医療機関を受診したときに処方されたお薬は、基本的には飲み切るのが原則といわれています。ただ、中には飲み忘れてしまったり、症状が早めに改善して服用をやめたりするなどして薬が余ってしまうことがあります。この場合、薬を手元に残しておき、似たような症状が出たときに自分の判断で服用してもよいものなのでしょうか。薬剤師の真部眞澄さんに教えていただきました。
■事前に医師や薬剤師に確認を
Q.そもそも、処方薬の使用期限はどのくらいなのでしょうか。
真部さん「使用期限は、薬の中に含まれる成分や形状などによって異なりますが、未開封の状態で製造日から数年程度のものが多いですね。薬のパッケージには使用期限が書かれていますが、薬局にどの程度保管されていたか分からないため、もし気になる場合は薬剤師に確認してみましょう。
また、保管状態によっても劣化が早まることが考えられるため、直射日光が当たる場所に置かないなど、保存上の注意点も確認すると安心です」
Q.喉の痛みや鼻水などの症状で医療機関を受診した際に処方された薬が余ったとします。その後、以前と同じような症状が出た際に余った処方薬を服用しても良いのでしょうか。
真部さん「原則として、使用期限内だからといって自己判断で処方薬を服用するのはお勧めできません。以前と同じような症状だと思って服用したとしても、実は原因が異なっていたということが考えられますし、仮に副作用が出たとしても自己責任となってしまう可能性があります。
もしも服用したい場合は、薬を処方したかかりつけの医師や薬剤師に確認を取り、使用期限や現在の症状、併用薬との飲み合わせなどもしっかりと確認した上で服用するようにしましょう」”
Q.もし処方薬の使用期限が過ぎてしまった場合、どのように処分するのが良いのでしょうか。
真部さん「まずは、お住まいの自治体が決めたルールに沿って処分していただくのが原則です。錠剤や液体などさまざまな形状の薬がありますが、トイレやシンクに流すといったことは絶対にしないようにしましょう。
目薬やスプレー状の薬は、古布やティッシュなどに吸わせて、中身を出し切ってから捨てるようにします。錠剤などの薬の中身は封筒や紙に包んで燃えるゴミ、容器やシートなどは各自治体の破棄方法に従ってください。
ちなみに、薬局によっては余ってしまった薬や使用期限の切れた薬を回収してくれるサービスを行っています。薬剤師が適切な方法で処分してくれるため、困ったときは薬剤師に確認をして、そういったサービスを利用するというのも一つの方法です」
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薬の使用期限は数年単位と長く設定されているものが多いものの、すでに開けてしまっているものや保存に適さない場所では劣化が早まってしまうため注意が必要です。
また、処方された薬が余ってしまっても、むやみに自己判断で服用せずに、かかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。
オトナンサー編集部