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《パリ五輪では7位》競泳・瀬戸大也のアスリート妻はなぜ離婚しないのか?梨園妻・三田寛子と共通する「支える妻」特有の底力

NEWSポストセブン 2024年8月10日 16時15分

 競泳の瀬戸大也選手(30歳)がパリオリンピックに出場。選手としての能力への期待はもちろんだが、かつての不倫報道を払拭する結果が出せるのかということも注目を集めた理由の1つだ。その妻、馬淵優佳さんは今どうしているのだろうか──。夫の不貞に対して離婚という選択をしなかった馬淵さんについて、有名人批評に定評があり、夫婦に関する問題についても執筆活動を行うライター・仁科友里さんが分析する。

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 連日、熱戦が繰り広げられているパリ五輪。8月2日には、競泳男子200メートル個人メドレーの決勝が行われました。瀬戸大也選手は予選を全体1位、準決勝では全体5位の好成績で決勝進出。メダルの期待が高まりましたが、結果は7位でした。とはいえ、若い選手が次々台頭してくる中で善戦したと言えるのではないでしょうか。

家庭人としても評価されていた瀬戸大也

 それにしても、オリンピックでメダルを取るというのは、実力はもちろんのこと、運やタイミングなど、人智を超えた何かがが関係しているのではないかと思えてなりません。瀬戸選手と言えば、2020年の東京五輪で、金メダルが確実視されていた選手です。しかし、新型コロナ感染症の影響で、開催が1年延期となるなど、思わぬ番狂わせに見舞われます。さらに2020年10月1日号「週刊新潮」に、一般人女性との不倫を報じられてしまったのでした。

 瀬戸選手は「金メダルに最も近いスイマー」として高い知名度を誇っていましたが、夫婦仲もよく、お子さんの面倒をよく見るイクメンとしてのイメージも定着していました。妻の馬淵優佳さんは日本を代表する飛び込みの選手でしたが、結婚を機に引退。アスリートフードマイスターの資格を取得して、支える妻に徹します。

夫妻は味の素食品の“勝ち飯”CMに出演し、優佳さんはインスタグラムでも、瀬戸選手の好物のネギをたくさん使った豚汁など“勝ち飯”をせっせとアップしていましたし、家族でのおでかけや結婚記念日に夫婦で仲良く寄り添う姿を投稿しています。日本を代表する大企業が瀬戸選手とスポンサー契約を結んでいたのは、アスリートとしての実力はもちろんのこと、瀬戸選手が家庭人としても一流であることを高く評価していたからではないでしょうか。

不倫報道を経て変化したように見える夫婦関係

 しかし、不倫がバレると、追い打ちをかけるようにマイナス報道がどんどん出てきてしまいます。2020年10月8日号「週刊新潮」によると、瀬戸選手の不倫相手は1人ではなかったそうですし、同年10月13日号「女性自身」には、瀬戸選手のモラハラ的な行動に優佳さんがずっと振り回されていたと、優佳さんの友人が明かしています。9月25日配信の「文春オンライン」によると、関係者の間では瀬戸選手の夜遊びはよく知られていたと言いますし、瀬戸選手は「練習に集中したい」という理由で、練習所に近い豊洲のタワマンで一人暮らしをしていた、つまり一緒に暮らしていなかったそうなのです。

 同居していなくても仲のよい夫婦はいますが、SNS上での完璧な家族アピールと、不倫報道の衝撃も相まって「インスタグラムの内容はすべて嘘だったのでは?」「幸せをアピールする人ほど実情は違う」と優佳さんの“幸福偽装”を疑う声もネット上で増えていきました。不倫が露見したことで企業とのスポンサー契約は打ち切られ、シンボルアスリートも辞退するなど、瀬戸選手を取り巻く環境は激変します。そんな中、出場した東京五輪では、まさかの予選落ち。結果を出せなかった瀬戸選手との離婚説も浮上したのでした。

 離婚はしなかったものの、東京五輪後、優佳さんは飛び込み競技に復帰、日本選手権で優勝してしまいます。競技を引退してからは、お子さんの教育のためにオーストラリアで暮らしているそうで、東京五輪前と比べて生活が激変したと言えるのではないでしょうか。

そして今回、久しぶりに優佳さんのインスタグラムを見てみると、その変わりように驚きました。夫についてふれることはなく、現在は優佳さん本人の仕事の告知がメインです。料理の投稿は時折ありますが、“勝ち飯”のような気合いの入ったものではなく、季節感あふれる肩肘はらない家庭料理を投稿しています。

「支える妻」三田寛子との共通点

「支える妻」のインスタグラムから、夫が消える。これは「支える妻」の代名詞である梨園妻、八代目中村芝翫(しかん)夫人、女優の三田寛子さんも同じなのです。

2016年、夫と3人のお子さんの4人の同時襲名という偉業を成し遂げた三田さん。アイドルから梨園妻となり、たくさんの苦労があったことでしょう。それが報われてよかったと言いたいところですが、この頃から夫・芝翫が京都の芸妓さん、タニマチの女性、アパレル勤務の女性との不倫報道が相次ぎます。

襲名前ということもあったのでしょう、芸妓さんとの報道の際は三田さんもカメラの前に立ち、夫を責めない姿が“神対応”と称賛されました。しかし、度重なる不倫に思うところがあったのでしょうか、三田さんは別居に踏み切ります。2022年9月9日号「週刊ポスト」の取材に対し、三田さんは「本当に主人は主人、私は私で。皆さんにご迷惑をかけないように、ちゃんと仕事させていただこうという認識です」と答えたそうですが、インスタグラムにもその気持ちが反映されているように感じます。結婚式など、家族単位の公式行事を除いて、夫である芝翫は登場しません。自分の仕事、お子さんの舞台の告知、お子さんとのエピソード、ひとり旅、推し活が投稿されています。夫が不倫をし、それが世間バレするというのは、妻にとって屈辱以外の何物でもないことでしょう。ですが、ネットニュース全盛時代の「成駒屋の嫁」として考えるなら、ちょっと違うのかもしれません。

2017年1月14日放送の『サワコの朝』(TBS系)に出演した三田さんは、「私が妻としての仕事で一番大事なのは、切符を1枚でも多く売ること。客席を満員にしなくてはいけないっていう使命が一番」と話していました。興行ですから、やはり数字(売上)は大事、伝統芸能だとあぐらをかいているわけにはいかない、1人でも多くの人に劇場に来てもらいたいという意味でしょう。そのためには、歌舞伎に縁のなかった人に、まず名前を知ってもらう必要があります。

それでは、どうやって知名度を上げるのか。いろいろ方法はありますが、現代はネットニュースで知名度を上げていくという方法があります。はからずも芝翫の不倫により三田さんに注目が集まっていますから、三田さんがテレビに出たり、インスタグラムでマメに息子さんたちの告知をすれば、それがネットニュースになり、息子さんや成駒屋の知名度も上がっていくことでしょう。かつては「夫を支える妻」だった三田さんですが、今や「三人の息子さんもしくは成駒屋を支える母」に変貌を遂げたと言えるのではないでしょうか。もしそうなら、三田さんが離婚をしないのも不思議ではない気がするのです。自分の知名度、注目度を利用して、息子さんに大きなチャンスを与え、立派な歌舞伎俳優に育ってほしい。そう思うなら、三田さん自身が成駒屋を離れること、つまり離婚は得策ではないと考えられます。案外三田さんは達観していて、「夫のことは、もうどうでもいい。ただ、私と子どもに迷惑かけるなよ」の域に達しているのかもしれません。

「支える妻」特有の底力

「支える妻」が夫と距離を取ると、離婚と言われがちです。これは、夫と離れることイコール悪いことと考える人の多さを物語っていると思います。一方、心理学では、人間関係のトラブルは精神的な距離が近すぎるときに生じると言われています。どんなに親しい人でも、越えてはいけない一線があるとして、精神的な距離を取ることを「境界を引く」というそうですが、一般的に女性はこれが苦手で、特に夫や子どもに「やりすぎる」傾向があることがわかっています。『走る!三田寛子400日 中村芝翫襲名の裏側』(BSフジ系)で、三田さんは人に物を頼むことが苦手で自分でやってしまう、つまり背負いすぎてしまうことを指摘されていました。三田さんのように「支える妻」になる人は、もともと気配りがあり、空気を読みすぎるが故にやりすぎてしまうのかもしれません。もしそうなら、別居くらいの距離があったほうが、ちょうどいいのかもしれません(ただ、「やりすぎる」タイプの女性は、夫と距離を取ると、今度はそのパワーが子どもにむかってしまうので注意が必要と言われています)。

 アスリートや歌舞伎俳優の妻は「夫を支えること」が仕事とされ、無理に自分をその枠に当てはめてしまうこともあるかもしれませんが、「支える妻」になる人は、実はとても強い人ではないでしょうか。全体の流れが見えて、かつ細部にも気を配ることができる。相手が何を求めているかがわかるので、今は前に出るべきかそうでないのか、瞬時に判断がつく。

 小さいお子さんのいる優佳さんが競技に復帰したり、オーストラリアに教育移住できたりしたのも、梨園妻を優先してきた三田さんが今も仕事が途切れないのも、「支える妻」特有の底力なのではないかと思うのです。離婚なんていつでもできる。どうか、ご自分の能力をご自分のために使って、活躍していただきたいものです。

 

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