同居中のカップルの家事分担について描いた創作漫画「家事は誰がやる?」が、Xで話題になっています。
同居中の「もも」と「こうた」。ももが「私がお風呂に入っている間に、食器を洗っておいて」と、こうたに頼みました。すると、家事をやりたくないこうたは、ももに…。読者からは「あり得ない!」などの声が上がっています。
■女だという理由で家事をするよう求められたことも
この漫画を描いたのは、メイさんです。XとInstagram、ブログ「ちょっとそこまで。」で漫画を発表しています。メイさんに、作品についてのお話を聞きました。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
メイさん「子どもが生まれた頃から、イラスト入りで日記を描き始めました。SNSに投稿を始めたのは、息子のかんしゃくや他害がひどくて、悩んだ経験があったからです。誰にも相談できず、同じ悩みを持つ人にネット上でも出会えなかったので、自分で描いてみようかなと思ったのがきっかけでした」
Q.「もも」と「こうた」はどのようなキャラクターなのでしょうか。
メイさん「ももとこうたは、Instagramとブログに掲載していた漫画のキャラクターです。この漫画は、発達障害児の親である私自身の経験をもとに、子どもの発達障害を受け入れるときの葛藤や、夫婦で足並みをそろえて進むのが難しいことなどを描いています。
『なぜそんなにすんなり受け入れられるのか』『なぜまだ受け入れられないのか』など、お互いの考えやタイミングの違いにすれ違いつつも、少しずつ歩み寄っていく2人です」
Q.このエピソードは、メイさんの実体験に基づいたものでしょうか。
メイさん「収入差を理由にされたことはないですが、私が女だという理由で、家事をすることを求められた経験はあります。夫の育った家がそのような価値観だったので、夫も元々はそういう考えの人でした」
Q.このテーマを取り上げた理由やきっかけはありますか。
メイさん「周囲の友人やネットなどを見ていて、『収入額によって家事の量に差をつけるものだ、と考える人が多い』と感じていました。恐らく彼らは、無意識のレベルでそう感じているのではないかと思っています。この漫画では、こうたがそうです。私とは違う価値観なので、『もし言われたらどうするかな』と思ったのが描いたきっかけです」
Q.ももの対応が、「うまい!」と思いました。これはご自身でも実践していることでしょうか。
メイさん「うまいと言っていただいてありがとうございます! 私の場合は、『家事=女がやる』と夫が無意識に思っているということを、意識してもらいたくて言ったことがあります。はっきりと『家事は女がしなきゃいけないという価値観を持っているってこと?』と聞いたら、そうだ、とは答えづらいことに気付いてくれたようでした。
人によっては、そうだと答えるかもしれませんね。でもそれはそれで、相手の価値観を知るという点では良いのかもしれません。結婚前に価値観が合わないことが分かれば、お別れを考えることもできますね。ちなみに現在の夫は、めちゃくちゃ積極的に家事をやってくれます! 助かっています」
Q.この後、こうたの価値観は変わっていったのでしょうか。
メイさん「人の価値観は、特に大人になってからはそう簡単に変わるものではないと思うので、どうなのかな? でも、本当にもものことが好きで一緒にいたいと思っているなら、歩み寄ってくれるのではないかと思っています。価値観は変えられなくても、行動は変えられますもんね」
オトナンサー編集部