同じ日本でも、地域によって“味付け”の文化は異なります。例えば、北海道や東北地方に行くと、「え? その食べ物にその調味料を組み合わせるの?」なんて驚くことも。その意外すぎる調味料とは「砂糖」です。
■購入時の選択肢「ケチャップ・マスタード・砂糖」
砂糖を組み合わせる理由は諸説ありますが、寒い地域では昔から砂糖を使った甘い味付けの料理が多いことが影響しているようです。それぞれの地域で、一体どのような料理に砂糖を組み合わせているのでしょうか。
砂糖をかける意外な食べ物の一つが「アメリカンドッグ」。コンビニやお祭りの屋台でなじみのあるホットスナックですが、北海道東部の釧路や帯広では、アメリカンドッグにグラニュー糖などの砂糖をかける文化があります。コンビニなどで購入時に「ケチャップ・マスタード・砂糖」の選択肢を聞かれるほか、アメリカンドッグではなく「フレンチドッグ」と呼ばれているようです。
そもそも「アメリカンドッグ」とは、日本人が作った和製英語。本場アメリカでは「コーンドッグ」と呼び、名前から分かる通りコーン(トウモロコシ)の粉を使った生地を衣に使用するのが特徴です。一方、日本では、生地の主な材料として小麦粉が使用されています。
では、なぜ「フレンチドッグ」という呼び方が生まれたのでしょうか。こちらも明確な定説はなく、諸説あり、例えば「魚肉ソーセージを使う場合はフレンチドッグ、豚肉のソーセージの場合はアメリカンドッグ」という説や、単に「地域による違い」という説も。北海道の他に、大阪府、福島県、埼玉県、岐阜県、三重県、福井県などの一部でもフレンチドッグと呼ばれているようです。
また、山形県民の中には、アメリカンドッグでもフレンチドッグでもなく「ホットドッグ」と呼ぶ人も。どうやら“パンにソーセージを挟んだ料理”とひとくくりに認識しているようです。
砂糖をかける意外な食べ物は、アメリカンドッグだけではありません。北海道や東北では、納豆に砂糖をかけて食べる人が多いそう。実は砂糖を合わせるメリットもあり、ネバネバ度が強くなるだけでなく、納豆菌がつくる酵素「ナットウキナーゼ」が増えて健康効果もアップするのだとか。砂糖入り納豆を初めて食べた人の感想を見ると、「臭みが消えて悪くない」と意外にも(?)好評です。
北海道や東北に存在する「食べ物に砂糖をかける」文化。まずは、アメリカンドッグと納豆に砂糖をかけるところから試してみると、意外とハマってしまうかもしれませんよ。
オトナンサー編集部