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白菜の表面にある「黒いブツブツ」に不安の声「汚れ?」「虫っぽい」→野菜のプロに聞いたら“意外な正体”明らかに

オトナンサー 2025年1月29日 8時10分

 鍋の季節に欠かせない野菜の一つ「白菜」。白菜といえば、表面に黒いブツブツのような“斑点”を見かけることがあります。この斑点については「汚れ?」「気になるから、表面をそぎ落としてる」「毎回めちゃくちゃ洗ってます」「なんか虫っぽくて…」「斑点の部分は食べないようにしてるなぁ」など、「斑点=有害かもしれない」という不安から、「食べる前に取り除くようにしている」という人も少なくないようです。

 白菜の表面にある黒いブツブツは、果たして有害なのか……一般社団法人日本野菜ソムリエ協会(東京都中央区)広報部の担当者は「そのまま食べて問題ない」と話します。どうして問題ないのか、黒いブツブツの“正体”は何なのか、詳しく教えていただきました。

■白菜に過度のストレスがかかり…

 白菜の表面にみられることのある「黒い斑点」。汚れや虫、カビや病気などによるものに見えて、不安に思ったことがある人も多いかもしれません。結論からいいますと、この「黒い斑点」は、そのまま食べて問題ありません。

「黒い斑点」の正体はポリフェノールです。栽培環境や栽培方法の影響によって、ポリフェノールが小さなかたまりとして表面に出てきた状態で、一般的に「ゴマ症」と呼ばれています。ちなみに、ポリフェノールは野菜を含むほぼすべての植物に含まれている成分です。

 白菜のゴマ症は、栽培過程における肥料(窒素)の与え過ぎや、過密な生育環境、過酷な気象状況などで起きるといわれています。つまり、白菜に過度のストレスがかかることで引き起こされるため、ゴマ症を完全に防ぐのは難しいと考えられます。

 ところで、ゴマ症による「黒い斑点」の影響で、風味や栄養に違いが出るのかどうか、気にする人もいるかもしれません。

 まずは風味についてです。白菜を購入した「後」、新たに斑点が出てくることがあります。この場合は鮮度の劣化や管理状態によるものなので、風味は確実に劣ってしまっているといえます。一方、スーパーマーケットなどで鮮度のいい白菜を手に取ったとき、既に斑点がみられることもあります。この場合、風味の良し悪しについての正確な判断は難しいものの、際立って「おいしくない」「エグみがある」というようなことはないと思います。

 次に栄養です。栄養の変化については、成分値を検査しないと分かりません。ただし、仮に変化があったとしても、人間の体にとって劇的な差が出るものではないと思われるため、気にせず召し上がっていただきたいです。

 なお、「黒い斑点の正体はポリフェノールである」と先述しましたが、実際のポリフェノールには多数の種類が存在し、未解明の成分も多くあります。また、その機能も不明な点が多いのです。健康志向から「ポリフェノールは体にいいから、黒い斑点のある白菜を選ぶのがよい」という見解は少し乱暴ですし、それだけの量を摂取できるものでもありません。よって、ポリフェノールの含有量についても気にしなくてよいと思われます。

「肥料のやり過ぎによる健康被害があるのではないか」という議論もありますが、数日にわたって大量消費を続けることは、恐らくまれだと思います。どうしても気になる場合は、ゆでこぼしてから召し上がってください。

■白菜の「食べ頃を過ぎたサイン」は?

 白菜に限らず、野菜の味は鮮度で大きく変わります。食べられなくなったサインとして、「溶けてしまったもの」は問題外です。白菜も、張りがあって色がよい、新鮮なうちに楽しんでほしいと思います。

 なお、白菜における「食べ頃を過ぎたサイン」としては、次の3つをチェックしましょう。

・茎に走る縦の筋が目立つ
・茎の外側の薄い膜が分離して浮いている
・縦に亀裂が入っている

 膜の分離と亀裂は同時に起きることが多いようですが、これは水分が抜けることによる劣化です。中の葉は問題なく食べられる場合もあるため、悪くなった葉を取り除いてください。

 ちなみに、「白菜はシナシナになったら食べられない」と認識している人も、比較的多いのではないでしょうか。

 同じシナシナでも、適当に放置することによるものと、意図的な加工によるものとでは意味合いが異なります。おすすめは、すき焼きをするとき、白菜を半干しして、あえてシナシナとした状態にする食べ方です。こうすることで、水分の出過ぎを防げる上に味がよく染みるため、割り下も薄まることなくおいしく食べられます。ぜひ一度試してみてくださいね。

オトナンサー編集部

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