楽天モバイルの不振から、楽天ポイントに対する改悪が続いているが、それでも楽天ポイントは最強のポイントであることは間違いないだろう。なぜ、楽天ポイントは強いのか、おトクに利用するにはどうすれば良いのか ─ 初心者でも簡単にはじめられる楽天ポイントでのポイ活を紹介したい。(全3回の第3回/第1回・第2回はこちら)
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必須アイテム1.年会費無料の楽天カード
楽天ポイントをがっつりためるには楽天カードは必須だ。以前は、年会費有料のカードの方がポイントを多く獲得できたが、2024年1月時点では年会費無料のカードで十分だ。
楽天市場では、SPU(スーパーポイントアッププログラム)でポイントが3倍になる。内訳は、楽天の会員が購入すると1倍分(通常ポイント)、楽天カードの決済で+1倍分(通常ポイント)、楽天カード特典分の+1倍分(期間限定ポイント)となる。ポイント種別は第1回を参考にしてほしい。
また、第2回で説明したように、毎月5と0のつく日はエントリーし、楽天市場で楽天カードを利用して支払うとポイントが+1倍となる。
つまり、毎月5と0のつく日は楽天カード利用者であれば楽天市場で常時4倍分(4%分)のポイントを獲得できる。
なお、それぞれポイント獲得上限があるため注意しよう。まず、期間限定ポイントとなる楽天カード特典分の+1倍分は1か月1,000ポイント、毎月5と0のつく日に楽天カード利用での+1倍分も1か月1,000ポイントまでだ。
上限が低いと感じるかもしれないが、1倍分のポイントとは100円(税抜き)につき1ポイントであり、1,000ポイントの上限に達するには1か月10万円(税抜き)の利用が必要となる。1か月10万円も楽天市場を利用しない場合は、上限に引っかかる事はない。
楽天カードは楽天グループ以外のどこで使っても1%の楽天ポイントがたまるため、楽天グループ以外でも積極的に利用しよう。1年間で100万円利用すれば、それだけで1万ポイントを獲得できる。
ただし、税金や固定費など、一部ポイント還元率が異なる場合があるため注意が必要だ。
0.2%還元となる税金・電気・ガス・水道などは、他社のカードで支払い、それ以外は楽天カードを利用する。また、Mastercardブランドのみ、Amazon.co.jpでの還元率が0.2%となるため注意しよう。
なお、楽天ポイントへのポイント交換レートが悪くなっているため、他社ポイントを楽天ポイントに交換して利用できれば良いのだが、他社カードを利用した場合はポイント交換せずに利用した方が良いだろう。
必須アイテム2.楽天銀行
楽天ポイントをがっつりためるためにはそれほど重要ではないが、一度設定するだけでポイントをためる仕組み作りが可能のため、必須アイテムとした。
楽天銀行の口座開設は無料。楽天カードの引落口座を楽天銀行に設定し引き落としされると、楽天カード支払い分が+0.3倍になる。
なお、楽天市場同様、楽天銀行にもステージ制があり、残高や取引数に応じてランクがアップする。ランクが上がるとATMでの手数料無料回数が増えたり、他行振込手数料の無料回数が増えたりする。
楽天銀行には少し怪しいネーミングだが「ハッピープログラム」があり、楽天会員情報と楽天銀行の口座を連携するだけで参加可能だ。ハッピープログラムにエントリーし、楽天銀行の口座引落で楽天カードの利用料金を支払うだけで、ベーシックとアドバンストは3ポイント、プレミアムは6ポイント、VIPとスーパーVIPは9ポイント獲得できる。
さらに、楽天銀行を給与・賞与・年金の振込口座に指定し、実際に受け取ると、楽天市場で楽天カード支払い分が+0.2倍となり、SPUは最大で+0.5倍までアップする。
上乗せポイントの月間上限は1,000ポイントとなり、よほど楽天市場で高額な買い物をしない限り(20万円以上)超えることはないはずだ。
なお、楽天銀行で給与・賞与・年金の受け取りの場合、ハッピープログラムで別途1~3ポイント(ステージで変わる)獲得できる。
あったらいいアイテム1.楽天モバイル
苦戦している楽天モバイルの影響で、楽天カードや楽天銀行などのポイントが改悪されているのは事実だろう。
しかし、2023年12月以降は楽天モバイルを保有していた方がポイントはたまりやすい。楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」を契約していると、楽天市場でのポイントが+4倍たまる(SPUの特典)。上限は1か月2,000ポイントまで。
SPUの中で最も効果的なのが楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」契約だろう。
「Rakuten最強プラン」の料金は3GBまでの場合1,078円(税込み)、20GBまでの場合2,178円(税込み)、20GB以上の場合3,278円(税込み)だ。
毎月のデータ利用料 | 月額料金 | |
税抜き | 税込み | |
0GB~3GBまで | 980円 | 1,078円 |
3GB~20GBまで | 1,980円 | 2,178円 |
20GB~ | 2,980円 | 3,278円 |
サブ回線として利用している場合はデータ利用料は3GB未満となり、月額利用料は1,078円(税込み)となる。
例えば、楽天市場で1か月3万円(税抜き)の利用があった場合、楽天モバイルの+4倍で1,200ポイントの獲得だ。月額利用料1,078円(税込み)を支払ってもおトクになる。
逆に2万円(税込み)程度の利用の場合、+4倍のポイントを獲得できたとしても800ポイントの獲得となり、1,078円(税込み)を払うのは損だ。
もちろん、メインのケータイキャリアを楽天モバイルに変更すれば、スマホ料金自体を下げる事もできる。しかし、筆者の周りでも「楽天モバイル1本にするのは勇気がいる」と言う声も聞こえており、最初はサブ回線で利用するのがよいだろう。
なお、楽天モバイルの+4倍では注意点があり、上限が月間2,000ポイントまで。楽天カードのSPUや楽天銀行のSPUについては上限をあまり意識する必要はなかったが、楽天モバイルの月間ポイント獲得上限に関しては良く理解する必要がある。
月間2,000ポイントまでの場合、+4倍で上限となる利用金額は5万円(税抜き)まで。毎月5万円も利用しない場合はそれほど気にする必要はないが、「楽天ふるさと納税」を利用する場合は上限をしっかり把握しよう。
改悪ばかり取り上げられるが、楽天モバイル+楽天カードのキャンペーンも新たに開始しており、楽天モバイル利用者がエントリーすると、楽天カードの「街の利用分」が2倍になる特典も。上限は500ポイントまでだが、日々の買い物で楽天カードを利用すれば2%還元となる特典は地味にうれしい特典だ。
あったらいいアイテム2 楽天証券
楽天証券の口座もあった方が良い。新NISAも始まり、NISAの「つみたて投資枠」をクレカ積立で利用するとおトクだ。
楽天証券で楽天カードを利用してクレカ積み立てすると0.5%または1%のの楽天ポイントを獲得できる。基本的に販売手数料無料のノーロードファンドは0.5%。人気のeMAXIS Slimシリーズなどは0.5%のポイント還元となる。
3万円をクレカ積み立てした場合は、毎月150ポイント獲得できる。年間1,800ポイントの獲得だ。
なお、投資信託を保有しているだけでポイントがたまる「投信残高ポイントプログラム」が開始しており、クレカ積立を考えている場合は、対象ファンドを選択するのも手だろう。積立額が増えていけば毎月楽天ポイントがたまるようになる。
また、楽天証券で3万円以上クレカ積立を行っている際に楽天ポイントを利用するに設定していれば、SPUも+0.5倍獲得可能だ。
楽天証券+楽天カードで資産形成をしつつ、楽天カードでのポイント、投信残高ポイントプログラムでのポイントをさらに投信購入にまわすなどすれば、効率良く資産形成できる。
ここまで楽天ポイントの人気の理由・仕組み、使うべきサービスを解説してきたが、以降はポイントをためる方法を紹介する。実際に筆者が利用している方法だ。
キャンペーンのコンボでがっつりゲット!
楽天ポイントをがっつりためるためにはキャンペーンを併用するのが効果的だ。
キャンペーンが複数重なった場合、最も有利なキャンペーンが適用される事が多い。しかし、楽天市場の場合は重なったキャンペーンを全て利用できる。
「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」+「ショップ買いまわり」+「5と0のつく日」は併用可能だ。SPUは最大16.5倍、ショップ買いまわりで最大+9倍、5と0のつく日に楽天カードを利用すると+1倍となり、最大26.5倍にもなる。
ただし、SPUの16.5倍は非常に難しい。これまで紹介した楽天カード+楽天モバイル+楽天証券+楽天銀行の組み合わせでは8倍までアップする。
利用サービス | 倍率 |
楽天会員 | 1倍 |
楽天モバイル | +4倍 |
楽天カード | +1倍 |
楽天カード特典分 | +1倍 |
楽天銀行+楽天カード | +0.5倍 |
楽天証券 投資信託 | +0.5倍 |
これまで紹介したサービスの利用でのお買い物マラソン期間中は最大で8倍(SPU)+9倍(ショップ買いまわり)+1倍(5と0のつく日)=18倍。最近のお買い物マラソンはフリマアプリの楽天ラクマで1,000円以上購入すると+1倍もあるため、ショップ買いまわりを+1倍追加して19倍まで可能だ。
年会費1万1,000円(税込み)の楽天プレミアムカードの「楽天市場コース」(火曜日・木曜日+1倍)や誕生月(+1倍)も併用できる。誕生月で楽天市場コースの場合は+2倍の楽天ポイントを獲得可能だ。
買いまわりでおトクなのは「楽天ふるさと納税」だろう。各自治体が1ショップとなるため、10自治体でふるさと納税を利用すると+9倍のポイントを獲得可能だ。
楽天ふるさと納税を利用する場合はラクマを利用しよう。ラクマでは、なぜか楽天ふるさと納税を利用すると+1倍分のポイントを獲得できる特典がある。
さらに、お買い物マラソン期間中にキャンペーンを実施することもあるため確実におさえておこう。ちなみに2024年1月のお買い物マラソンでは2%のポイント還元キャンペーンを実施。
また、後ほど説明するが楽天ウェブ検索の2倍キャンペーンも忘れずに。楽天ウェブ検索ではエントリーで2倍(+1倍)のポイントを獲得できる。+1倍分の上限は150ポイントと少ないが、無料で使えるアプリで獲得できるポイントとしてはおさえておくべきだろう。
楽天市場のキャンペーンは基本エントリー制となるため、購入前のエントリーを忘れずに。
楽天スーパーDEALを見逃すな!
楽天スーパーDEALは、対象アイテムで楽天ポイントを最大50%獲得できる特典だ。
検索結果に「スーパーDEAL」のマークがある商品が対象となり、以下の写真の下の商品は10%のポイント還元となる。
スーパーDEALで絞り込むことも可能だ。アプリの場合は右下にある「絞込み」からスクロールして「スーパーDEAL」をON。「この条件で検索する」にするだけで絞り込むことができる。
もちろん、ポイント還元と価格を比較して、本当におトクなのかは考える必要があるが、ポイントをがっつりためたいのであればスーパーDEALは覚えておこう。
他社サイトの利用ではリーベイツを利用しよう!
楽天市場以外のネットショッピングの場合におトクなのがリーベイツだ。
楽天のポイントサイトとなり、リーベイツを経由して購入すれば掲載されているポイント数を獲得できる。
例えばApple製品を買う場合、直接Appleのwebサイトにアクセスするのではなく、リーベイツを経由して購入すると1%の楽天ポイントを獲得できる。なお、最新のiPhoneなど、一部商品は対象外の場合もあるので、条件をしっかり確認しよう。また、時期によっては3%、4%などになる事もあるため、急がないのであれば定期的にキャンペーンを確認しておこう。
ただし、リーベイツは多くのネットショップに対応しているが、さすがにAmazonやYahoo!ショッピングへの誘導はない。au PAYマーケットの掲載があるのはライバルと見なしていないのだろうか。
以降は、がっつりではないが無料でコツコツ楽天ポイントをためられるサービスをいくつか紹介する。筆者も全て利用している。
【ブラウザー編】小さくてもコツコツと
■楽天ウェブ検索
1日5回検索すると100万ポイントの山分けに参加できる。検索エンジンはGoogleが利用されているため、知りたい情報は普通に検索できる。
なお、検索回数に応じて山分けポイントが変わるため、検索数が多ければ獲得できるポイントも多い。1日30回が上限となり、筆者のこれまでの経験上1日3~4ポイント獲得できる。4ポイントを30日獲得すれば、1か月120ポイントだ。
また、楽天ウェブ検索ではエントリーし、毎日5回以上検索を5日間達成すると、楽天市場でのポイントが2倍になる特典も。上限は150ポイントだが、無料で利用できるサービスを使わない手はない。
■楽天e-NAVI
楽天カード会員向けのwebサービス「楽天e-NAVI」にアクセスし、「クリックでポイント」をクリック。一覧にあるバナーをクリックするとバナーの下に表示されているポイントを獲得できる。
楽天カードアプリもあるが、定期的に楽天e-NAVIにログインして確認しよう。なお、通常は1ポイントだが、2ポイントの広告もあったりする。
【アプリ編】小さくてもコツコツと
楽天のアプリはたくさんあるが、楽天ウェブ検索、Rakuten Super Point Screen、楽天ペイ、楽天PointClub、楽天ビューティ、楽天チェック、Rakuten Pasha、楽天カードなどのアプリをインストールしておくとコツコツポイントをためられる。
■楽天ウェブ検索
ブラーザーでもアプリでも検索数は共有されるため、どちらを使っても獲得できるポイント数は同じだ。筆者の経験ではアプリ版の方がサクサク動くため、アプリをインストールして利用しよう。
■Rakuten Super Point Screen
毎日広告を見るだけでポイントがたまるアプリ。多くの広告は1回1ポイントだが、2ポイントの広告もある。1日3~5ポイント程度は獲得可能だ。
動画を見たりすると1つコインをためられ、5つコインがたまるとポイントが当たる抽選に参加できるが、筆者は1ポイント以外当たったことがない。
■楽天チェック
対象加盟店や公園でチェックインすると楽天ポイントを獲得可能だ。チェックインする場所が決まっているため、アプリに書かれている場所をしっかりチェックしよう。
■楽天ペイ
楽天カードから楽天キャッシュにチャージ、楽天キャッシュを使って楽天ペイでの支払いで1.5%の楽天ポイントを獲得できる。
ペイ払いで、条件がそれほど厳しくなく、それでいて1.5%還元となるのはかなりのメリットだ。楽天カードで直接支払うよりも、楽天ペイで支払うと+0.5%上乗せとなるため、楽天ペイを利用できる場合は楽天ペイを利用するのが良い。
なお、楽天ポイントカードのバーコードも表示できるため、楽天ポイントカードのプラスチックカードを持つ必要がなくなる。
■楽天PointClub
毎日、メニューの「三」からポイントミッションを3回タップで1ポイント、1週間に1回ポイント実績確認で1ポイント獲得できる。ポイント実績は毎週月曜日更新だ。
■楽天ビューティ
1週間に1回楽天ビューティのアプリでサロンを1回閲覧すると1ポイント獲得できる。楽天PointClubと同様、毎週月曜日更新となる。
なお、楽天PointClubや楽天ビューティなどは「楽天リワード」を利用した仕組みとなり、楽天グループ以外のアプリでもミッションクリアで楽天ポイントを獲得できるアプリもある。
■楽天カード
楽天カードのアプリは、利用明細を確認するときに便利だ。ただ、利用明細だけで使うのはもったいない。「楽天カードポイントプラス」のエントリーが簡単になり、エントリーした加盟店で楽天カードを利用するとポイントが○倍になったり、抽選で楽天ポイントが当たったりする。
■Rakuten Pasha
事前にクーポンを取得し、対象商品購入後にレシートをアップロードするとポイントを獲得できるアプリ。
店舗によっては楽天ポイントカードを提示すれば、レシートのアップロードが不要となる事もあり、利用する店舗が含まれているかを確認しよう。
なお、Rakuten PashaはSPUの対象となり、Rakuten Pashaのクーポンで合計300ポイント以上獲得し、「きょうのレシートキャンペーン」で10枚以上のレシートが審査通過すると、楽天市場の買い物時に+0.5倍のポイントを獲得できる。
筆者はレシートのアップロードはしないため、+0.5%はいつも対象外。
【2024年版】として3回に分けて楽天ポイントの仕組み・ため方を紹介したが、ポイント制度は定期的に変わるため、2024年中でも利用できなくなったり、条件が変わったりする場合が多い。情報のアップデートが重要だ。
また、楽天ポイントは攻略する面白さがある一方、ハマりすぎると無駄な行動を取ってしまう場合もあるので注意しよう。
どの経済圏でも同じだが、ポイントを使う事が目的であり、ポイントをためる事は目的ではない。ためたポイントの出口を考えて、しっかり使うようにしてほしい。