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【全文公開】浅田美代子、樹木希林さんの後押しで買った自宅マンションでご近所トラブル “住民による執拗な嫌がらせ”民事裁判では管理組合が勝訴

NEWSポストセブン 2024年8月9日 9時15分

「隣人は選べない」というが、それは芸能人にも当てはまるようだ。今年デビュー50周年を迎えた浅田美代子(68才)にとって、この3年は胸が張り裂けるような日々が続いたという。彼女が所有する車がきっかけとなり、徐々に深刻な事態に陥った近隣トラブル。恐怖に苦しみながらも彼女が守りたかったもの、それは──。

「こちらは確実に悪いことをしていないので……。でも勝訴はしたとしても、向こうがどうするかですよね」

 普段のハキハキした声とは打って変わり、消え入りそうな声で答えたのは女優の浅田美代子だ。都心の閑静な高台に佇むヴィンテージマンション。高級ホテルのような瀟洒な建物はこの3年間、思いもよらない騒動に巻き込まれてきた。

「浅田さんを悩ませてきたのは、いわゆるご近所トラブルです。総戸数は7戸という小規模な低層マンションだけに、その中で住人同士が揉めると心労がたたるでしょうね……。あれからちょうど3年。長い闘いでしたが、つい先日判決が出て、浅田さん側が勝訴したようです」(マンション関係者)

 発端は、浅田が2003年から住むマンションの地下駐車場をめぐるトラブルだった。浅田が前所有者が解約した駐車場の駐車権を獲得したのは2013年3月のこと。車好きの浅田にとって、同駐車場で2台目となる契約だった。これに疑問を呈したのが、同じマンションに住む中国出身の60代男性だ。

「男性は2021年の夏に駐車場の賃貸契約が結べないことに対し、『このマンションは分譲当初、各戸に1台分の駐車スペースが割り当てられていた。自分も区分所有として駐車場を借りる権利があるはずだ』と主張。当時このマンションの駐車場はすべて契約されており、そこでやり玉に挙げたのが、2台分を契約していた浅田さんでした。『管理組合が芸能人である浅田さんに忖度して2台分の駐車権を与えた』などと非難したそうです」(前出・マンション関係者)

 管理組合が男性の言い分を受け入れずにいると、その直後に“大暴走”が始まった。

「古物商を営むその男性は『壊れやすく高価な品を運ぶには車が必須』と言い出し、自分の車を勝手に駐車場に停車してほかの居住者の利用を妨害。110番通報を受けた警察官6人が現場に駆け付ける騒ぎとなりました。その後も男性は迷惑行為を繰り返し、それに対抗した管理組合がレッカー車を呼んで男性の車を強制撤去するなどの小競り合いが続き、2か月の間に警察官が4度も出動する騒ぎになったんです」(前出・マンション関係者)

 さらに続けざまに、マンションのエレベーター内に白い粘着性の液体が散布されたり、管理室の扉の鍵穴に接着剤らしき液体が差し込まれたりする嫌がらせ行為が発覚した。

「夜に男性の部屋から大音量の音楽が流され続けたりもして、静かだったマンションの住環境は一変。身の危険を感じて引っ越す住人もいました。浅田さんも恐怖を感じ、防犯ブザーを持ち運ぶようになったそうです。管理組合は防犯カメラの設置や警備員の配置を行い、それらの費用を男性に求める裁判を2022年の春、東京地裁に起こしました」(前出・マンション関係者)

防犯カメラに映った真犯人

 長く住み慣れた住人さえ恐怖に耐えきれず退去する異常事態。だが浅田にはこのマンションを離れられない大きな理由があった。

「じゃあ、決まり。美代ちゃん、ここを買おう」

 浅田のマンション購入は、樹木希林さん(享年75)のこの一言で決まった。浅田が17才でデビューしたドラマ『時間ですよ』(TBS系)での共演をきっかけに交流が始まった2人。2001年に最愛の母を亡くし、失意に沈む浅田に「家を買いなさい」と説いたのは樹木さんだった。

 もともと樹木さんは無類の“不動産好き”で、あらゆる物件を見て回ったり、他人の家に押しかけて内覧することをライフワークにしていた。新築よりヴィンテージマンションを好み、「古いマンションは運気や立地がよく、建物の造りがしっかりしている」などと語っていたという。そんな樹木さんが「ここはすごくいいの」と購入を強くすすめたのが、現在浅田が住むマンションだ。

「当時の浅田さんは50才の手前。『まだ賃貸でいい』と渋る浅田さんに『60才過ぎたら誰も貸してくれないよ』と背中を押したのが希林さんでした。しっかり者の希林さんは浅田さんに大きな仕事があるたびにローンの繰り上げ返済をすすめ、浅田さんがローンを完済するときは銀行までついて行って、記念写真を撮ったほどです」(浅田の知人)

 浅田がマンション駐車場に止めている2台の自家用車のうち1台も樹木さんにまつわるものだ。

「浅田さんの愛車『バンデン・プラ・プリンセス』は25年ほど前に希林さんからプレゼントされたものです。年代物のイギリス車で当時、お母さんの入院先に大きな車で通っていた浅田さんを気遣い、希林さんが小回りの利く自分の車を譲りました。ヴィンテージマンションを好んだことと同様に、希林さんはクラシックな車が好きでした」(前出・浅田の知人)

 浅田にとって46年にわたって苦楽を共にした樹木さんは芝居の師匠であり、同志であり、そして母のような存在でもあった。全身がんを公表した樹木さんの最後の1か月間、浅田は毎日のように樹木さんを見舞った。それだけに、樹木さんが遺したものを浅田が簡単に手放せるはずがなかったのだ。

「浅田さんは“ものの命を大切にして最後まで使い切る”という希林さんの精神を深く尊敬しています。マンションは希林さんが後押ししてくれた“終の棲家”ですし、希林さんから譲り受けた車は維持費がかかるのに25年も乗り続けています。どちらも浅田さんにとっては、希林さんの息遣いを感じる“形見”のような宝物なんです」(前出・浅田の知人)

 7月17日、マンションの管理組合が男性を訴えた民事訴訟の判決が言い渡された。

「管理組合の主張が全面的に認められ、男性は損害賠償の支払いや敷地内の駐車禁止などを命じられました。また防犯カメラの映像から、エレベーターに白い液体を散布し、管理室の鍵穴に接着剤らしき液体を差し込んだのもこの男性と認定されました。すでに男性は所有していた部屋を売却していますが、判決に不服だったようで、控訴したそうです」(前出・マンション関係者)

 浅田に現在の心境を尋ねると、冒頭のように、揺れる気持ちを短く語ったのだった。9月15日に樹木さんは七回忌を迎える。浅田は墓前に、法廷闘争の行方と、大切な“形見”を守る決意を静かに報告するはずだ。

※女性セブン2024年8月16・23日号

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