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名古屋場所 土俵下に転落した正代と接触の大村崑が初告白「実は落ちてくることは予想できていました」

NEWSポストセブン 2024年7月24日 10時15分

 大相撲名古屋場所9日目、好角家でコメディアンの大村崑さん(92)があわや169キロの巨漢力士の下敷きになりそうになるアクシデントが発生した。中継画面にもそのシーンが映し出されて大きな話題を呼んだが、騒動の後に初めて大村さんが取材に応じ、当日の状況を説明した。

 アクシデントは前頭6枚目の王鵬と前頭10枚目の正代の一番で起きた。王鵬が左四つから土俵際で掬い投げを打ちながら寄り切ろうとしたところ、正代が逆転の突き落としをみせたが不発に終わった。正代はそのまま西花道の方向に転がり、その先に座っていた大村さんのところに大きな音を立てて倒れ込んだのだ。

 館内は騒然となったが、かろうじて激突を逃れた大村さんに対し、正代は平謝り。大村さんが仰向けになりながらも「大丈夫」とアピールすると、正代も安堵の表情を浮かべて土俵に戻っていった。大村さんが両手を挙げて大きなマルを作ると、客席からは拍手が起こった。

 SNSでは「崑ちゃん大丈夫か」「92歳とは思えぬ身のこなし」「元気ハツラツやな」「溜席は危険だ」といった投稿が溢れた。大村さんは前日の中日もイエローのポロシャツ姿で向正面の溜席で観戦。この日はピンクのポロシャツで存在感を見せていた。

10年ほど前は「宝富士関が落ちてきた」

 巨漢力士が土俵の上から降ってきた時の様子を大村さんに聞くと、意外な答えが返ってきた。

「今回は大丈夫でした。危なかったけどね」

 記者が「今回は?」と聞き直すと、大村さんはこう説明を続けた。

「10年ほど前のことですよ。同じ名古屋場所で、時計係の審判員だった元水戸泉の錦戸親方の後方の溜席に座っていたら、宝富士関が落ちてきた。打撲と擦り傷で1か月ほど痛くて大変でした。錦戸親方が止めてくれると思っていたんですが、あの時は油断してました(苦笑)」

 そして今回、正代が飛び込んできたことについては「実は予想していたんです」とも語った。

「相撲は4歳から見ているからね。昔から、一度力士が落ちたところには、なぜか何度も落ちてくるんです。同じ審判委員の親方のところに不思議と落ちてくる。あの日は午後1時頃から西花道の溜席で観ていたんですが、早い時間に2度、力士が落ちてきたんですよ。きっと終わるまでにもう1回、幕内の大きな力士が飛んでくると思って警戒はしてたんです。周囲のお客さんにも“気を付けないといけないよ”と言っていたんです」

救急車で運ばれたら大恥でした(苦笑)

 その予感が的中し、正代が溜席に飛び込んできたわけだ。大村さんが続ける。

「たまたま隣に座っていた女性がトイレに行かれたんですよ。なんでこんないい取組の時にトイレかな、と思ったんですが、それがよかった。女性が席を空けて2つ目の取組で隣の空いている席に正代関が倒れ込んできたんです。ボクは花道に面した席で、そちらに倒れたので腕や足にかすったぐらいでしたが、女性があの席に座っていたらペッシャンコ。救急車ですよ。もう奇跡としか言いようがない。

 ボクは逃げたつもりが倒れたように見えたので、みんなは当たったと思ったようです。土俵回りのカメラマンがレンズを向けるから、両手で大きな輪を作って“大丈夫”とやったんですよ。するとこれがウケたんです。舞台でもあんなにウケたことがないぐらい歓声と拍手をもらいましたよ。もしペッシャンコになって救急車で運ばれていたら、92にもなって大恥です。芸能界におられませんで(苦笑)」

 隣の女性といい、大村さんといい、ひとつ間違えれば大惨事になっていた。

「あの溜席というのは、警戒していないといけない。相撲に集中していないと大変なことになる。正代関が何度も“大丈夫ですか”と聞いてくれたが、力士にも申し訳ないしね。ずっと後で部屋に稽古見学に行った時に、宝富士関も落ちてきたことを覚えてくれていたからね。落ちたほうも気にしてくれているんですよ」

 92歳の大村さんを心配する声がSNSであがっていると伝えると、「前回はまともに当たってしまったが、あの頃はライザップに通ってなかったからね。今はあの頃より機敏です(笑)。心配おかけしましました」と元気に笑ってみせた。

 これに懲りることなく本場所に通うとのことだった。

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