KDDIによるローソンへのTOBが2024年4月26日(金)に成立した。親会社の三菱商事以外が保有する株式を買い付け、三菱商事(50%)とKDDI(50%)で共同経営に乗り出す。
この、KDDIによるローソン経営参画で、今後ポイント経済圏にどのような影響があるのだろうか。
au経済圏(Ponta経済圏)に関する、金融サービスなどの関連会社を出資比率と代表的なサービスを一覧にしてみた。
au経済圏は意外と金融に強く、サービス名称も統一されているのも特徴的だ。
楽天ポイント | Pontaポイント | dポイント | Vポイント | PayPayポイント | |
携帯電話 | 楽天モバイル | au | ドコモ | ─ | ソフトバンク※ |
ポイントカード | 楽天ポイントカード | Pontaカード | dポイントカード | Vカード | ─ |
コード決済 | 楽天ペイ | au PAY | d払い | ─ | PayPay |
クレジットカード | 楽天カード | au PAYカード | dカード | 三井住友カード | PayPayカード |
プリペイドカード・ 電子マネー |
楽天Edy | au PAYプリペイドカード | dカード プリペイド | VポイイントPay | ソフトバンクカード※ |
銀行 | 楽天銀行 | auじぶん銀行、 ローソン銀行 |
dスマートバンク | 三井住友銀行 | PayPay銀行 |
証券 | 楽天証券 | auカブコム証券 | マネックス証券 | SBI証券 | PayPay証券 |
オンライン ショッピングモール |
楽天市場 | au PAYマーケット | Amazon | ─ | Yahoo!ショッピング |
※ソフトバンクポイントをPayPayポイントに交換可能
au関連の金融サービスは連携すればおトクになるようなサービスやauのプランもあるが、おトクをアピールするのが下手だ。
また、au PAY残高還元やPontaポイント還元など、複数の還元方法があるのも問題だろう。
現状のサービス状況を確認した上で、今後ローソンを共同経営するとどんな事が起こるのかを考えて見る。
ローソンではau PAYを利用するとPontaポイントを多く獲得できたり、auユーザー向けにクーポンを配布したりする可能性もある。ローソンレジでau PAY残高をチャージできるサービスなども期待できる。
また、ローソンにはローソン銀行があり、ローソン銀行を活用したサービスも展開できる。現在は、auじぶん銀行をローソン銀行ATMで利用すると、引き出しや預け入れはステージに応じて無料になるが、ステージにかかわらず無料にするなども考えられる。
ローソン銀行の事を考えると、ドコモがローソンの株を買った方が良かったのかもしれない。auは既にauじぶん銀行があるが、ドコモは銀行サービスが弱い。新しく銀行に参入するのは難しく、既にある銀行を買収した方が早いのだが、ローソン銀行はKDDIに持って行かれた。他の銀行を考えた場合、ドコモはオリックス・クレジットとの資本提携を行ったため、オリックス銀行なども考えられる。
ローソン傘下としては高級スーパーの成城石井もあり、実店舗でさまざまな優遇サービスを提供するかもしれない。成城石井はAmazonのネットスーパーでも利用でき、ポイント経済圏によるネットスーパー争いも激しくなるかもしれない。
ローソンのTOBでポイント経済圏争いは、コンビニ業界だけでなく、銀行、スーパーにも影響が出そうで、さまざまな提携・買収などがありそうだ。