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「酒じゃないから」と油断しちゃダメ “ノンアルコールビール”飲み過ぎで病気リスク増 医師が警鐘するワケ

オトナンサー 2024年12月15日 7時10分

 お酒が苦手な人や健康志向が高い人の中には、ノンアルコールビールを愛飲している人がいます。アルコールが入っていないからと、つい安心して飲み過ぎてしまうことがあるようですが、その場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。適量を守れば、毎日飲んでも問題ないのでしょうか。「戸塚西口さとう内科」(横浜市戸塚区)の院長で医師の佐藤孔信さんが解説します。

■糖質の過剰摂取につながる恐れ

 そもそも、ノンアルコールビールは、アルコール度数が1%未満の飲料を指します。アルコールが全く入っていない製品だけでなく、微量のアルコールが入っている製品もあります。

 アルコール度数が1%未満の飲料は、基本的に清涼飲料水に分類されます。清涼飲料水は水やお茶など無糖の飲み物のほか、ジュースのように砂糖が入った飲み物も含みます。

 ノンアルコールビールは、ジュースなどと同様、糖質を含む製品が多くあるため、1日の摂取量は、基本的に350ミリリットル以内にとどめておくのが望ましいです。

 また、ノンアルコールビールは、本来のビールの味に近づけるためにさまざまな成分が含まれており、例えば、ノンアルコールビールの甘みは天然の甘味料または人工甘味料が使用されています。

 天然の甘味料は血糖値を上昇させる糖質を含むため、飲み過ぎは糖質の過剰摂取につながります。製品の購入時は糖質の量を確認し、できるだけ「糖質ゼロ」と表示された製品を選ぶようにしましょう。

 人工甘味料の製品については、血糖値を上昇させる糖質は含まれていません。しかし、人工甘味料は砂糖の何倍もの甘みを感じることができ、その甘みに慣れてしまうと甘みに対する感覚が鈍くなり、より甘いものを多く摂取してしまう可能性があります。そのため、結果的に食欲を増進させ、エネルギー摂取量が増えてしまうことにつながります。

 最近では人工甘味料の過剰摂取が腸内環境を悪化させ、それによりさまざまな病気の原因につながる可能性が指摘されています。ノンアルコールビールは先述のように適量を守って飲むのが良いでしょう。

 また、ノンアルコールビールを飲むときについ食べ物を多く摂取してしまう人もいるでしょう。酒やノンアルコールビールと一緒に食べられるものは、脂っこいものや味付けの濃いものが多いため、こうした物を食べ過ぎると脂質や塩分の過剰摂取につながります。その結果、肥満や高血圧のほか、これらの症状によりさまざまな病気の原因にもなるため、注意が必要です。

 ノンアルコールビールは、アルコールをほとんど含まないため、肝臓への負担は少ないですが、先述のように糖質を含む製品もあるため、安易に毎日飲み続けるのは好ましくないでしょう。何度も強調しますが、飲む際は適量を守りましょう。

オトナンサー編集部

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