歯磨きを嫌がる子どもと母の攻防を描いた漫画「はみがきものがたり」が、Xで3000近くのいいねを集めて話題となっています。
1歳半健診で、「子どもが歯磨きを嫌がる」と医師に相談した母。すると医師からは厳しい一言が。その言葉で母はハッとして…。幼い子どもを持つ親たちから、「うちもまさにこれ!」「みんな頑張れ」などの声が上がっています。
■歯科医師の一言がきっかけで現在も虫歯ゼロの息子
この漫画を描いたのは、漫画家のおちゃやまさんです。Xでは子育てについてのエッセイ漫画を発表。「さとう柏花」の名義で『ししまいガール』(講談社)を出版しています。おちゃやまさんに、作品についてのお話を聞きました。
Q.SNSで漫画を発表するようになったのは、いつごろからでしょうか。
おちゃやまさん「私は元々漫画家で、出産と育児をしながら執筆活動を続けていました。そんな中で、子どもが1歳になったのをきっかけに、『子どものことを描きたい』という気持ちが湧き上がり、育児漫画を描き始めました」
Q.このエピソードを漫画にして発表しようと思った理由やきっかけを教えてください。
おちゃやまさん「歯医者さんの言葉に、心を突き動かされたからです。この言葉をもらったことで、私自身、『子どもの歯を守る』という覚悟が芽生えました。このときの経験を漫画にすることで、同じように子どもの歯磨きに悩む保護者の皆さんに、歯医者さんのメッセージを共有できたらなと思いました」
Q.相談したときは、どのような返事を期待していましたか。
おちゃやまさん「『大変ですよね』『こうすると少し楽になりますよ』といった言葉や、具体的なアドバイスを期待していました。自分の中で、甘えた気持ちがあったと思います」
Q.想定外の言葉に、どう感じましたか。
おちゃやまさん「最初はびっくりしました。でもその言葉のおかげで、歯磨きへの自分の甘い姿勢を猛省し、『子どもの歯は私が守る!』と覚悟が決まりましたね。その日からどんなに子どもが嫌がっても、心を無にして歯を磨くようにしました」
Q.これは3年前の作品ですが、お子さんは4歳になった今も歯磨きを嫌がっていますか。
おちゃやまさん「今では『食後に歯磨きをしないと気持ち悪い』と感じるようで、自分から進んで歯磨きしようとする習慣が身に付いています。ただ、しっかり磨けているというわけではないので、保護者が仕上げ磨きをしています」
Q.歯磨きの成果は出ていますか。
おちゃやまさん「はい。これまでの定期健診でも虫歯ゼロを維持しています。また、歯磨きだけでなく、定期健診にもきちんと通うことで、長く健康な歯を守っていけるよう努力しています」
Q.漫画「はみがきものがたり」に、どのようなコメントが寄せられましたか。
おちゃやまさん「たくさんの人から『懐かしい~』『自分もこれやってる』など、共感の声を頂きました。また、歯医者さんから『自分の病院にこの漫画を掲示しても良いか』とのお問い合わせを頂き、大変光栄でした。親子の日常のひとコマを描いた作品が、読者の人たちや専門家にも共感していただけたことをうれしく思います。読んでくださる人たちの声が、漫画を描き続ける励みになっています」
オトナンサー編集部