Infoseek 楽天

有識者が選ぶ「ポスト岸田に選んではいけない政治家ランキング」1位に小泉進次郎氏 「弁舌はさわやかだが中身がない」「大混乱を招いた鳩山由紀夫氏に匹敵」の評も

NEWSポストセブン 2024年7月24日 10時58分

 自民党総裁選まであと2か月となり、次から次へと「ポスト岸田」候補の政治家の名前が取り沙汰されるようになった。だが、果たしてそのなかに、失われた政治への信頼を取り戻し、低迷する日本経済を立て直し、外交も含めた今後の国の舵取りを任せられる政治家はいるのだろうか。国民は今度こそお祭り騒ぎの総裁選で誤魔化されないように、総裁候補の資質を見極めることが重要だ。

 そこで本誌・週刊ポストは、長年自民党政治を取材してきたジャーナリストや政治評論家、自民党OB政治家など7人の「政治のプロ」に名前の挙がっている総裁候補たちのなかから、「ポスト岸田の総理に選んではいけない政治家」と理由を挙げてもらってランキングにした。【全3回の第2回。第1回から読む】

※採点者は石橋文登氏(政治ジャーナリスト)、小林吉弥氏(政治評論家)、田中良紹氏(政治ジャーナリスト)、野上忠興氏(政治ジャーナリスト)、藤本順一氏(政治ジャーナリスト)、舛添要一氏(元東京都知事)、宮崎信行氏(政治ジャーナリスト)の7人(五十音順)。各氏が「ポスト岸田にしてはいけない政治家」を1~3人挙げ、順位をつけた。1位は5点、2位は3点、3位は1点で計算し、合計点数が高かった順にランキングにした(同点の議員は五十音順に並べた)。

自分の仕事から逃げた茂木幹事長

 ランキングを見ていく前に、まず「ポスト岸田」の総理に問われる資質は何かを整理する必要がある。

 岸田政権が国民から見放されたきっかけは自民党の裏金問題だ。

 岸田文雄・首相は「派閥の解散」「裏金議員の処分」「政治資金規正法の改正」で改革姿勢を見せようとしたが、派閥解散は中途半端、自らの処分はなく、法改正も名ばかり。いずれも小手先の対応で、本気で自民党の体質、政治を改めようという覚悟が見えなかった。そのことが国民の政治への不信、自民党への不信を深めた。自民党の政党支持率が過去最低に下がっていることからもそれがわかる。

 では、ポスト岸田には何が必要なのか。元共同通信政治部次長で政治記者歴60年のベテラン政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。

「次の総理に一番求められるのは、自民党の立て直しではない。なにより国民の政治に対する信頼を取り戻せるかどうかです。そのために自民党に血を流させ、膿を出し切る決意と覚悟があるかが問われる」

 それと同時に、国政と外交の舵取りを担う政治手腕が欠かせない。

 その2つの柱で、識者たちは「ポスト岸田に選んではいけない政治家」を誰と見ているのか。

 ランキングのワースト1位は小泉進次郞・元環境相だ。

 理由は政治手腕が未熟と見られていることだ。政治評論家・小林吉弥氏はこう指摘する。

「近い将来への期待はあるが、『ポスト岸田』からは除外したい。まだ総理候補の器としての政策的な片鱗を見せていない。党4役も経験しておらず、現状で混迷する自民党に大なたを振るえるのか疑念が多いのが大きな理由です」

 元産経新聞政治部長の政治ジャーナリスト・石橋文登氏の評価はさらに手厳しい。

「今なお父の小泉純一郎氏の強い影響下にあり、首相になれば、計画性のないまま脱原発に走り、せっかく復調しつつある日本経済が大混乱に陥る可能性が大きい。弁舌はさわやかだが、中身がなく、知性が感じられない。安全保障についても勉強が足りない。

 首相になると、そのトンチンカンさが至るところで露呈し、下手をすれば、計画性なしに普天間基地移設問題で“最低でも県外”と掲げるなどして大混乱を招いた鳩山由紀夫・元首相に匹敵するような世界の笑いものになるのではないか」

 政治的実績がなく、人気先行の小泉氏は、自民党の「選挙の顔」にはなれるかもしれないが、国政を任せるのは不安が大きすぎるとの評価だ。

茂木敏充・幹事長は党内や公明党からも信用がない

 ワースト2位には、現職幹事長の茂木氏がランクインした。自民党ナンバー2で茂木派の会長でもあり、政策通として知られる。岸田首相がコケたら次期総裁の最有力候補とも見られていた。

 元TBS記者の政治ジャーナリスト・田中良紹氏と野上氏がいずれもワースト1位に挙げた。理由は一致している。

「与党の幹事長はたとえ泥をかぶってでも政権を支える責任があるが、茂木氏は“裏金問題はオレの責任じゃない”とばかりに何もせず、岸田首相がコケるのを待っていた。そうした計算高く、無責任な姿勢は自民党内でも不興を買っている。連立を組む公明党からも信用がない。

 政策的に能力があっても、党内でさえ信用されない政治家は国民から信頼される総理にはなれない」(野上氏)

「国民の批判を高めた裏金問題は、岸田政権の落ち度ではなく自民党安倍派の問題である。自民党の最高責任者は肩書き上は岸田総裁だが、党運営の最高責任者は幹事長だ。それが全く機能していない。自分の仕事から逃げるような人間を総理にしたら日本はおしまいだ。政治家になる前から知っているが言われるほどの能力はない。官僚と変わらない程度で政治家としては落第だ」(田中氏)

(第3回に続く。第1回から読む)

※週刊ポスト2024年8月2日号

この記事の関連ニュース