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【漫画】台湾・台北市は「歩行者地獄」 交通事故多く、命の危険感じることも 恐ろしい“道路事情”とは?<作者インタビュー>

オトナンサー 2024年11月14日 21時40分

 台湾台北市の交通状況について描いた漫画が、Instagramで900以上のいいねを集めて話題となっています。

「信号のない横断歩道を、車をよけながら渡る」など、その交通状況の悪さから「歩行者地獄」と呼ばれる台湾の台北市。作者が住み始めた当初は、歩いていると命の危険を感じることもありました。しかし、台北市に住んで12年がたった現在では…。読者からは、「恐ろしい」「台湾に住んでいますが、リアルな『あるある』ですね」「交通面の改善、すぐにでもしてほしいです」などの声が上がっています。

■台湾旅行時は交通事故に注意

 この漫画を描いたのは、Instagramやブログ「みみ家の台湾的日常。」などで漫画を発表している、ブロガーの「樋口みみ」さんです。2024年6月には、書籍『台湾で食べて育てて覚悟して 気づいたら、暮らし始めて12年め』(竹書房)を出版しています。樋口みみさんに、作品についてのお話を聞きました。

Q.今回の漫画を描いたきっかけを教えてください。

樋口みみさん「先日、横断歩道で轢(ひ)かれそうになっていた日本人観光客を目撃しました。普段は台湾生活の『あるある』や、日本と違って面白いなと感じたポジティブなことを主に漫画にしているのですが、危険な交通状況も私たちの生活から切り離せない重要なことだと思ったんです。台湾へ観光に来られる人たちにも知っていただきたいと思い、今回漫画にしました」

Q.「歩行者地獄」と呼ばれる交通状況を考えると、台湾の台北市では交通事故が多いのでしょうか。

樋口みみさん「台北市に限らないのですが、スクーターの保有率が世界一といわれている台湾の交通事故率は、日本の約5倍といわれています」

Q.目撃した事故のなかで、印象に残っているのはどのような事故でしたか。

樋口みみさん「台北市では赤信号になると車と車の間を歩き、ドライバーにジャスミンの花を売りに来る花売りがいるのですが、その花売りと車との接触事故です。また、交差点ではスクーター専用の一時停止場所が車の停止線より前にあるのですが、そのスクーター専用停車場所に突っ込んでしまった車の事故も衝撃的でした。他には、スクーターに親と乗っていたお子さんが、転倒の衝撃で道路に落下してしまった事故なども…。

ただ事故が起きたときに、周囲の歩行者や何人ものドライバーがすぐ車道に降りて助けているシーンはとても印象的でした。こういう部分は台湾の良さだと思っています」

Q.日本と台北市との交通状況を比較したとき、どのような点が大きく異なりますか。

樋口みみさん「とにかくスクーターが多いですね。台北市の車は輸入車が多く、新車だと安くても100万元(日本円で約500万円)前後しますし、税金などもスクーターと比べるととても高いです。また、台北市内では駐車もしづらいため、スクーターが経済的にも駐車スペース的にも便利だからなのかと思います」

Q.台北市の交通状況を改善するには、特にどのようなことが必要だと感じますか。

樋口みみさん「個人的には罰金が安過ぎる気がしています。十数年前と比較すると法の改正が進み、少しずつ良くなってきていますが、まだまだ取り締まりも緩めで、警察官も対応が優しいです。

また、3車線だった道路が予告もなしに突然1車線になる場所が多いので、設計自体も変えていく必要があると思います。でも、乗り捨てできるレンタルスクーターシステムが増えたり、駐車場が新設されたり、歩道もバリアフリー化が進んだり…と、私が台湾に来た12年前と比べると、徐々に改善はされていると思います」

Q.作品について、どのような意見が寄せられていますか。

樋口みみさん「『漫画だから、大げさに描いているのでは?』という声がありましたが、すべてリアルなんです。現地の台湾人から、『本当にこんな感じです』『台湾のあるあるですね』というコメントを頂きました」

オトナンサー編集部

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