鍋料理の具材や料理の薬味などによく使われるのが長ネギです。冬に旬を迎え、ピリッとした辛みが特徴的ですが、実際にどのような栄養素が含まれているのかご存じでしょうか。長ネギの主な栄養素のほか、長ネギを食べる際の注意点などについて、管理栄養士の桜井このさんに教えていただきました。
■大量摂取で体臭や口臭の原因に
Q.長ネギにはどのような栄養が含まれているのでしょうか。緑の部分と白い部分とで、含まれる栄養素は異なるのでしょうか。
桜井さん「実は長ネギの緑の部分は緑黄色野菜、白い部分は淡色野菜にそれぞれ分類されています。緑の部分の方が全体的に栄養価が高く、ベータカロテンやビタミンK、ビタミンC、葉酸などが豊富に含まれています。
ただ、カリウムや葉酸、アリシンなど、部位によってそれほど大きな差がない栄養素もあるため、白い部分に栄養素がほとんどないというわけではありません」
Q.長ネギを食べるメリット、デメリットについて教えてください。
桜井さん「ネギを切ると独特の染みるような感覚があると思うのですが、あれはアリシンという硫化アリルの一種である栄養素が原因です。アリシンは白い部分に多く含まれており、血液をサラサラにする効果や殺菌作用、抗酸化作用などさまざまなメリットがあります。
ただし、アリシンが刺激となってしまい、内臓の粘膜を傷つけてしまうリスクもあるため、胃腸が弱い人がたくさん摂取するのはお勧めできません。また、ネギの辛みや刺激が苦手な人は、加熱調理をすると甘みを感じやすくなり、刺激感を減少させることができますよ」
Q.では、長ネギを大量に食べてしまうことで他にどのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。
桜井さん「大量に食べてしまうとアリシンの刺激を強く感じてしまい、腹痛や貧血を起こしてしまうリスクがあります。また、アリシンを含む硫化アリルは、大量摂取により口臭や体臭が一時的に強くなってしまうことも知られています」
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長ネギが部位によって分類が異なる点は意外でした。体に良い栄養素が多く含まれているからといって、食べ過ぎると体調を崩す恐れがあるため、注意が必要です。適量を守って、長ネギの栄養素を上手に摂取していきたいですね。
オトナンサー編集部