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シーツが血まみれに…閉経前の「ドバドバ出血」どうして起こる? 産婦人科医に聞いて分かった“原因”

オトナンサー 2025年2月6日 9時10分

 時期に個人差はあれど、女性の誰もがいつか迎える「閉経」。閉経が近づくと、女性の体にはさまざまな変化が起こることが知られていますが、ネット上では「いきなり大量に出血してびっくりした」「ナプキンからあふれるくらいドバドバ出る大出血だったな…」「シーツが血まみれになってさすがにゾッとした」「これが“最後の大暴れ”といわれているやつか…と思ったよ」といった月経(生理)時の「大量出血」に驚いたり、不安になったりした経験のある女性の声も少なからず聞かれます。

 どうして閉経前の時期に“ドバドバ出血”が起こることがあるのでしょうか。神谷町WGレディースクリニック院長で産婦人科医の尾西芳子さんにお聞きしました。

■50歳前後で「大量出血→受診」する女性はかなりいる

Q.そもそも、「閉経」とは何ですか。

尾西さん「『閉経』とは『月経が1年以上止まっている状態』で、月経が1年以上ない場合に1年前を振り返って閉経と診断します。日本人の閉経の平均年齢はちょうど50歳といわれていますが、個人差がとても大きく、40歳未満で閉経してしまうというケースもあります」

Q.閉経前に「大量の出血」「ナプキンから漏れるほどのドバドバ出血」が起こることがあるのは事実でしょうか。

尾西さん「こうしたことは、いわゆる教科書には書いていないのですが、長年患者さんを診ていると、大量出血の原因となるような婦人科の病気が何もないにもかかわらず、やはり50歳前後で大量の出血をして受診される方がかなりいらっしゃいます。『仕事中に経血が漏れてしまって、椅子が真っ赤になって大急ぎで受診した』という方もいました。

原因は、閉経の時期は卵巣機能が衰えてくるために、ホルモンバランスが崩れてしまうためです。そうすると子宮の内膜が薄いままだったり、逆に厚くなり過ぎるなどして月経の間隔がバラバラになったり、経血量が少なくなったり、多量になったりとさまざまな変化が現れます」

Q.もし、閉経前の時期の生理時に大量出血があった場合、どうすればよいですか。

尾西さん「出血がいつもと違って多い場合、婦人科を受診しましょう。子宮のがんや子宮筋腫が原因となっているケースもあり、『この時期の出血は大丈夫』と思い込んでしまうのは危険です。また、多量出血によって気付かないうちに貧血になっていることもあります」

Q.生理時の「ドバドバ出血」以外にも、閉経が近づくことによる体の変化や症状が起き、不安に思う女性も多いようです。

尾西さん「閉経の前後5年を『更年期』と呼ぶのですが、この時期は女性ホルモンの変化により、心身にさまざまな変化があらわれます。“ドバドバ出血”だけではなく、めまいや肩こり、倦怠(けんたい)感、関節痛、ホットフラッシュ(急に来る発汗)、頭痛などの身体の症状だけでなく、イライラやうつ症状といった症状が現れます。

これらの症状は個人差が大きく、不安に思う人も多いのですが、今はさまざまな治療法があるので、何か不調が現れたら、まずは婦人科へ相談に行ってみましょう」

オトナンサー編集部

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