スーツや学生服の下に着るピシッと決まったシャツを、皆さんは何と呼んでいますか? 東日本では「ワイシャツ」と呼ばれることが多いですが、西日本では「カッターシャツ」と呼ばれることもあるようです。なぜ地域によって呼び方が違うのか、それぞれの由来を探ってみました。
■「勝った!」が由来?
広辞苑では「カッターシャツ」の説明に、「襟と袖口が縫い付けられたシャツ。もとは運動着だが、今はワイシャツと区別なく用いる」とあります。つまり、カッターシャツとワイシャツは、呼び方が異なるだけで同じ扱いのもの。SNSなどでも「カッターシャツっていう言葉は知ってたけど、ワイシャツとは別の何かかと思ってた」「カッターシャツってワイシャツのことなの?」と驚く声が上がっていました。
カッターシャツは、大阪で創業されたスポーツメーカー「ミズノ」が発売したもの。テニスやゴルフなどの格式を重んじるスポーツに着想を得て、アウトドア用のシャツとして売り出しました。創業者が野球好きでよく球場に足を運んでおり、ひいきのチームが勝利した観客たちが「勝った! 勝った!」と喜んでいるのを見て「カッターシャツ」という名前を思いついたそうです。「勝った!」が由来なため、縁起物として当時の学生たちの間で広まりました。
発売当初から「カッターシャツ」と呼ばれてきたシャツですが、近年は西日本でもこの呼び名を使うことが減ってきたそう。また当時、学生たちの間で流行したことから、学生服の下に着るシャツが「カッターシャツ」、スーツに合わせるのが「ワイシャツ」と使い分けられることもあります。
一方、東日本で呼ばれている「ワイシャツ」は、欧州のホワイトシャツが語源。外国人が「ホワイトシャツ」と呼んでいたものを、日本人が「ワイシャツ」と聞き間違えたために「ワイシャツ」と呼ばれるようになったといわれています。他にも「第一ボタンを外したときの襟の形がYの字に見えるから」という説もあるようです。
どちらの由来も非常にユニークな「ワイシャツ」と「カッターシャツ」。地域によって呼び名が違う言葉があれば、由来を調べてみると面白いかもしれませんね。
オトナンサー編集部