パーソルキャリア(東京都千代田区)が運営する転職サービス「doda(デューダ)」が、「平均年収ランキング2024」を発表しました。
■トップ10最多は「金融」
調査対象者は、2023年9月から2024年8月末までの間に、転職サイト「doda」のサービスに登録した、正社員として働く20~65歳の男女。約60万人のデータを元に、平均年収(支給額)の順位を算出したものです。
調査の結果、2024年の平均年収は前年から12万円アップした「426万円」で、2017年以降最高額となりました。同社によると、2017年の調査時の平均年収は418万円で、そこから長らく減少傾向が続き、経済的にも新型コロナの影響を強く受けた2021年と2022年には平均年収が403万円まで落ち込んだものの、2023年・2024年の直近2年間は上昇傾向にあるということです。年収中央値は全体で「380万円」となり、前年から20万円アップしています。
男女別では、男性が「481万円」(前年から17万円増)、女性が「366万円」(同10万円増)という結果に。男女別の年収中央値は、男性が「420万円」、女性が「340万円」で、どちらも20万円アップとなりました。
業種別で見ると、全97業種の1位は「金融」に分類される「ベンチャーキャピタル/プライベートエクイティ」(816万円)でした。次いで、2位に同じ「金融」の「投信/投資顧問」(800万円)が入っています。なお、6位「証券会社」(620万円)、7位「信託銀行」(611万円)も含めると、トップ10のうち「金融」に分類される業種が4つを占めており、同社は「活況なマーケット状況などが影響したものと考えられます」と分析しています。
3位の「たばこ」(790万円)は、前年から123万円の大幅アップとなり、最も平均年収が増加した業種となりました。たばこ主要企業の海外市場での売り上げ増加に伴う業績伸長などが、平均年収アップにつながったとみられています。
また、業種分類別で見ると、トップ10に最も多くランクインしたのは「金融」、トップ20では「金融」と「メディカル」だったということです。
調査結果を受けて、doda編集長の桜井貴史さんは「近年の急激な物価上昇によって、年収がアップしても使えるお金が増えている実感がある人は少ないのかもしれません」「給与体系の見直しや、賃上げに取り組む企業のニュースなどを耳にする中で、現在のはたらく環境や給与・待遇を振り返り、昇給が見込めない企業に留まるよりも転職して待遇改善しようと考えた人も多かったのではないでしょうか」とコメントを寄せています。
オトナンサー編集部