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《50歳で取得した運転免許を返納》演歌歌手・水前寺清子78歳、歩行困難に陥った「腰部脊柱管狭窄症」から10年の現在「何もしないことが健康の秘訣」

NEWSポストセブン 2024年8月19日 15時59分

「長い間歌ってきましたから、色々なことがありますよ……」──そう語るのは、今年でデビュー60周年を迎える歌手の水前寺清子さん(78)。NHK紅白歌合戦出場22回を誇る演歌界の大御所はこの10年、ケガや病と向き合ってきた。歌い続け、気づけば78歳となったという“チータ”の現在に迫った──。【前後編の後編。前編から読む】

──オフィシャルブログ『元気印!チータdeマーチ』では、散歩やケーキを完食される姿などが投稿されていますが、最近はどのような生活を送られているのでしょうか。

「もともとはあまり甘いものを食べないほうでした。でも甘い物好きなスタッフに囲まれていて、結構な頻度でカフェやファミレスに出かけます。あと、仕事以外の生活はテレビの通販番組をよく見ていますね(笑)」

──テレビといえば、歌手として活動していた1996年に『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)で、ワイドショーのキャスターをされていたのが意外でした。

「大変というよりも今ではいい思い出になっています。初めての経験だったので必死ではありました。月曜から金曜まで毎朝、6時に目覚まし時計をかけて朝刊すべてに目を通し、テレビ番組もチェック、9時半にスタジオに入りして生本番、コメントは自分の言葉が伝わるように心がけました」

──2000年には女優としてドラマ『教習所物語』(TBS系)で鬼教官役を演じられました。

「鬼教官を演じさせてもらい、50歳の手習いと思い取得した運転免許証が大いに役に立ちました。教習所通いはとても楽しかったですが、運転免許を取ったものの車を運転することはほぼなく、移動はいつもドライバーさん付きの車でした。せっかく免許があるのだから車が欲しいなぁと思い、真剣に車の購入を検討したこともありました。道で可愛い車を見つけるたびに『これ欲しい!』と……」

──現在も運転しているんですか。

「ペーパードライバー状態が続き、私みたいな者が車の運転をしたら危険だと考え、実は70歳を過ぎたときに決意して運転免許証は返納しました。事故を起こしたら大変ですからね」

──2008年に喉のポリープ手術。2011年6月14日、広島でコンサート中にステージから転落して左ひざの剥離骨折。2014年6月には、腰部脊柱管狭窄症で手術され、この数年はケガや病との闘いでした。

「腰部脊柱管狭窄症のときは大変でした。歩行も難しくなってしまい、いつものようにコンサートのステージで元気よく走り回ることができず、医師から『手術をすればもとに戻る』と聞き即断しました。その後ですが、去年も突然、腰の痛みで立てなくなって『再発かな?』と医師に診てもらったら“圧迫骨折”との診断。皆様にご心配をおかけしてしまいました。そんな困難も乗り越えることができたので、表舞台から身を引くなんて思ったことはございません!」

──頼もしいです。諦めない水前寺さんの姿を見て、震災の被害を受けた故郷・熊本のファンも勇気づけられていると思います。

「2016年の熊本地震には言葉にならないくらいの衝撃を受けました。故郷のシンボルである熊本城の惨状を見て『私の歴史も終わった』と感じました。もちろん支援物資も送らせていただきましたが、歌を通じて元気になってもらうことも私の大きな使命だと思いました。故郷のためならどこででも歌うつもりでした。復興支援のイベントではニューヨークまで行かせていただきました。

 私が熊本に住んでいたのは小学校6年生まででしたが、やっぱり生まれ故郷には特別な思いを持っていますね。大好きだった父と母、2人とも東京で亡くなりましたが、『いつかは熊本に帰りたい』という気持ちがあったので、今は熊本に眠っています」

──昨年10月には新宿のライブハウスでバースデー・ライブを開催されました。78歳を迎えても精力的に歌い続ける思いを聞かせてください。

「新しいことに挑戦すること、知らない世界を体験するのがとても楽しいです。ライブハウスなど20代の若い子たちが集まるところで歌うのは物凄く刺激になりますし、ロック音楽にも挑戦しています。

 最近はYouTubeやSNSなどにも興味があるのですが、やっぱり年なのか、なかなか思うように行きません(笑)。健康にも気をつけなければいけないと思うのですが、何もしないことが健康の秘訣だと思っています。持病の腰痛も上手く付き合っています」

──今後、描いている夢などありましたら、お聞きしたいです。

「特別ありませんが、これから音楽や歌を学んでいく若者に何かお手伝いができないかと……漠然とですが、思うことがあります。まずは今年の10月15日に『水前寺清子』は満60歳を迎えるので、その記念になる歌を発表したいと思っています」

 幸せは歩いてこない、だから水前寺清子は胸を張って、足を上げて今日も歩いていく。

【了。前編から読む】

 
 

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