美容室に行って美容師と対面したときに緊張してしまうことはありませんか。中には、鏡越しに美容師と目が合うのが気まずく、施術中は目をつぶったままの人もいるようです。目をつぶったまま施術を受けるのは失礼なのでしょうか。美容院「Grace Avenue」(東京都港区)サロンマネジャーで美容師の原木佳祐さんに聞きました。
■カットに集中したい美容師も多い
Q.美容師に髪を切ってもらっている間、目をつぶっていても問題はないのでしょうか。
原木さん「もちろん、髪を切っている最中、目をつぶったままでも問題ありません。無理に話さなくても気持ちよく過ごしてくださる方がうれしいです。ただ、前髪を切る際、目をつぶったままだと眉が3~5ミリほど下がる場合もあります。前髪を切る際は、できればつぶったままではなく、自然にしていただけるとありがたいです。
また、普段は明るく会話を楽しみたいと思ってくださる人でも『今日は話したくない』『「静かに過ごしたい』といったタイミングもあると思います。そういった時は静かに目をつぶっていただいて構いませんので、ご安心ください。
一見コミュ力が高いと思われがちな美容師ですが、実はサロンだからこそ話せていて、外では話せない人や人見知り、『できることならカットに集中したい』といった美容師さんも多いんですよ」
Q.美容師から何か聞かれたときに、声を出さずにうなずくだけでも問題はないのでしょうか。
原木さん「うなずいても問題ありません。会話をするのが苦手で、声を出すのも恥ずかしい人もいらっしゃいます。小さなお子さまの場合や初めて行く美容室の場合、自分の意思で『こうしたい』と言えるお客さまばかりではありません。話し掛けたときにいただくうなずきは、お客さまの精一杯の意思表示だと私たちは受け止めています。たとえ、それが大人であっても同じです。
一番困るのはうなずきもなく、否定も肯定もない無反応な場合です。こちらから何か話し掛けても無反応だと『何か気に障ることをしたかな?』『怒らせてしまったのかな?』と考え過ぎた結果、時間がかかり過ぎてお互いに望まない結果につながることもあります。そういったケースを避けるためにも、うなずいていただけるとありがたいです」
Q.美容室で施術をしてもらうときに、客が心掛けるべきマナー、または客が心掛けると美容師が助かる行為はあるのでしょうか。
原木さん「いくつかありますが、まず予定時間に大幅に遅れることは避けていただきたいです。遅れそうだなと思った時点でご一報いただけると助かります。多くのサロンでは、1日の来店客数、時間などがスタッフ間で共有されていて、お客さまに負担をかけないように段取りをしています。遅刻は仕方がないですが、早めにご連絡をいただければ対策を取ることができます。
次に、予定時間よりも大幅に早く来店するのも避けていただきたいです。すぐに施術に入れる状態であれば問題ありませんが、待たせていることへのストレスは少なからずあります。可能であれば、予定時間よりも10分以上早く来店するのは避けていただけると助かります。
このほか、無断キャンセルも避けていただけるとありがたいです。あまりにも多いとブラックリストに入り、出入り禁止になることもあります。また、サロン経営の死活問題にもなってきます。予約時間になってもお越しいただけない場合はこちらからご連絡をするケースもあります。場合によってはキャンセル料がかかるお店もありますので、気を付けてください。
施術に影響が出るような服装や派手な装飾も避けていただけると助かります。厚めのタートルネックや襟が硬めのシャツ、パーカなど、施術に支障が出るような服装のほか、大きめのピアスやネックレスなどのアクセサリーもけがの原因になるので、避けていただけると助かります」
* * *
美容室で施術中に目をつぶっても問題がないことが分かりました。それよりも、「予定時間よりも大幅に遅れて来店」「無断キャンセル」「美容師が施術しづらい服装で来店」などをしないよう、注意する方が重要です。ぜひマナーを守って、美容室での時間を気持ちよく過ごしたいですね。
オトナンサー編集部