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《都知事選告示》小池百合子氏は緑、蓮舫氏はピンク?「色」で狙うイメージ戦略を経営心理コンサルタントが分析

NEWSポストセブン 2024年6月21日 7時15分

 7月7日が投開票日の東京都知事選挙が6月20日告示された。19日に共同記者会見を開いた現職の小池百合子氏(71才)、前参院議員の蓮舫氏(56才)、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41才)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75才)の4名をはじめ、過去最多の56人が立候補した。臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、蓮舫氏と小池氏が選ぶ「色」について分析した。

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 本当は黒よりピンクが好きなのだろう。東京都知事選に立候補を表明している参院議員の蓮舫氏が18日、記者会見を開き公約を発表した。会見に現れた彼女はトレードマークの真っ白のスーツに身を包んでいた。だがインナーは薄いラベンダー色というか薄いピンクというか、かなり薄めの色だ。白と黒でパきっとした印象を与えてきた蓮舫氏らしくないチョイスに???

 だがよく見ると掲げた公約にある”R”の文字はピンク。「あなたと次の東京へ」というキャッチコピーを貫く矢印もピンク。記者会見の案内にある7つの約束の”7″もピンクだし、オフィシャルサイトにある”R”もポスターにある”R”もピンクだ。ピンクのRは2016年の参議院選からポスターに登場しているという。Rは蓮舫氏の名前からとったらしいが、なぜここまで何もかもがピンクなのか?

 ピンクで思い出すのは、2016年9月、彼女が民進党の新しい顔となった時のこと。当時、NEWSポストセブンでは彼女が着ていたピンクについて分析した。まだ民進党があった時代、新世代の民進党を担ってくれるだろうとの衆望も一身に集めていた蓮舫氏の動向が注目されていた。だが、野田佳彦元首相を幹事長にするという期待はずれの人事案を提示し、批判を浴びてしまう。民進党両院議員総会には新しいリーダーとして強い意志を示そうとしたのか、引き締まった印象の濃紺のジャケットに白のインナーで臨んだが、厳しい批判が噴出。彼女の顔には強張った笑顔が張り付いていた。

 迎えた2回目の両院議員総会、蓮舫氏が着てきたのは前回とは打って変わって、柔らかなピンク色のジャケットだった。そして彼女は檀上に立つなりこう言った。「気分も新たに色付きのジャケットを着てみました」。わざわざピンクをアピールしたのだ。ピンクは優しさや柔らかさ、甘さをイメージさせ、コミュニケーションをうまくとりたい、自分を思いやってほしいという願望を表す色だといわれる。その色を着てきただけでなく、アピールしたのだから、蓮舫氏は、どんなことをしてでもこの案を通したいと思ったのだろう。

 勝負の時はピンク色。彼女にとって白はイメージカラーだが、勝負色はピンク。ポイントごとに使われているピンク色を見るとそんな気がする。いっそピンクをイメージカラーとしてワンポイントに使えばいいと思う。というのも立候補を表明して以降、彼女のファッションはイマイチ。立候補を表明した時は白のスーツに黒のインナー、白いハイヒール。シンプルなベージュのスーツの襟を立て、街頭演説ではフリルの襟がついたハイネックのブラウスにブルーの柔らかいジャケット。多摩での集会では黒のインナーに裾にフリルがついた白のジャケット。日本記者クラブが主催した共同記者会見では、白のジャケットにインナーは黒。それもこの真夏日に黒のハイネックで、季節感がまるでない。すっきりはっきりメリハリのある服装をする時もあれば、甘く柔らかく女っぽい服装の時もある。立候補者としてのイメージが定まりにくいのだ。

 その点、東京都知事の小池百合子氏は現職だけあってイメージ戦略がうまい。記者たちの前に現れると、生中継のカメラを確認。カメラ目線で話し始める。公約発表はオンライン、画面上でも小池カラーのグリーンが目立つよう、白のジャケットに白のインナー、襟元を飾るのは濃いグリーンのスカーフだ。「東京大改革3.0」と銘打ったキャッチコピーのバックは濃淡のある緑の矢印。季節的にも緑が生える今の時期にぴったりのさわやかな色の組み合わせだ。蓮舫氏とともに出席した共同記者会見では、白のインナーに抹茶色のジャケット。色はともかく、クールビスを印象づけたかったのかジャケットの袖は半袖だ。

 小池氏が選挙活動に投入したAIゆり子が着ているジャケットも緑。だがここちらの緑はのっぺりした印象で、全体的に不気味さが漂う。話し方は不自然で、日本語も流暢ではない。イントネーションは不自然だし、笑顔はぎこちない。言葉と仕草があっておらず、仕草も同じことの繰り返し。AIゆり子に東京都民の税金は入っていないというが、見た人にとってはこの程度のAI技術しか東京都にはないのかと思わせてしまう可能性も否定できない。

 小池氏のイメージカラーはグリーンだが、蓮舫氏は白なのか? 烏鷺の争いのごとく色でも勝負の行方を見られる都知事選に注目しよう。

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