さまざまな病気のリスクを調べることができる「血液検査」。採血をする前日には、飲食物の摂取に関する注意や指示を受けることが一般的ですが、ネット上では「すっかり忘れてて、前日にお酒を飲んじゃったことがある…」といった経験談がちらほら聞かれます。
もし、採血をする前日にお酒を飲んでしまった場合、どうなることが考えられるのでしょうか。eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。
■「飲酒禁止」指示は限定的?
Q.そもそも「血液検査」とはどんな検査ですか。
市原さん「血液検査は採血を行い、肝臓や腎臓といった臓器の異常を調べたり、血糖値やコレステロール、中性脂肪、尿酸などの数値を調べたりと、さまざまなことが分かる検査です。健康診断で特に異常を指摘されず健康な人は、年に1回の健康診断での血液検査で十分です。
何か症状があるなど不調のときには、病院で血液検査を行い、不調の原因を調べます。例えば、糖尿病などで定期的に病院に受診している人は、1~2カ月に1回は血液検査をすることが多いです。かかっている病気によって血液検査の頻度は変わります」
Q.採血を控えている人に対して「飲酒をしないように」との指示があるのはなぜですか。
市原さん「飲酒をしないように指示があるのは、例えば飲酒の影響で肝機能が悪くなっている場合などに限られます。通常の診察での血液検査や、健診での血液検査では、飲酒関連の指示はしません。特に健診はありのままの状態で受けて、病気の有無を判定するものです」
Q.もし、指示を守らず、採血の前日〜当日に飲酒をしてしまったら、どうなることが考えられますか。
市原さん「肝機能や尿酸値、中性脂肪の検査値が上がる可能性があります。飲酒により脱水になっていれば、さらに腎機能の数値が上昇します」
Q.ちなみに、「採血後」はお酒を飲んでも問題ないのでしょうか。
市原さん「はい。採血後はいつ飲酒しても問題ありません」
オトナンサー編集部