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《次回は急展開か》『光る君へ』、今後どうなる?時代劇研究家が注目する3つのポイント

NEWSポストセブン 2024年7月3日 16時15分

『源氏物語』の作者・紫式部の人生を、吉高由里子主演で描くNHK大河ドラマ『光る君へ』。物語も折り返しを迎え、波乱の展開にも注目が集まっている。今後の注目ポイントについて時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

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 そんなわけで、毎回、予想外の出来事が次々勃発する『光る君へ』。

 先日放送の26話では、大地震、大雨と天変地異で大変な中、まひろ(吉高由里子)と藤原宣孝(佐々木蔵之介)の年の差夫婦もラブラブ状態だったのに、口論となり別れる別れないの大げんかに。まひろは夫に灰を投げつける激しさを見せる。そして、日々の好転を願うため、一家で訪ねた石山寺で、藤原道長(柄本佑)と運命の再会! 夜だし、周りには誰もいないみたいだし、この先、どうなっちゃうの?と思ったら、予告では道長に抱きしめられて「俺のそばで生きることを考えぬか」なんて言われてた。夫とケンカしてるタイミングで、こう言われたら…。 7日は放送休止で、ファンをやきもきさせている。

 では、この先、どんなことに注目すべきか。まず、第一に注目したいのは、まひろの出産・子育てについて。

 史実では紫式部には、賢子という娘が生まれている。賢子は後に女流歌人「大弐三位(だいにのさんみ)」の名で百人一首の歌人としても知られるようになる。まさに母に才を受け継いだという感じだが、27回の予告編では、思いつめたまひろが涙目で「この子は私ひとりで育てます」と話していた。夫に「不実な女でございます」とまで言ったまひろが、なぜ、涙目なのか?

 宣孝との結婚生活は、3年ほどと言われる。石山寺で道長にどう返事をしたのかも含め、まひろの人生の波乱は続く。

 第二の注目点は、入内した道長の長女・彰子(見上愛)の件。数々の難儀を乗り越える策を求める道長に安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)は「左大臣様はよいものをお持ち」と、彰子の入内をすすめる。晴明によると彰子は「朝廷を背負って立つお方」であり、天下万民のため、入内は彼女の宿命なのだという。

 とはいえ、彰子は父に何を言われても「仰せのままに」と言うばかりで、とても「背負って立つ」とは思えない。が、しかし! 史実では晴明の予言は的中するのである。超引っ込み思案の彰子は、いかにして「背負って立つ」ようになるのか。どこでスイッチが入るのか。清少納言(ファーストサマーウイカ)は、彰子のライバルともいえる定子(高畑充希)の女房として命がけで尽くす。まひろ(紫式部)は彼女の女房となって「源氏物語」を書く。まひろと道長の娘との関係も物語に大きく関わってくる。

 そして、忘れちゃいけない中宮・定子の兄・伊周(三浦翔平)。

 才色兼備のエリートだったのに、大宰府に流された後、大赦で復帰した伊周は、定子に夢中の一条天皇に取り入ろうとする。伊周は、定子の出産時にわざわざ彰子の入内をぶつけた叔父の道長を恨んでいる様子。その恨みが作用したかは不明だが、一条天皇の譲位後、三条天皇が即位すると、道長はすかさず娘の妍子を中宮にしたものの、内裏が火事で焼失したり、道長もケガをしたりと不幸が続き、ついには神鏡を納めた櫃が奇怪な音を出すなどといったウワサも出たという。

 道長といえば、「此の世をば我が世とぞ思ふ望月の 欠けたることもなしと思へば」の和歌も有名で(ちなみにこの歌を記録していたのは、ロバート秋山演じる藤原実資)光り輝くイメージがあるが、骨肉の争い、呪詛、超常現象など、平安時代の陰が見どころになるのは間違いない。

 ゆったりまったりの人物は誰一人出てこない(上地雄輔演じる道長の兄・道綱を除く)平安絵巻は、まだまだ油断できない。

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