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【旭川・女子高生殺害事件】SNSに投稿された“盛れていない写真”でトラブルか 容疑者のスマホには被害者を映した痛々しい動画

NEWSポストセブン 2024年6月19日 16時15分

 犯行グループが17才の少女の命を奪ったトラブルのきっかけは、「自分の画像を無断でSNSに使われたから」だという。人を殺める理由として、にわかには信じがたいが、何が彼らの機微に触れたのか。荒ぶる若者が北の大地で起こした凄惨な事件の全貌に迫る──。

 花冷えの北海道で、ひとりの女子高生の命が奪われた。無辜の少女の人生を踏みにじった容疑者たちのスマートフォンには、生前の彼女を恐喝するやり取りのほかに、目を背けたくなるような痛々しい姿を映した“ある動画”が残されていた。

 行方不明になっていた17才の女子高生・村山月(るな)さんの遺体が5月下旬に石狩川下流で発見された事件。6月12日、北海道警はすでに別の容疑で身柄を拘束されていた、北海道旭川市に住む内田梨瑚容疑者(21才)とA子容疑者(19才)を殺人容疑で再逮捕した。両容疑者は4月19日午前4時頃に、旭川の渓谷「神居古潭」にかかる神居大橋まで村山さんを連れていき、約10m下の石狩川に転落させ溺死させた疑いがもたれている。

 村山さんは、亡くなるまで暮らしていた北海道の西岸の留萌市から、さらに北へ50kmほど行った羽幌町で生まれ育った。日本海に沈む美しい夕日と甘えびの漁獲高日本一で知られ、人口わずか6000人ほどの小さな自治体だ。過疎化が進む町では、子供の誕生それ自体が慶事なのだろう。17年前の町の広報誌には、村山さんの出生情報が記載されていた。

「村山さんのお父さんは元漁師で、稚内の方まで漁船に乗って漁に出ていました。家族はほかに、お母さんと3学年上のお兄さん。中学時代はバスケットボールに熱中する明るい性格の人気者でした」(村山家の知人)

 だが、幸せな家族も両親の別居で生活環境が一変する。村山さんは高校からは羽幌町を離れ、母方の実家のある留萌市に転居することになった。

「市内唯一の高校に進学しましたが、1年ほどで辞めてしまった。高校に入ってからは、少し雰囲気が派手になって、夜出歩くことも増えていたようです。現在は、旭川市内の通信制高校に通っていたようですね。お母さん思いのいい子だったのに、あんな女とかかわりさえしなければと、かわいそうで仕方ありません」(前出・村山家の知人)

 事件発生3日後の4月22日、村山さんの母が行方不明者届を出したことから捜査が始まった。

「防犯カメラやNシステムの解析ですぐに内田容疑者らの関与が浮上し、24日、道警は内田容疑者と16才の少年B容疑者を、村山さんに対する恐喝容疑で緊急逮捕。その後、A子容疑者のほか、16才の少女C子も村山さんの監禁にかかわっていたとして逮捕されました。内田容疑者とA子容疑者に関しては“不同意わいせつ容疑”でも再逮捕し、さらに殺人容疑での逮捕に至ったのです」(全国紙社会部記者)

 4人の中で年長でリーダー格だった内田容疑者が犯行を主導したとみられている。経緯を前出の全国紙社会部記者が語る。

「トラブルの発端は、村山さんが内田容疑者らが写る写真を無断でSNSに投稿したことでした。C子がそれに気づき、内田容疑者に報告。怒った内田容疑者がSNSを通じて村山さんに金銭を要求し、10万円の電子マネーを送金させようとしたがうまくいかなかったため、4月18日の夜遅くに村山さんを留萌市内の道の駅に呼び出した。これが、お互いに初対面だったそうです」

 その後、内田容疑者らは車に村山さんを閉じ込め連れ回し、彼女の自宅から約60km離れた旭川市内の山中で殺害するに至ったのだ。内田容疑者は、旭川の繁華街では不良グループとつるむワルとして知られた存在だったという。

「後輩の前で常に自分を強く見せようとする“イキリ女”で有名だった。つまらないことで“落とし前をつけろ”などとすぐに騒ぎ出すので、敬遠している人たちも多かった。どうやら村山さんは当初、クレームをつけてきた梨瑚に反抗的な態度を取ったようで、梨瑚は『口のきき方が悪い。舐められたらダメだ』と息巻いていた。

 巻き込まれた子たちもバカなことをしましたよね。殺人で一緒に逮捕されたA子は梨瑚の“舎弟”と呼ばれ、梨瑚と一緒にたびたびトラブルを起こしていました」(内田容疑者の知人)

大きな顔と体がコンプレックス

 監禁している最中も感情が抑えられなくなったのだろう。その証拠こそが、冒頭で触れた「動画」だ。捜査関係者が明かす。

「内田容疑者らは車内で暴力をふるっただけでなく、死の直前、村山さんをむりやり全裸にさせた上でその姿を動画に収めていた。男性のB容疑者ではなく、内田、A子の女性容疑者2人が不同意わいせつ容疑で逮捕されているのは、このためです」

 さらに、村山さんを一糸まとわぬ姿で転落させた後、内田容疑者は稚拙な偽装工作も行っている。

「村山さんの衣服も谷底に投げ込んだだけでなく、内田容疑者は自身の友人たちに『(村山さんに)謝らせて、本人は帰っていった』などと、事実と異なるメッセージを送り、自身は村山さんの死とは無関係を装おうとしたのです」(前出・捜査関係者)

 事件まで面識がなかった内田容疑者と村山さん。内田容疑者をそこまで激高させた村山さんの投稿とはどういうものだったのか。前出の内田容疑者の知人は「“素顔”をさらされたことに怒ったのではないか」と語る。

「梨瑚は体と顔が大きいのがコンプレックスで、いつも写真うつりを気にしていた。SNSに投稿する写真は全部加工したものです。自身の“盛れていない”写真を、どういうわけか見ず知らずの村山さんが入手し、それをSNSにアップしたことに激怒したんじゃないかと、周囲のみんなは話しています」

 中学校時代の同級生によれば、内田容疑者はターゲットにした女子の着替え画像を拡散させるなどの陰湿ないじめを繰り返していたという。

「わざわざ村山さんの裸の動画を撮影したのも、彼女の弱みを握るだけでなく、動画を拡散して意趣返ししようという発想だったのかもしれません」(前出・捜査関係者)

 いつものノリの“制裁”だったのかもしれないが、言いがかりのような理由で陵辱された村山さんの心中は察するに余りある。

「殺人自体には計画性はなく、感情や行為がエスカレートし、歯止めがきかなくなった末に殺害したとみられています」(前出・捜査関係者)

 村山さんが転落死した4月の中旬は、旭川には桜前線の到来もまだ遠く、石狩川の水は雪解けの冷たさだった。肌寒い暗闇の中、谷底に落とされ、命を奪われた村山さんの無念と恐怖はいかばかりだったろうか。内田容疑者らには、被害者の命と向き合うためにも、厳罰が下されるだろう。

※女性セブン2024年7月4日号

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