最近考えているのが、ポイ活は認知症予防にもなるのでは? と言う事。
ポイントの計算は意外と複雑で、パーセンテージや割合など、それなりに計算できなければおトク度はでない。
例えば、1000円につき4ポイントの付与で、1ポイントの価値が3円のクレカがあった場合の還元率を計算するには、1000円で12円分(=3円×4ポイント)のリターンのため、1.2%還元となる。
ある商品がA店では1000円、B店では1300円で25%のポイント還元という場合、B店では1300×25÷100=325ポイント戻ってくるため、実質975円相当と考えられなければ、どちらがおトクかはわからない。計算した上で、今後B店で買い物しないためA店で買う、と考えた場合は全く問題なしだ。
おトクな計算を日々行っていれば認知症予防につながるのではないか、と言うのが最初に考えた疑問となる。
計算することが認知症予防つながるかを調べてみたところ、東洋経済オンラインに『和田秀樹「認知症予防に脳トレは無意味」語る根拠』とあり、以下のような記述があった。
昔から「頭を使っている人はボケにくい」といわれていて、これは一面の真実と言えます。脳の萎縮が同程度に進んでいる認知症患者の比較でも、とくに何もしていない人はかなりボケているのに、日頃から頭を使う環境にいた人はそうでもなく、知能テストでも後者の点数が高くなるケースが多いようです。
ただし、頭を使うといっても、いわゆる「脳トレ」はほとんど効果がありません。たとえば数独ばかりをずっとやっていれば、認知症の初期ぐらいなら数独の点数は伸びます。
しかしそれは脳全体の機能が活発化しているわけではなく、単に数独ができるだけのこと。他のテストの成績がよくなることはありません。このことはいろいろな実験で明らかにされていて、脳トレといわれるものは数独でも百マス計算でも、認知症予防という観点からはほとんど無意味です。
国際的な科学雑誌『ネイチャー』やアメリカの医学会雑誌『JAMA』でも、いわゆる脳トレの効果にまつわる大規模調査の結果が発表されています。
そのうちの一つ、アラバマ大学のカーリーン・ボール博士による2832人の高齢者に対する研究では「言語を記憶する」「問題解決能力を上げる」「問題処理能力を上げる」などのトレーニングをした場合、練習した課題のテストの点だけは上がるのですが、他の認知機能は上がらないことがわかっています。与えられた課題を繰り返し行えばそのことはできるようになっても、脳全体の活性化にはつながらないのです。
さらに、記事では「認知症予防には前頭葉を使う必要があるが、計算などでは頭頂葉しか使わない」とのことで、ポイ活の計算だけでは認知症予防に効果はなさそうだ。
一方、厚生労働省が2009年3月に公開した「認知症予防・支援マニュアル(改訂版)」によると、「認知症予防・支援の対象とアプローチ」で、認知症予防に関心がある人たちの場合、「訓練型」の支援策が有効とある。
右上の認知障害のない人で認知症予防に関心がある場合は「認知機能訓練を目的とした計算ドリル、ゲームなど」が有効。ただし、「認知機能訓練を目的とした計算ドリル」となっており、単純計算と言うわけでもなさそうだ。
また、右下の軽度認知障害があり認知症予防に関心がある場合は「日常生活動作訓練、認知機能訓練、記憶訓練、計算訓練、有酸素運動、体操」が有効となっている。計算訓練だけでなく、記憶訓練や有酸素運動などを組み合わせたアプローチが必要とのことだ。
筆者が考えていた、ポイ活で認知症予防になるかどうかは、調べた限り「認知症予防にはならない」が、計算力は鍛えられるはずだ。