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《会場は感動の嵐》櫻井翔、母校・慶應幼稚舎150周年のために「リリック」を書き上げる、記念式典では児童全員が合唱

NEWSポストセブン 2024年6月24日 7時15分

「アイドルとラップ」「アイドルと進学」──。これまで何度も新境地を切り開いてきた国民的アイドルグループ・嵐の櫻井翔(42才)がこのたび挑戦したのは、母校に捧げる合唱曲の作詞。大役を任された彼が歌詞に込めた思いとは──。

「広々とした講堂には児童や保護者、OBなど計3000人の学校関係者たちが勢揃い。式典のオープニングを飾った幼稚舎の“創立物語”とも言えるストーリー仕立ての映像では、創設者の福澤諭吉役を坂東彌十郎さん(68才)が、そして初代学長を小日向文世さん(70才)が演じました。メガホンを取ったのは福澤諭吉の玄孫で、ドラマ演出家の福澤克雄さん。昨年、話題となったドラマ『VIVANT』(TBS系)の監督でもある福澤さんは、同ドラマに出演した坂東さんや小日向さんをキャスティングして一度きりの学校行事のためとは思えない贅沢すぎる映像を作ったのです」(式典の参加者)

 去る5月30日に、慶應義塾の幼稚舎(小学校)創立150周年を記念する式典が行われた。錚々たるOBが集結し、母校の節目を祝ったようだが、なかでも会場が盛り上がったのは、「創立150周年記念曲」の披露のときだった。

「全3曲ある記念曲のうち、『ペンの指す方へ』という曲の合唱が始まったときですね。この曲の作詞を務めたのは、嵐の櫻井翔さんなので、どんな歌詞なのか、保護者やOBらが耳を澄ませて聴き入ったのです。今回の作詞は彼にとって初めての試みだったそうですが、そうは感じさせないクオリティーで、会場に“感動の嵐”を巻き起こしました」(前出・式典の参加者)

 デビュー曲『A・RA・SHI』でラップを歌って以来、嵐のラップ担当となった櫻井。初期こそ作詞家から提供されたものを歌っていたが、あるときを境にラップ部分の作詞を自分自身で手がけることになる。

「デビューして数年たった頃、音楽ユニットm-floのVERBALさん(48才)に『せっかくラップやってるのに、なんで自分でリリック(歌詞)を書かないの?』と言われたことがきっかけだといいます。櫻井さんは『誰かに作ってもらった詞を歌うだけなら、それは“ラップのような何か”にすぎない』と思うようになり、本格的にラップの作詞を始めたそうです」(芸能関係者)

 櫻井が歌うラップ、通称「サクラップ」はその後、嵐の楽曲に欠かせないものとなったが、実はアルバムにすら収録されていないレアなラップ曲も存在する。

「櫻井さんが学生時代の友人に向けて個人的に作った『ペンの指す方向』という曲です。当時、友人たちにCDを手作りして渡していたようです。大学卒業を迎える仲間にエールを送る『Chapter1』、社会人として壁にぶつかる仲間を励ますために書いた『Chapter2』、嵐としての活動の幅が広がるなかで自身の野望を書き連ねた『Chapter3』からなる3部作です。本人には恥ずかしくて言えないけれど、このラップ曲に勇気をもらったという同級生も多いんです」(櫻井の知人)

裕福なエリート揃い

 ラジオやライブで披露されたこともあるが、櫻井にとっては学生時代の友人にあてた曲。タイトルが今回の式典の曲とそっくりなのは、「ペン」という言葉が、慶應義塾で学んだ者にとって大切なものだからだ。

「慶應義塾のシンボルマークは、『ペンには剣に勝る力あり』という言葉に着想を得た、2本のペンがクロスした形です。櫻井さんはかつてライブで、自身の衣装にマイクとペンをクロスさせたエンブレムを用いたことがありました。マイクがアイドル、ペンが塾生として自身が歩んできた道を象徴していたのではないでしょうか」(前出・櫻井の知人)

 いまでは珍しくない高学歴アイドルだが、その先駆けとなったのは櫻井だった。

 1988年に慶應義塾の幼稚舎に入学し、普通部(中学校)在学中に旧ジャニーズ事務所に入所。1999年に嵐としてデビューした翌年に慶應義塾大学に進学すると、学業とアイドルを両立させて、ストレートで大学卒業を果たした。

「慶應義塾は政治家や大企業経営者、医者など各界の大物を多数輩出してきた名門中の名門です。なかでも授業料が年間130万円以上かかる幼稚舎から一貫して慶應で学んできた人たちは、裕福なエリート揃いです。出身者の母校愛と結束力も非常に強く、櫻井さんも例外ではありません」(前出・芸能関係者)

 今回の創立150周年記念の行事は、前出の福澤氏を含め、各業界で輝かしい功績を残す“慶應OB”たちが参加。櫻井に「記念曲」の作詞の話が舞い込んだのは、2020年のことだったという。同年末に嵐の活動休止が控えており、個人として新たな一歩を歩み出すタイミングだった。

「同曲の作曲を頼まれた作曲家の千住明さん(63才)が、櫻井さんを誘ったことがきっかけだったようです。千住さんは以前から櫻井さんと一緒に仕事をしたいと思っていたそうで、絶好の機会とばかりに作詞を依頼しました。これまでラップの作詞経験しかなかった櫻井さんにとっては未知なる挑戦でしたが、母校のためにと快く引き受けたそうです」(慶應義塾関係者)

 記念曲を制作するために、櫻井は千住氏と2人で幼稚舎を訪問。「いつ来ても故郷に戻ってきた気分だね」と言いながら、あれこれ思い出を語り合ったという。

 かつての学び舎に思いをはせながら、詞を書き上げ完成したのが『ペンの指す方へ』だ。

 記念式典当日には、同曲を150周年式典合唱団と幼稚舎の児童全員で合唱した。式典には、指揮を務めた千住氏はもちろん、櫻井本人も登壇し、スピーチをしたという。

「櫻井さんは、普通の人が聞いたらそのまま聞き流してしまうような歌詞だけど、幼稚舎の卒業生が聞いたら『あれのことだよね』とわかるサインをたくさん込めました、と語っていました。ラップが得意な櫻井さんだけあって、韻を踏んだ箇所もありました」(別の式典参加者)

 この4月に株式会社嵐を設立し、新たな一歩を踏み出した櫻井。これからの彼に「ペン」はどんな方向を指すのだろうか。

※女性セブン2024年7月4日号

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