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【ヤクザサミット2024in横浜に密着】関東暴力団トップ、マル暴40名が駆けつけた「炎天下の極秘会合」が開かれたワケ

NEWSポストセブン 2024年7月22日 7時15分

「見えました!!」「ご苦労様です!」──うだるような暑さが襲った7月18日。神奈川県横浜市内にある巨大施設には黒いスーツをきっちりと着こなした男性が数多く集まっていた。汗を流しながら誘導棒を持って交通整理をする男性、荷物を施設に運び込む男性、直立不動で立つ男性──道路を挟んだ反対側のエリアでは40人ほどの警察官が集会用テントを設置して陣取り、こちらも汗を流しながら彼らの動きに目を光らせていた。

 通りすがりの歩行者も「ここで何があるんだ……?」と思わず口に出すほど異様な雰囲気に包まれた現場。それもそのはず。この日、関東に拠点を置く有名暴力団のトップが一堂に集まるからだ。実話誌記者が語る。

「関東に拠点を置く暴力団8組織による親睦団体『関東親睦会』の発足10周年を記念してトップが集まりました。いわば“ヤクザサミット”でしょう。この会には稲川会、住吉会、極東会、松葉会、関東関根組、双愛会、東声会、六代目山口組傘下組織の國粹会といずれも有名組織が所属している。

 この『関東親睦会』の前身は関東会、関東二十日会という名称の親睦連絡組織だった。1960年代から続いていて、当時は暴力団がお互いの縄張り争いやシノギ(暴力団の経済活動)が活発だったこともあり、その調整・解決が中心だった。2014年に現在の名称、組織体制になった」

 有名組織のトップが集まるとあって、会場となった指定暴力団・稲川会の稲川会館には、警視庁、埼玉県警、神奈川県警、千葉県警から「マル暴」が集まることに。現場にいた警官に話を聞くと、「マル暴担当のほとんどが来ているんじゃないか」とのことだった。

「オス!」会場に響き渡る組員の掛け声

 10時53分、ガレージが開き、組員が「見えました!」と発すると現場に緊張が走る。施設内にある建物の前にズラリと整列した組員は頭を下げ、施設に入ってくるセンチュリーを出迎える。稲川会の貞方留義理事長が車から降りると、組員たちは「オス!」と大きな掛け声を発した。10分後、稲川会の内堀和也会長も車で到着。内堀会長は施設内にある稲川会の石碑に頭を下げ、建物内に入っていった。そこから準備も本格化。組員がお重やペットボトル飲料などを忙しそうに運び入れていた。

警官も思わずぽつり 「あいつ倒れるんちゃうか?」

 その後、他組織のトップも高級車に乗り、会場に続々と到着。内堀会長と貞方理事長が出迎えに現れ、談笑しながら建物内に入った。

 この日の気温は33度を超えていた。直射日光を浴びるスーツ姿の組員らは全参加者が到着するまでの約1時間、直立不動。地面からの照り返しも激しい。ハンカチで顔を拭くものの汗は止まらず、スーツに大きな汗染みを作る組員も見受けられた。

 これには集会用テントのなかにいる警官からも「あいつ(汗をかいている組員)倒れるんちゃうか」との声が上がったほど。普段はめったにメディアに声をかけない暴力団側からも現場にいたカメラマンに対し、「水あるんか? 飲んでええからな」と話しかける場面も。

 会合は1時間ほどで終了。トップの間でどういう会話が繰り広げられたかはわからないが、笑顔で会場を後にする参加者もいた。前出・実話誌記者はこう指摘する。

「暴力団には警察だけでなく世間からも厳しい目が向けられていて、活動に大きな制限が加えられている。実際、この日も会合が行なわれていた午前、東京都新宿のマンションにある住吉会の本部事務所に多くのマスコミが集まった。東京地裁が使用差し止めの仮処分を下したことを受け、執行官が仮処分の決定を知らせる文書を公示するためにマンションに立ち入ったからだ。

 六代目山口組の分裂抗争も解決の糸口が見つからないまま今夏で10年目に突入する。取締りが強化されるなか、組員も高齢化し、どの暴力団も“組織としてどう存続していくか”という厳しい問題に直面している。今後はこうした組織同士の連携も今まで以上に強めていく考えではないか」

 

 

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