食べられる果物で、ニュージーランドなどでは一般的に皮ごと食べられています。グリーンキウイの細かい毛は、丸めたアルミホイルでこするとツルツルになりますし、ゴールドキウイであればそのままでも気になりにくいです。皮ごと食べるとビタミンE、葉酸、食物繊維の摂取量を増やすことができるでしょう。スムージーにするのもおすすめです。

ミカンの果肉を覆うようについている白い筋には、食物繊維に加え、先述した『ヘスペリジン』が多く含まれ、これにはビタミンCの吸収率を高める効果があります。また、白い筋や袋には、食物繊維の一種である『ペクチン』が果肉の部分の約4倍も含まれています。口当たりが悪く食べにくいかもしれませんが、白い筋や袋の部分は取り除かずに食べた方が、摂取できる栄養価がアップします。

ちなみに、ジュースに入っている『果糖』と果物の『果糖』は別物です。ジュースの果糖は精製されたものなので食物繊維、ビタミン、ミネラルがほとんど入っておらず、吸収が速いうえに代謝を滞らせ、脂肪に変換されやすいため、太る原因となりやすいです。

一方で、果物の適正摂取量は200グラムとされていますが、カロリーオーバーしていなければ、足りない栄養素を補充して代謝を上げてくれる、ダイエットの味方でもあります。200グラムを一気に食べるのではなく、食後や食間などに分けて摂取するとよいでしょう」

オトナンサー編集部

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