2024年7月より、これまで招待制だった楽天ブラックカードが申し込みできるようになった。
楽天カードのラインアップは、年会費無料の楽天カード、年会費2,200円(税込み)の楽天ゴールドカード、年会費1万1,000円(税込み)の楽天プレミアムカードとこれまで招待制だった年会費3万3,000円(税込み)の楽天ブラックカードとなる。
「ブラックカード」の名称だが、実際は楽天プレミアムカード=ゴールドカードとなっているため、他社カードでのプラチナカード相当だろう。
では、これまで公開されていなかった「楽天ブラックカード」のおトクな特典を紹介したい。
楽天ブラックカードの特典は?
年会費3万3,000円(税込み)の楽天ブラックカードは、Visa、Mastercard、JCB、American Expressの国際ブランドで発行されており、基本的な楽天グループでの特典はどの国際ブランドでも同じだ。
ただし、国際ブランドによっては楽天グループ以外での特典もある。例えば、Mastercardブランドでは「Mastercard Taste of Premium」を利用でき、JCBブランドの場合は「JCBプレミアムステイプラン」の利用が可能だ。
さらに、Visa・Mastercard・JCBブランドのみがタッチ決済対応となっているが、American Expressブランドはタッチ決済に対応していないなど、細かい違いがある。
楽天証券のクレカ積立が2%還元
まず、2024年時点での楽天ブラックカード最大の特典は楽天証券でのクレカ積立特典だろう。
楽天ブラックカードで楽天証券のクレカ積立を設定すると2%の楽天ポイントを獲得できる。
10万円をクレカ積立した場合、毎月楽天ポイントを2,000ポイント獲得できる。年間で2万4,000ポイント獲得できるため、年会費3万3,000円(税込み)は実質9,000円(税込み)相当になる。
2024年11月以降は、SBI証券+三井住友カード プラチナプリファードやOliveフレキシブルペイ プラチナプリファードでのクレカ積立は還元率がダウンする。年間利用額が500万円以上で3%、300万円以上で2%、300万円未満で1%となり、毎年500万円をクリアする場合は楽天ブラックカードよりも条件は良いが、それ以外で考えた場合は、楽天証券+楽天ブラックカードの方が良いだろう。
条件なしでクレカ積立の2%還元は楽天ブラックカードが最強だ。
プライオリティ・パスで同伴者2名まで無料
続いて、海外空港ラウンジサービス「プライオリティ・パス」の特典も面白い。
楽天プレミアムカードはプレステージ会員のプライオリティ・パスが付帯することで人気だったが、2025年1月以降に変更となる。利用回数制限が設定され、年間5回までに変更。
楽天ブラックカードの場合は2025年1月以降も利用回数制限もなく、さらに通常1人あたり3,300円(税込み)の同伴者料金が同伴者2名まで無料となる。プライオリティ・パスで同伴者2名まで無料となるのは珍しい特典だ。
コンシェルジュデスクの利用が可能
楽天ブラックカードの場合はプラチナカードなどで利用できるコンシェルジュデスクを利用できる。
コンシェルジュデスクは、電話1本で24時間365日さまざまな相談ができるサービスだ。出張で使うホテルを探してほしい、接待で使うレストランを探してほしいなど。
ただし、楽天ブラックカードの場合、コンシェルジュデスクの提供は、国際ブランドで変わり、例えばVisaブランドの場合はVPCC、JCBの場合はプラチナ・コンシェルジュデスクなどとなる。
保有している国際ブランドによって、コンシェルジュデスクの使い勝手がかわり、この辺りは実際に使ってみるまで分からない。
楽天ブラックカードは国際ブランドを変更することもできるが、年会費が再度請求される事になるため注意しよう。
家族カードが2枚まで無料
楽天ゴールドカードと楽天プレミアムカードの場合は家族カードの年会費が550円(税込み)必要だが、楽天ブラックカードの場合は2枚まで年会費無料となる。
基本的にプラチナカードなどでは、基本カード会員とほぼ同じ特典を家族カード会員も利用できる。
家族カード会員がコンシェルジュデスクを利用する事も可能だ。
楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルなどでのポイント優遇
楽天市場での特典はほぼ年会費無料の楽天カードと同レベルとなる。
違いは、毎週火・木はポイント+1倍(楽天市場コース)、楽天トラベルでは+1倍(トラベルコース)、Rakuten TVまたは楽天ブックスでは+1倍(エンタメコース)の特典が付帯する。これは、楽天プレミアムカードの「選べるサービス」となり、楽天プレミアムカードの場合はいずれか1つ選択する必要があり、楽天ブラックカードは全ての特典が自動的に付帯する。
なお、楽天プレミアムカードの「選べるサービス」は、2025年1月以降は「楽天市場コース」のみとなるため、楽天トラベルや楽天ブックス、Rakuten TVを利用する場合は、楽天ブラックカードは有利だ。
ただし、楽天ブラックカードの「楽天市場コース」「トラベルコース」「エンタメコース」も2024年10月1日に変更となり、従来は獲得ポイントの上限はなかったが、月間1万ポイントまでとなる。「楽天市場コース」「トラベルコース」「エンタメコース」での合計金額が100万円を超えた分は+1倍の対象外になるため注意したい。
空港・自宅などで手荷物無料宅配サービスを利用できる
楽天プレミアムカードの「選べるサービス」である「トラベルコース」特典は、楽天トラベルで+1倍のほか、年間2回まで空港・自宅などで手荷物を1個無料で宅配できるサービスが付帯する。楽天ブラックカードは「選べるサービス」を全て利用できるため、手荷物無料宅配サービスも利用可能だ。
利用できる空港は成田国際空港、羽田国際空港、関西国際空港、中部国際空港となり、専用ページから申し込むとクーポンがメールで送られ、JALエービーシーで予約し、利用当日空港でクーポンを見せると手荷物を無料で送ることができる。
往復で利用した場合は2回のカウントとなるため、年1回の海外旅行・海外出張のみと考えた方が良い。
筆者が楽天ブラックカードを利用しておトクだと感じる特典はこれまで紹介したが、続いては、楽天ブラックカードの申し込み条件を確認して行こう。
楽天ブラックカードの申し込み条件とは?
楽天ブラックカードは、通常の申込制のカードとは異なり、条件をクリアすると申し込む事ができるようになる。
- 年会費1万1,000円(税込み)の楽天プレミアムカードの契約から12か月以上経過
- かつ、12か月間のカード請求額が合計500万円以上
申し込み対象者の判定は年4回(1月・4月・7月・10月)に行われる。
“1”については、各判定月の全然月末時点で楽天プレミアムカード契約日からの経過月数が12か月以上である事。例えば、2024年10月の判定時期では、2024年8月末日時点で楽天プレミアムカードの契約日から12か月以上経過している事となる。なお、契約年月は楽天e-NAVIの年会費案内ページから確認できる。
続いて、”2″の合計500万円以上だ。これはかなりハードルが高い。
500万円以上の期間は、2024年10月の判定時期の場合は、2023年9月~2024年8月の請求金額合計が500万円以上であることとなる。
ただし、楽天プレミアムカード以外のカードも合算対象だ。家族カードだけでなく、楽天ビジネスカードの利用分も対象となるため、楽天ビジネスカードを利用している場合は楽天プレミアムカード単体で目指すよりも条件達成は楽になるだろう。
また、楽天証券での「クレカ積立」や「楽天キャッシュで投信積立」利用分も年間利用額500万円の対象となるため、楽天プレミアムカードで10万円、楽天キャッシュで5万円を設定している場合、年間180万円の利用となる。残り320万円と考えると、少しハードルは下がるはずだ。
ただし、楽天ポイントを楽天カードの料金支払いに充当した場合は、ポイント分は対象外となるため注意しよう。
この2つの条件をクリアした場合、各判定月の中旬までに楽天e-NAVI上に「楽天ブラックカード申し込みボタン」が表示される仕組みだ。
保有者の少ない楽天ブラックカードが条件をクリアすれば申し込みできるようになったが、魅力的でないと思った場合は、年会費無料の楽天カードでも十分おトクだ。
年会費3万3,000円(税込み)を払うだけのメリットがあるかをよく考えてトライしてほしい。