焼いたり、煮たり、揚げたりなど、さまざまな方法で調理可能な野菜の一つがジャガイモです。糖質やでんぷんなどが含まれていることはよく知られていますが、他にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。ジャガイモの栄養素を効率的に摂取するには、どうすればよいのでしょうか。管理栄養士の桜井このさんに教えていただきました。
■加熱調理してもビタミンCへの影響は少ない
Q.まず、ジャガイモに含まれている栄養素について、教えてください。
桜井さん「ジャガイモに含まれている主な栄養素はビタミンCやビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸などのビタミン群のほか、カリウム、マグネシウム、鉄、銅などのミネラルなどがあります。
特にビタミンCはとても豊富で、通常、ビタミンCは加熱すると減少してしまうのですが、ジャガイモはでんぷんによって栄養分が守られているため、加熱調理をしても比較的影響が少ないというメリットがあります」
Q.ジャガイモの栄養素を効率よく摂取できる調理方法はありますか。
桜井さん「ビタミンCやビタミンB6は水に溶けやすい性質があるため、皮付きのまま調理すると栄養の流出が少なくなります。もし皮が苦手ということでしたら、火が通ってからむいてしまっても大丈夫です。また、たとえ栄養が流出してしまっても煮物やカレー、スープなどにすることで、余すことなく栄養を取れるのでお勧めですね。
組み合わせるとお勧めな食材は、鉄分の吸収を助けるアサリや牛肉のほか、老化の要因にもなる活性酸素の働きを弱めるアボカド、ブロッコリーなどです」
Q.ジャガイモの1日の摂取目安量はどの程度なのでしょうか。食べ過ぎてしまった場合、どのようなリスクがありますか。
桜井さん「1日の摂取量の目安は中サイズ1個分程度で、120~150グラムほどです。もし食べ過ぎてしまうと、便秘の悪化や下痢を引き起こすなど、胃腸に影響が出てしまう可能性が高いです。また、近年、ジャガイモを高温調理することで『アクリルアミド』という発がん性物質が生成されるという報告もあります。
ただし、食品から発生するアクリルアミドが原因で健康被害を起こした例はまだなく、たとえ起こったとしても相当量を摂取しないとリスクにはならないと言われているので、過剰に気にすることではないと思います」
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皮が付いたまま調理することで、栄養素の流出をある程度、抑えられるということです。適正量を守って、ジャガイモを日々の食卓のレシピに加えてみてくださいね。
オトナンサー編集部