年会費無料のカードから数十万円するカードまで100枚以上のクレカを使っている菊地崇仁が、年会費無料・実質無料でおトクな組み合わせを選んだ。特定のショップで還元率が上がるクレカではなく、ほぼ誰でもおトクになる組み合わせを紹介する。(全2回の第2回/前回はこちら)
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国際ブランドを考えよう
前回紹介したリクルートカード、ビックカメラSuicaカード、三井住友カード(NL)の組み合わせを紹介する前に国際ブランドを知っておく必要がある。国際ブランドとは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、銀聯などだ。
店舗でこれらのロゴがある場合、これらのカードを利用することができる。逆に、ロゴがない場合はカードを利用できない事になる。
VisaとMastercardは利用できるがJCBは利用できないなど、店舗によって利用できるクレカが異なるため、複数カードを保有する場合は国際ブランドを分けておくのが得策だ。
リクルートカードはVisa・Mastercard・JCB、ビックカメラSuicaカードはVisa・JCB、三井住友カード(NL)はVisa・Mastercardから選ぶことができる。
Visa | Mastercard | JCB | |
リクルートカード | ○ | ○ | ○ |
ビックカメラSuicaカード | ○ | ─ | ○ |
三井住友カード(NL) | ○ | ○ | ─ |
なお、リクルートカードの場合はVisa・JCB、Mastercard・JCBの組み合わせで保有する事ができ、Visa・Mastercardの組み合わせで保有する事はできない。
リクルートカードの国際ブランド | 2枚持ち可否 |
Visa × Mastercard | × |
Visa × JCB | ○ |
Mastercard × JCB | ○ |
利用シーンによる組み合わせパターンを考えよう
固定費など日々の支払いはリクルートカード、交通費などはビックカメラSuicaカード、対象コンビニ・飲食店は三井住友カード(NL)を利用する。
3つのカード利用でたまるポイントはリクルートポイント、JRE POINT、Vポイントとなり、どれも使い勝手の良いポイントだ。
リクルートポイントはdポイントかPontaポイントに交換して利用。JRE POINTはSuicaにチャージ。Vポイントは利用料金に充当するのが良いだろう。
では、いくつかのパターンの組み合わせを紹介する。
【パターン1】ETCカードが必要でコンビニや飲食店を良く利用する
メインカードをリクルートカード(Mastercard)、サブカード的にリクルートカード(JCB)、ビックカメラSuicaカードをVisaブランドで申し込めば、Visa、Mastercard、JCBのブランドで分ける事が可能だ。
リクルートカードのVisa・MastercardブランドはETCカードの発行手数料が有料だが、リクルートカード(JCB)の場合はETCカードの発行手数料がかからない。ETCカードが必要な場合はJCBブランドもサブとして保有しておくと良いだろう。
三井住友カード(NL)はVisaでもMastercardでもどちらでも良いが、鉄道のタッチ決済はVisaブランドのみのため、現時点ではVisaブランドを選んだ方が良い。
【パターン2】ETCカードは必要だが、コンビニも飲食店もほとんど利用しない
対象のコンビニ・飲食店をあまり利用しない場合は【パターン1】から三井住友カード(NL)をはずせば良い。コンビニなどSuicaを利用できる店舗ではビックカメラSuicaカードからチャージしたSuicaを利用すればおトクになる。
【パターン3】コンビニ・飲食店を利用するがETCカードは必要ない
リクルートカード(Visa)をメインカードにし、ビックカメラSuicaカード(JCB)、三井住友カード(NL)をMastercardで利用すると、国際ブランドを分ける事ができる。リクルートカード(Mastercard)、ビックカメラSuicaカード(JCB)、三井住友カード(NL)をVisaでも問題ない。
固定費などはリクルートカード、対象のコンビニ・飲食店は三井住友カード(NL)をスマートフォンに登録してApple PayやGoogle Payでタッチ決済。交通費やそれ以外のSuica利用店舗ではビックカメラSuicaカードでチャージしたSuicaで支払う。
【パターン4】ETCカードは不要、コンビニも飲食店もほとんど利用しない
使い分けが面倒という場合は、メインカードはリクルートカードをVisaまたはMastercardにし、サブカードとしてビックカメラSuicaカード(JCB)を保有。
コンビニなど、Suicaを利用できる店舗ではビックカメラSuicaカードでチャージしたSuicaで支払う。
【パターン5】カードは1枚にしたい
リクルートカードのVisaまたはMastercard 1枚にし、モバイルSuicaのチャージもリクルートカードを利用する。Suicaへのチャージは月間3万円までがポイント対象となるため、それ以上使わない前提での1枚だ。
なお、リクルートカード(JCB)はSuicaチャージ分は0.75%とダウンするため、注意しよう。
クレカが複雑なのはたった3枚のカードであっても組み合わせパターンがいくつもあるためだ。自分の生活にあったカードを選ぶのは本当に難しい。
今後、特定の加盟店を利用する際におトクになるクレカや組み合わせを紹介したい。