Infoseek 楽天

楽天ポイントは本当に改悪が続いているの? 年間のポイント発行額はむしろ増加! 今後もポイント発行額が増えるかがカギ(菊地崇仁)

ポイ探ニュース 2024年8月10日 8時45分

楽天ポイントカード(開始当初はRポイントカード)が誕生したのは2014年。それまで楽天ポイント(以前は楽天スーパーポイント)はネット専用のポイントとして2002年から運用してきた。

2016年以降、グループ内のポイントを統合しはじめ、JR東日本はJRE POINT、イオングループはWAON POINTを開始した。

楽天ポイントは、2002年より、全てのサービスで楽天ポイントがたまるように設計し、20年以上運用している。これが、他社ポイントよりも楽天ポイントが強い理由だろう。

最近は「○○ポイント経済圏」という言葉もあるが、楽天は2002年からポイント経済圏を作り上げてきた。

最近は楽天ポイントの改悪が騒がれているが、楽天ポイントは本当に改悪続きなのだろうか。

楽天ポイントの累計発行額から、どのくらいのポイントが年間で発行されているのかを考えてみることにする。

2022年7月19日のニュースリリースで、楽天ポイントが累計発行ポイント数3兆ポイントを突破とある。

楽天ポイントは累計3兆ポイント突破(ニュースリリースより)

このグラフから、1000億を突破したのが2008年~2009年、5000億突破が2013年~2014年、2016年~2017年に1兆、2018年~2019年に1.5兆、2020年~2021年に2兆、2021年~2022年に2.5兆、2022年~2023年に3兆と推移している事がわかる。

また、2018年以降の楽天ポイントの年間発行額は公表されており、以下のような推移となる。

2018年~2023年までの楽天ポイント発行額

上記の2つのデータから、毎年どのくらい発行されているのかを逆算してみた。逆算した数値でグラフ化すると以下のようになる。ニュースリリースのグラフとそれほど違いはないだろう。

逆算した値を利用した楽天ポイントの発行額推移

グラフに利用したデータは以下のようになり、グリーンの背景は上記の表と同じ公表値、白の背景は筆者が○億・○兆突破などの年などが合うように当てはめた予測値となる。

2002年~2023年までの楽天ポイント発行額予想

毎年コンスタントにポイント発行額は増加しており、2016年ごろから発行額が大きく伸びているはずだ。

2016年はSPU(スーパーポイントアッププログラム)の開始時期となり、楽天市場でポイントが毎日7倍。一気に楽天ポイントがたまりやすくなった年だ。

それまでは、対象3サービス利用で「ポン!」、対象4サービス利用で「カン!」、5つ以上の対象サービス利用で「アガリ」となる「ポン!カン!キャンペーン」もあったが、やはりSPUの登場は大きかっただろう。

SPUの倍率履歴を調べてみると、7倍から開始し、8倍、11倍、13倍、14倍、15倍、16倍と順調に増えていく。2018年7月に14倍になってから、14~16倍を行ったり来たりで、2024年1月に16.5倍、2024年4月に17倍となる。

SPUの倍率履歴

2018年以降、大きく楽天ポイント発行数が増加しているのは、やはりSPUの倍率アップ(10倍超)が大きく、2023年には前年比で1200億ポイントも増えている。

2023年12月の大幅改悪があったにせよ、2024年は1月から16.5倍、4月から17倍となり、SPUの倍率は過去最高だ。従って、2024年のポイント発行額も2023年に比べて増えるのではないだろうか。

しかし、SPUが今後も20倍、30倍とアップするのは難しく、今後、どのようにポイント発行額を増やしていくのかが重要になる。

作戦としては、Vポイントの「Vポイントアッププログラム」のように、グループ外サービスもポイントアップの対象とする方法だ。

SPUに参加したい企業にポイント分を負担してもらい、倍率をアップすれば、グループの負担を増やさずに、SPUの倍率をアップする事ができる。

楽天がこの方法をとることは考えにくいが、ポイント発行額をこれまで通り順調に増やして行くには、方針を変える必要もあるだろう。

この記事の関連ニュース