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【『踊る大捜査線』続編計画】柳葉敏郎主演スピンオフに織田裕二と深津絵里がいなかった理由 織田裕二には“心境の変化”も

NEWSポストセブン 2024年7月21日 6時59分

 1997年にフジテレビで放送されたドラマ版が最終回を迎えてから27年。2012年に公開された劇場版『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』で完結した『踊る大捜査線』シリーズが約12年ぶりに“再始動”する。柳葉敏郎(63才)が演じる元警察官僚、室井慎次のその後を描いた新作映画2部作が10月と11月に立て続けに公開される。しかし、そのティザー映像には青島俊作刑事(織田裕二。56才)や恩田すみれ(深津絵里。51才)の姿はなかった。2人が再びシリーズに戻ってくることはあるのだろうか──。【前後編の後編。前編を読む】

 2012年に『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』が完結編として公開された際、織田裕二は「誰ひとり辞めたいとは思っていない」と出演者の気持ちを代弁したが、胸中は複雑だったに違いない。事情を知る映画関係者が明かす。

「織田さんを含む湾岸署のメンバーにとって本来、劇場版の第2作(2003年)を撮り終えた時点でシリーズは終わったようなものでした。老刑事を演じたいかりや長介さんが闘病の末に2004年に亡くなったことで、多くのキャストが放心状態となり、誰もが“いかりやさんがいない湾岸署はありえない”と話していたんです。

 続編を撮りたいフジ側の説得に織田さんたちが折れる形で3作目と『FINAL』が撮影されましたが、もはや現場の気持ちはバラバラ。興行的には成功を収めたものの、前の2作と比べて作品自体の評価は芳しくなかった」

 数多く作られたスピンオフ作品に織田と深津絵里が出なかったのも、いかりやさんの不在がいちばんの理由だとされている。

 織田の心境に変化が見られたのは昨年のこと。これまで長らく主演作品にしか出演しなかった織田が、伊藤沙莉(30才)の初主演ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)で約30年ぶりに脇役に回ったことが、多くの関係者を驚かせた。

「織田さんは劇中で青島刑事を彷彿とさせる緑のロングコートを羽織り、裁判所の執行官として執行補助者の伊藤さんを指導する役を熱演しました。『踊る~』シリーズでいかりやさんが演じた老刑事と重なるところがあり、織田さんが年齢を重ねた青島刑事を意識していることは明らかでした」(ドラマ関係者)

『FINAL』が公開された際、織田は「青島を定年まで演じたい」と語っていた。公務員の定年延長で警察官の定年は段階的に引き上げられているものの、青島刑事がいまも警察を辞めていなければ、数年後に定年を控えた年齢に差し掛かる。出世欲がまるでなく、自分の信念を貫く青島刑事が、どういう立場で組織にいるのか。『シッコウ~』の演技は、その後の湾岸署を見たいというファンの声への織田なりのアンサーだったとも受け取れる。

「深津さんにとっては終わった作品」

 今回の『踊るプロジェクト』が始動するまでには紆余曲折があった。何人かのキャストが鬼籍に入り、当時のメンバーが揃わないことから企画が暗礁に乗り上げたこともあったという。

「2012年に『FINAL』が公開される前に、刑事課盗犯係係長を演じた小林すすむさんが病で亡くなり、2018年には映画で公安課長を演じた大杉漣さんが急死しました。スリーアミーゴスとして人気を博した署長役の北村総一朗さんは昨年から闘病生活を送り、芸能活動を休止しています。

 当時のキャストが集まらなければ、続編をやる意味がない。そう考えていた織田さんにとって柳葉さんが新作を撮ったことは大きな意味を持っていたようです」(前出・映画関係者)

 一方の深津は『FINAL』に出演して以降、テレビに出る機会が激減し、この数年は映画出演も数えるほどしか出ていない。

「女優としての目立った活動は2021年の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK)程度で、自分のペースで仕事を続けているように見えます。『FINAL』では事故に遭ったすみれが半透明の姿で画面に登場するなど、亡くなったように見える描写があり、ファンの間で物議を醸しました。真相は不明ながら、出演を最後にしたかった深津さんが自ら望んだ演出なのではないかともいわれています。

 いかりやさんの葬儀で無言を貫き、3作目が公開された際には『いかりやさんに褒めてもらいたい』と語っていた彼女にとって『踊る~』シリーズはすでに終わった作品。よほどのことがなければ続編があっても彼女が出ることはない。すみれ役は消えることになるでしょう」(前出・映画関係者) 

 いかりやさんの没後20年を経て再始動した『踊るプロジェクト』。フジがいま全集中しているのは青島刑事の復活だ。織田の自宅には『FINAL』のクランクアップ後から一度も着ていないモッズコートが飾られているという。織田がそのコートに袖を通し、分身である青島になる日はそう遠くないかもしれない。

(了。前編から読む)

※女性セブン2024年8月1日号

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