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風邪に「ビタミンC」は本当に効く? 風邪に効果的なフルーツ&野菜とは

オトナンサー 2025年1月9日 6時10分

 冬は気温が低く、空気が乾燥するため風邪をひきやすくなります。ネット上では「風邪をひいたときはビタミンCを摂取するのがお勧め」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。風邪をひいたときにお勧めの食べ物、控えた方がよい食べ物について、薬剤師の箕浦雅子さんに聞きました。

■白血球に多く含まれているビタミンC

Q.ネット上では「風邪をひいたときはビタミンCを摂取するのがお勧め」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。理由も含めて、教えてください。

箕浦さん「本当だと考えられます。ビタミンCはウイルスのような外敵と戦う白血球に多く含まれているからです。例えば、ビタミンCには白血球が外敵と戦ったときに発生する活性酸素を中和する働きがあるとされています。風邪をひいたときは白血球がウイルスと戦うため、その分活性酸素も多くつくられます。そのためビタミンCの必要量が多くなるのです。

活性酸素は細胞や組織を傷つけてしまうため、ビタミンCが少ないと白血球も思う存分戦えなくなります」

Q.風邪をひいたときはどのような食べ物を摂取したらよいのでしょうか。

箕浦さん「風邪をひいたときは、ビタミンCが豊富に含まれているミカンやレモン、オレンジなどのかんきつ類のほか、柿やベリー類、ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツなどを積極的に取り入れるとよいでしょう。特に食欲が落ちている場合は、常温または少し温めたスムージーやジュースにして取ると無理なく栄養補給が可能です」

Q.風邪をひいたときにビタミンC以外に摂取したらよい栄養素はありますか。

箕浦さん「風邪をひいたときはビタミンやミネラルの消費量が多くなり、たくさんの栄養素が必要になります。基本的に体を冷やさず、消化しやすく、栄養価の高いものを中心に取ることが大切です。そこで、次のような食べ物、栄養素を摂取するのをお勧めします」

■ショウガ
体を温め、炎症を鎮めるほか、消化促進の効果が期待できる。

■プロバイオティクス(善玉菌)
みそや納豆などの発酵食品で腸内環境を整え、免疫力を間接的にサポートする。

■水分と電解質
発熱や鼻水で失われる水分を補給し、体内環境を整える。ショウガ湯や経口補水液がお勧め。

■ビタミンD
キノコ類や卵黄などに含まれている。免疫機能を調整し、感染症リスクを軽減する。

■亜鉛
カキや赤身肉、ナッツなどに含まれている。ウイルスの複製を抑制し、免疫細胞の働きを活性化する。

■ビタミンA
ニンジンやホウレンソウ、カボチャなどに含まれている。粘膜を保護し、免疫バリアーを強化する。

■オメガ3脂肪酸
サバやイワシなどの青魚に含まれている。抗炎症作用があり、免疫反応を調整する。

■タンパク質
豆腐や納豆、卵、鶏肉などに含まれている。免疫細胞や抗体の材料となり、回復をサポートする。

■ビタミンE
カボチャやモロヘイヤ、ゴマなどに含まれている。抗酸化作用があり、免疫細胞の老化を防ぐ。

上記に挙げたのはほんの一例です。日頃から緑黄色野菜を積極的に取り入れて栄養バランスのよい食事を取るとともに、体調が悪いときは少量ずつ摂取し、十分な睡眠と水分補給を取るのを心掛けてください。

Q.風邪をひいたときに摂取してはいけない飲食物はありますか。

箕浦さん「風邪をひいたときは、特に冷たい飲み物、食べ物は避けましょう。冷たいものは体温を下げ、免疫機能を低下させる可能性があります。また、胃腸に負担をかけます。

辛い食べ物やカフェインのような刺激物のほか、アルコールは胃腸を刺激し、体力を消耗させる恐れがあります。特にアルコールや塩分の濃いものは脱水症状を引き起こし、回復を妨げる可能性が高くなります。

他には高脂肪の食品を避けてください。消化に時間がかかり、体が消化にエネルギーを使い過ぎるため、回復が遅れることがあるからです。

甘過ぎる食べ物や飲み物も摂取を控えてください。過剰な糖分が免疫細胞の働きを抑制することがあるほか、血糖値が急上昇することで体の負担が増えるといわれています。

このほか、根菜類のような食物繊維が多い食べ物も避けましょう。食物繊維が多いと消化に負担がかかり、胃腸が弱っているときは不適切だからです。

以上の内容を心掛けた上で、風邪をひいたときに回復を妨げないためには次のことを心掛けてください」

■食材の調理
食材が軟らかくなるように調理し、消化しやすくする。

■体温を維持する
食べ物や飲み物は温かいものを選ぶ。

■温度
湿度を適度に上げて、室内を暖かくする。

■水分補給
脱水を防ぐため、常温の水やスープを摂取する。

■規則正しい生活
体調に合わせて、できるだけ早寝早起きをする。

オトナンサー編集部

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