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種類が多くて困る…自分に合った「風邪薬」を選ぶコツは? チェックすべき5つのポイント【薬剤師解説】

オトナンサー 2025年1月29日 7時10分

 冬は気温や湿度が低く、風邪をひきやすいシーズンです。鼻水や喉の痛みといった症状が出たときに市販の風邪薬を飲んで様子を見る人は多いと思います。一方、市販の風邪薬は種類が多く、どの製品を購入したらよいのか困ったことはありませんか。風邪薬を選ぶコツや注意点について、薬剤師の真部眞澄さんに教えていただきました。

■眠くなる成分に注意

Q.市販の風邪薬は種類が多く、どの製品を購入したらよいのか迷うことがあります。どのような基準で風邪薬を選ぶとよいのでしょうか。

真部さん「風邪薬を選ぶポイントは『症状に合った薬を選ぶ』『眠くなる成分が入っているか』『飲みやすさ』『持病やアレルギー、併用薬など』『服用できる年齢』です。順番に説明します」

■症状に合った薬を選ぶ
風邪の初期で悪寒がしたり、少し風邪のような症状が出てきたりした場合は葛根湯、喉の痛みや熱がある場合はアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤を含む製品、せきがひどい場合はデキストロメトルファンなどの鎮咳成分を含む製品がそれぞれお勧めです。

また、鼻水や鼻詰まりがひどい場合はクロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン成分を含む製品やプソイドエフェドリンなどの血管収縮剤を含む製品がお勧めです。

■眠たくなる成分が入っているか
風邪薬の中には眠気を引き起こす成分が含まれている製品があり、そのような製品を服用すると眠くなることがあります。機械作業を行ったり車を運転したりする人は、眠たくなる成分が入っていない製品を選んでください。

■飲みやすさ
錠剤やカプセル剤、顆粒剤など、自分にとって飲みやすい形状の製品を選んでください。

■持病やアレルギー、併用薬など
持病がある人やアレルギーのある人、併用薬のある人は必ず医師や薬剤師に相談して確認するようにしてください。

■服用できる年齢
12歳未満が服用できない製品が多いので、風邪薬の外箱をきちんと確認しましょう。

Q.風邪薬に含まれている眠気を引き起こす成分について、詳しく教えてください。

真部さん「先述のように風邪薬を服用すると眠たくなることがあるのは、眠気を引き起こす成分が含まれているためです。特に、鼻水やくしゃみに効く成分の『クロルフェニラミン』『ジフェンヒドラミン』『クレマスチン』といった抗ヒスタミン剤や、催眠作用や鎮静作用のある『ブロムワレリル尿素』『アリルイソプロピルアセチル尿素』といった鎮静剤などが該当します。これらは脳内の神経に作用するため、眠たくなります。リラックス作用があり休息を補助する効果もあるんですよ。

脳に直接作用する一部のせき止め成分の『デキストロメトルファン』『ジヒドロコデインリン酸塩』などが入った製品を服用した場合も眠くなります。

一方、眠くなりにくい風邪薬は、これらの『抗ヒスタミン成分』や『催眠作用、鎮静作用のある成分』『一部のせき止め成分』が含まれていない薬です。最近は眠くなりにくい抗ヒスタミン成分を含む風邪薬もあります」

Q.市販の風邪薬は何日程度であれば服用し続けてもよいのでしょうか。もし薬を飲んでも症状が改善しない場合、どのように対処したらよいのでしょうか。

真部さん「各市販薬によって異なりますが、3~5日と記載されている製品や『長期連用は避けること』という内容の説明が記載されている製品が多いです。

各市販薬の添付文書に『○回服用しても改善が見られない場合は、服用を中止して医師や薬剤師にご相談ください』という内容の説明が記載されているので、そちらを確認してください。改善が見られない場合や症状が悪化した場合は早めの受診をお勧めします」

* * *

 市販の風邪薬を購入するときは症状に合った薬を選ぶことはもちろん、「眠くなる成分が入っているか」「飲みやすさ」なども確認すべきことがよく分かりました。特に服用後の眠気が気になる場合は、成分表をよく確認してから購入しましょう。

オトナンサー編集部

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