例年、12月半ばを過ぎると「今年もまた大掃除ができないまま新年を迎えるかも…」と焦る人もいるのではないでしょうか。しかし、ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんは「普段の掃除にちょっとプラスすれば、本格的な大掃除をする時間がなくても大丈夫です」と話します。そこで、忙しい人でもまだ間に合う“ちょい足し”大掃除術を教えていただきました。今回は「お風呂場」です。
■冬場のお風呂場は「結露ができやすい」
お風呂場には、水道水の成分が固まった白い水あか、ボディーソープで体を洗うときにでるせっけんカス、髪の毛、皮脂汚れがたまりやすいです。
白い水あかは小まめに水分を拭き取ったり、掃除したりして取り除かないと、鏡や蛇口周りによく見られる「金属せっけん」と呼ばれる頑固な汚れに変わるとともに、うろこ状に広がっていき、落としにくい汚れになっていきます。
また、せっけんや皮脂はきれいに洗い流さないと、それをエサにしたピンク色の「酵母菌」が発生し始め、そのまま放置していると、やがて黒カビが発生してしまいます。早めに対処できればよいのですが、扉のパッキン部分やタイルの目地などにカビの根が深く生えてしまった場合は、落とすのが容易ではありません。
カビといえば「梅雨の時期」というイメージがあるかもしれませんが、冬場でもカビ対策は必要です。入浴中は室温、湿度ともに上がりますが、入浴後は温度が下がります。冬場のお風呂場はその寒暖差が大きいため、結露ができやすい環境となるからです。
そんなお風呂場の大掃除について、「本格的にやる時間がないと、きれいにするのが難しそう…」と感じている人もいるのではないでしょうか。そこで、普段のお風呂場の掃除に“ちょい足し”するポイントをお伝えします。
日常的なお風呂場の掃除では、浴槽の中を中心に洗うことが多いと思いますが、大掃除では普段なかなか手が回らない部分を、時間が許す限りきれいにしていきましょう。
【鏡の「うろこ状」の汚れ、蛇口の白い水あか】
お風呂場の中の金属部分は、ぜひピカピカにしたいもの。水にクエン酸を混ぜて「クエン酸水」を作り、キッチンペーパーやラップを使って塗布し、しばらく置いてからスポンジで磨きましょう。素材に傷がつく場合があるので、強く擦らないようにし、汚れが頑固な場合は塗布と磨きを何度か繰り返します。
【排水口】
受け皿の下にある封水筒まで、スポンジやブラシを使ってきれいにしましょう。詰まりがある場合は、パイプクリーナーを使ってみてください。
【換気扇フィルター】
フィルターなど外せる部品は外して中性洗剤で洗い、よく乾かしてから元に戻します。
【カビ対策】
カビをそのまま放置していると見た目がよくないだけではなく、アレルギーの原因にもなり得ます。塩素系カビ取り剤を塗布して対処しましょう。壁面など、液だれしやすい場所には粘着性のあるカビ取り剤を使うのもおすすめです。また、仕上げに防カビ剤を使えば、カビの発生頻度を抑えることが期待できます。
作業時には換気に気を付けつつ、ゴム手袋、必要に応じて眼鏡やゴーグルなどを使います。また、酸性洗剤と塩素系洗剤を混ぜると有毒ガスが発生する危険があるので、同時に使わないよう注意してください。
作業後は、浴室内を乾燥させるために、換気扇をしばらく回しておきましょう。余裕があれば、浴室全体の水分を拭き取る「ドライ仕上げ」ができると、よりスッキリしますよ。
オトナンサー編集部