いま、昭和の趣を残したノスタルジックな雰囲気のホテルが、フォトジェニックなスポットとして注目を集めている。ひとたび足を踏み入れると、まるでタイムスリップしたような懐かしさや親しみを堪能できるレトロホテルを紹介します。
昭和レトロ編
●ホテルニューアカオ(静岡県熱海市熱海1993-250)
「メインダイニングはまるでオペラハウス!? 壮大でゴージャスな設備に圧倒される絶景ホテル」
1973年開業のホテルニューアカオが2021年の一時閉館を経て、昨年7月にリニューアルオープン。全客室オーシャンビューで、湯船の水面が海につながっている感覚を味わえる大浴場、錦ヶ浦を望めるラウンジなど、館内には絶景ポイントが多数。
・メインダイニング錦
豪華な内装と2000平方メートルの広さを誇る食事処。夕食は和洋中約90種の豊富なラインアップから選べるビュッフェスタイルで、できたての味を楽しめるライブキッチンも設置されている。
・ロイヤルラウンジ
海に向かって半円を描く180度ガラス張りのロイヤルラウンジは、相模灘を一望でき、開放的な気分に。日中はウェルカムドリンクを、夜はワインを飲んでくつろげる。
・にぎわい横丁
ゲーム機や射的など懐かしい遊びが詰まったゲームコーナーも。
・オーシャン・ウイング・フロント
豪華絢爛なシャンデリアに、猫足のチェアなど、どこを見てもゴージャス。
●伊東温泉ハトヤホテル(静岡県伊東市岡1391)
「昭和な雰囲気をそのまま残した遊び心満載の老舗温泉ホテル」
1947年に創業した、自家源泉で引き込んだ天然の自噴温泉が自慢の老舗ホテル。ロビーをはじめ、カラオケルームやゲームセンター、スナックなど昭和の雰囲気をそのまま残した施設が多く、レトロ好きにはたまらない。
・渡り廊下
本館と別館をつなぐ円筒状の長い渡り廊下。まるで宇宙船の中を歩いている気分に。
・ロビー
豪華なシャンデリアに、どこまでも続く高級感ある絨毯が敷かれた広大な空間。
●HOTELニューマスターチ(静岡県静岡市葵区駒形通5-5-9)
「口ひげがトレードマークのレトロなホテル」
閉業した「ビジネスホテル・マスターチ」をリノベーションし、新たに図書室と喫茶室を設けて2023年にオープン。「マスターチ」を意味する「口ひげ」の絵が、トレードマークとして館内の至るところに。
・フロント
フロントは売店になっていて、マスターチのグッズが多彩に並ぶ。
・おふろ文庫
大浴場だった場所を改装した図書スペース「おふろ文庫」。浴槽や蛇口などがそのまま残る不思議な空間で読書を楽しめる。
クラシックホテル編
●川奈ホテル(静岡県伊東市川奈1459)
「伊豆の景勝地に佇む『イギリスの城』」
1936年、「イギリスの城」をテーマに開業。戦前から政財界の要人に愛され、1954年にはマリリン・モンローが新婚旅行で訪れ話題に。
・「オムライス 茸のデミグラスソース サラダ コーヒー付き」(3500円)
マリリン・モンローが繰り返し注文したオムライス。レストラン「グリル」で昼食のみ提供
●ホテルニューグランド(神奈川県横浜市中区山下町 10番地)
「横浜の海と空を連想させるブルーの大階段が圧巻」
1927年開業。異国情緒あふれる横浜の迎賓館として、マッカーサー元帥やチャーリー・チャップリン、ベーブ・ルースなど多くのVIPに愛されてきた歴史あるクラシックホテル。
本館ロビーの家具は、横浜・元町の職人が手掛けた“横浜家具”といわれる逸品。そのひとつ、天使の彫刻が施された椅子「キングスチェア」は、ひじ掛けの天使の顔を優しくなでると幸福が訪れると言われている。
●ホテルニューカマクラ(神奈川県鎌倉市御成町13-2)
「大正ロマン漂う小さな洋館風ホテル」
1924年に開業した、素泊まりホテル。当時の映画俳優・山形勲の母が建てた鎌倉初の洋風ホテル「山縣ホテル」がルーツ。
●蒲郡クラシックホテル(愛知県蒲郡市竹島町15-1)
「城郭風の外観、だけど一歩中に入るとアールデコ様式の空間が」
1934年、鉄道省国際観光局より第1回国際観光ホテルに指定されて開業。アールデコ様式の建物は、国の登録有形文化財にも登録されている。
●日光金谷ホテル(栃木県日光市上鉢石町1300)
「現存する日本最古の西洋式ホテル」
1873年創業した現存する日本最古の西洋式ホテル。昭和天皇を始め、アインシュタインなど数多くの著名人が宿泊。創業者である金谷家の家紋「笹竜胆」の意匠や伝統工芸の木彫りが館内の至るところに見られる。
撮影/前田拓也(TRON) 取材・文/桜田容子
※女性セブン2024年7月4日号