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【終活は万全に見えたが…】中尾彬さんに相続問題浮上 法定相続人である“元妻との息子”への連絡は一切なし、元妻が告白「怒っています」

NEWSポストセブン 2024年6月21日 11時15分

 万全に見えた中尾彬さんの「終活」だったが、当事者同士にしかわからない“問題”が残されていた。中尾さんが抱えていたのは、けっしてまれなケースではない。やはり相続は難題だ──。

「同い年なので、私が先に逝くかなと思っていました……。ずっと音沙汰はなかったですし、もうあちらとは関係はない。ですけど……息子への対応を振り返ると、もっと違った接し方があったんじゃないかと思っています」

 言葉を選びながら複雑な胸中を口にしたのは、5月16日に心不全で亡くなった中尾彬さん(享年81)の元妻だ。中尾さんは再婚した池波志乃(69才)とともに、芸能界でいち早く「終活」に取り組んだ夫婦として知られている。誰よりも念入りに進めたはずの終活だったが、中尾さん亡き後にもしこりは残されていた。

 本格的に終活を始めたのは2013年。まずは証人の立ち会いのもとで遺言状を作成。不動産の整理にも着手し、千葉にあった中尾さんの実家と当時所有していた沖縄のセカンドハウスを売却した。池波の実家の菩提寺に生前墓も建てた。

 おしどり夫婦の終活は注目を集め、2018年には共著『終活夫婦』(講談社)を上梓。以来、中尾さんと池波はメディアでも積極的に終活について語るようになった。だがその中に、夫婦があえて触れなかった終活の重要なトピックがある。

「中尾さんのトレードマークだった“ねじねじ”を大量に処分したエピソードや、友人関係をも躊躇なく断捨離した終活事情を語る一方で、『相続』について言及することはほとんどありませんでした。一般的に終活において重要なポイントとされる相続を話題に出さなかったのは、息子さんの存在があったからかもしれません」(中尾さんの知人)

 中尾さんと池波の間に子供はいないが、元妻との間には息子がひとりいる。法律上、中尾さんの法定相続人は、池波とその息子の2人ということになる。

 1970年に元妻と結婚して息子が誕生した中尾さんだったが、別の女優と不倫関係になり1975年から妻子と別居。慰謝料をめぐる調停が長引き、1978年に2000万円を支払うことでようやく離婚が成立した。その頃には中尾さんは女優との関係を解消しており、テレビドラマでの共演をきっかけに池波との交際をスタートさせていた。そして離婚成立と同じ年に、池波とスピード再婚を果たした。

「おれには子供がいない」

 プレーボーイぶりを発揮していた中尾さんだったが、息子への愛情は揺るがなかった。別居中に応じた『週刊女性』(1975年12月23日号)のインタビューで、一人息子への思いをこう明かしていた。

《X(※誌面では息子の実名)のことを考えると、眠れない夜もあるんです……。そんなときは、酒を飲んで自分の気をまぎらすんです。ドラマの最中にも、ふと、子役の子どもとXの顔がダブるときがある。そんなとき、声も出なくなるんです。(中略)妻とは別れても、Xはボクの子どもなんですよ》

 だが、そのインタビューから3年後、池波と再婚した中尾さんに「父の顔」は見られなくなった。

「中尾さんは、息子さんについて口を開くことがなくなりました。そればかりか、メディアや周囲に“おれには子供がいない”と話すようになったんです。もちろん、それは“志乃さんとの間に”という意味でしょうし、志乃さんの気持ちを汲んだ言葉だったのもわかっていました。ですが、どこかで子供の存在を忘れるために言っているんじゃないかと思うこともありました。

 それでも中尾さんは息子さんのことをずっと気にかけていたようです。20年以上前になりますが、息子さんが結婚した前後に、中尾さんから“会いたい”と連絡したことがあったんです。でもその願いが叶うことはなかった。元妻との離婚後、中尾さんが息子さんと顔を合わせることは一度もありませんでした」(前出・中尾さんの知人)

「子供がいない」の真意は中尾さんにしかわからないが、離れて暮らす幼い息子にはつらい言葉として残ったのかもしれない。

「私はその点は怒っていますよ」

 冒頭、元妻は「相続に関する連絡も一切ない」と明かしていた。

「相続の話があればあちらの奥様が生きているうちに言ってくるでしょうが、こちらから何か言うつもりもありません。そもそも息子を大切に思っていたのならば、(中尾さんは)自分が生きているうちに、息子との関係にけじめをつけないといけなかったんじゃないでしょうか。私はその点は怒っていますよ」(元妻)

 実際、離婚が増加した昨今、中尾さんのように疎遠になった子供との間で相続問題が発生するケースも増えているという。相続に詳しい司法書士の椎葉基史さんが解説する。

「仮に被相続人が “全財産を配偶者に相続させる”という旨の遺言状を残していたとしても、子供には『遺留分』として法定相続分の2分の1を受け取る権利が残ります。疎遠になっているとはいえ、基本的に法定相続人の存在を無視して相続の手続きを進めることはできません。住所がわからない場合でも、専門家に依頼するなどして連絡を取る必要があります」

 中尾さんのケースでは法定相続人が2人のため、遺言状があった場合でも、息子は遺産の4分の1を受け取る権利がある。関係が断裂し、記憶から“消した長男”の存在が落とし穴になり、場合によっては相続の手続きが完了していない──そんな可能性もある。

「2005年に中尾さんが終の棲家として購入した都内の高層マンションの一室は、2009年に贈与の形で志乃さんに所有権を移転しています。中尾さんの所有不動産ではありませんから、相続財産にはならない。もしかしたら、中尾さんは相続の手続きが進まないことを見越していたのかもしれません」(前出・中尾さんの知人)

 中尾さんと池波の所属事務所に、相続の手続きについて尋ねたが、期日までに回答はなかった。6月中旬、中尾さんがこだわって建てた生前墓の掃除が行われていた。7月3日に迎える、四十九日法要の準備だという。「相続の手続き」だけを置き去りにして、終活で決めた通りに滞りなく事が運んでいる。

※女性セブン2024年7月4日号

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