〈今日らいぶも物販もぜーんぶたのしかった だいすきαすぎ〉──この幸せそうなポストの翌日のことだった。警視庁は7月3日に北川望歩容疑者（22）を殺人未遂の疑いで逮捕した。北川容疑者は、6月20日早朝、自宅マンションの風呂場で出産し、隣のアパートの敷地内のゴミ箱に乳児を遺棄した疑いがもたれている。
北川容疑者は、乳児を遺棄したことは認めているものの、「殺意はなかった」と容疑を一部否認している。また、「出産したことがバレたくなかった」などと供述しているという。
「北川容疑者は、へその緒がついたままの状態で乳児を口の開いたポリ袋に入れ、深さ60センチほどのプラスチック製のゴミ箱に遺棄して蓋をしたとされています。遺棄から約12時間後、アパートの住民が泣き声に気づいて110番し、乳児は病院に運ばれました。乳児はまだ入院していますが、命に別条はないそうです。一歩間違えれば生後まもない命が失われていたかもしれない危険な状況でした」（全国紙の社会部記者）
捜査関係者によると、北川容疑者は、それぞれ20代の男性1人と女性2人とともに4人で同居していたとみられるという。共同生活のメンバーたちは、一体どのような関係だったのか。
「男性アイドルの追っかけ同士で暮らしていたようです。北川容疑者はもともと関西在住でしたが、推し活のために上京するのが大変で、共同生活に参加していたようです」（捜査関係者）
TO（トップヲタ）としての存在
北川容疑者は、いわゆる“メンズ地下アイドル”の熱心なファンだった。男性アイドルグループ「A」のメンバーであるXのTO（トップヲタ）とされる存在だったという。北川容疑者を知る人物が証言する。
「のあちは、『A』のメンバーになる前からXのことを推していました。逮捕されたときに着ていた赤いシャツは、Xが以前所属していたグループのグッズです。月100万円くらい注ぎ込んでいたと思うので、XのTOかつ最古参なんじゃないかな。ただ、同担拒否っぽいところがあるので、運営からは何度か厳重注意を受けていました。それでも出禁をくらわなかったのは、やっぱりお金を使うからかもしれません。
生活費を節約するためにオタク同士で同居するのは、メン地下あるあるなんです。のあちは、『みんなで鍋パしたんだ』とか楽しそうに話していましたね」（北川容疑者の知人）
気難しい一面も
金髪の北川容疑者は、ライブ会場などでも目立つ存在だった。ほかのアイドルファンと活発に交流し、「A」の現場を盛り上げようとしていた一方で、気難しい一面もあったようだ。また別の知人が明かす。
「ほかの観客がのあちの好きな演者の担当カラーのペンライトを振っていると、『あの子のせいで、自分に来るレスが減る』と不機嫌になると聞きました。しっかりお金を使って現場で存在感があるぶん、味方にしたら優しいけど、敵にしたら怖い人という印象です」（北川容疑者の別の知人）
ファン仲間のあいだで、“のあちの妊娠”は噂になっていたという。
「詳しいことは知りませんが、ここ数か月、けっこうお腹が大きくなっていました。あるときからお腹が引っ込んだのを見て、周りのみんなで『のあち、産んだんだねー』と話していましたが、まさか産んだ子をゴミ箱に置き去りにしていたなんて……。本当にびっくりです」（同前）
北川容疑者は6月20日早朝に出産し、乳児を遺棄したとされている。驚いたことに、それ以降も変わらずライブに通っていたようだ。北川容疑者のX（旧Twitter）を見ると、6月24日には、一緒にライブに来てくれる仲間がいないか募集しており、“推し活”をエンジョイしている。
その後も“推しメン”とのツーショットを披露するなど、SNSを見る限りは、完全に通常運転だ。逮捕前日の7月2日も〈今日らいぶも物販もぜーんぶたのしかった だいすきαすぎ〉と投稿している。
「A」は7月中旬に解散ライブを控えており、北川容疑者も〈「A」の最後見に来て欲しいです 特典なくても招待させて頂きます〉とXで呼びかけるなど、ラストライブを素晴らしいものにするべく奮闘していた。しかし、そのライブに自身が参加することは叶わなくなってしまった──。
6月末、北川容疑者は以下のようにXにポストしていた。
〈上半期ぜーんぶ（推しメンの名前）だった 3年目もだいすきの気持ちです〉
2024年上半期は推しメンで満たされてたという北川容疑者。彼女の心の中に、ゴミ箱に捨てたわが子が入り込む余地はなかったのだろうか。