子どもへの仕送りの考え方を描いた創作漫画「大学生の息子に仕送り30万はアリか?」が、Xで話題となっています。
作品に登場するのは、大学生の息子に月30万円の仕送りをしているという男性。会社の同僚からは「甘やかし過ぎでは?」と言われるのですが、男性がどのような考えから30万円の仕送りをしているのかが描かれています。読者からは、「有意義に使えるならアリ」「金銭感覚がマヒしそう」「私なら節目節目に渡す」など、アリ派とナシ派に分かれた意見が寄せられました。
■若い頃にお金があった方が人生が豊かになるかも
この漫画を描いたのは、投資家兼漫画家のホンダアオイさんです。元は会社員だった作者が無職になって感じたことを漫画にして、Xやブログ「ホンダアオイの無職な日常」で発表しています。ホンダアオイさんに、作品についてのお話を聞きました。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
ホンダアオイさん「本格的に漫画を描き始めたのは社会人1年目(2017年頃)からです。元々はソフトエンジニアをしていたのですが、製品の一部にしか関われず、やりがいを十分に感じられませんでした。そんな中、漫画はほとんど自分で作っていることに気付き、やりがいを感じられると思い、描き始めました」
Q.今回の漫画を描いたきっかけを教えてください。
ホンダアオイさん「『DIE WITH ZERO』という、お金に関することが書いてある本を読んだことがきっかけです。その本の中に、『たいていの人は相続が遅過ぎる』という話があり、そこから着想を得て、今回の漫画を描きました。『仕送り30万は高いかもしれないが、むしろ若い頃に渡した方が、子どもの人生を豊かにすると思いませんか?』という問いを投げかけてみました」
Q.ホンダアオイさんご自身は、仕送りをもらっていましたか。
ホンダアオイさん「もらっていました」
Q.仕送り30万という額は、「アリ」だと思いますか。
ホンダアオイさん「お金をうまく使えるなら、アリだと思います。やはり若い頃の方が、圧倒的にお金の価値は高いと感じています。年齢が上がるにつれて、海外旅行できるお金があっても気力がなくなってくるので、時間と体力があるうちに有意義に使ってもらって、人生経験を積ませるのが一番だと思います」
Q.周囲に仕送りがない、もしくは少なくて苦労していた人はいましたか。
ホンダアオイさん「苦労している子はいました。そのせいで勉強はおろそかになっていた気がします。バイトでワイワイしているのは、それはそれで楽しそうではありましたが……」
Q.ホンダアオイさんが親になったとき、子どもに仕送りはすると思いますか。
ホンダアオイさん「すると思います。大学生でしたら、なるべく学業に注力する方が、将来的なリターンは大きいと思っています。また、大学生のときにあまりにお金がなかった場合、社会人になってからその反動で散財してしまうこともあるのでは…と考えています」
Q.作品について、どのような意見が寄せられていますか。
ホンダアオイさん「ナシ派、アリ派でさまざまなコメントを頂きました! ナシ派のコメントは『与え過ぎると、ためる習慣が身に付かない』『魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えた方がいいと思う』など。アリ派からは『若いときにお金があると、できることの選択肢が増える』『仕送りのおかげで勉強に打ち込むことができた経験があるのでアリ!』などのコメントがありました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
ホンダアオイさん「人生について、何か考えるきっかけになる漫画を作っていきたいと思っています。無職日記もその一つで、『会社で働き続けることが正しいのか? 逆に会社を辞めたら本当に幸せなのか?』というような観点で描いています」
オトナンサー編集部