2023年7月、札幌市の繁華街ススキノのホテルで、頭部のない男性会社員（当時62）の遺体が見つかった事件で、田村瑠奈被告（30）と父親の修被告（60）、母親の浩子被告（61）の親子3人が起訴された。今年6月以降、札幌地裁では、死体遺棄と損壊のほう助罪に問われた浩子被告の公判が残る2人に先行して行われている。
「浩子被告の裁判では、田村家の異常な家族関係が明らかになっています。瑠奈被告が父親である修被告をドライバーと呼び、擬似SMプレイにつきあわせたりしていました。母親の浩子被告に対しても『熟女風俗に売り飛ばす』などと激高したりしていて、およそ普通の家庭からはかけ離れた環境だったことが具体的なエピソードとともに次々に判明しています」（北海道担当事件記者）
NEWSポストセブンでは、浩子被告の裁判を詳報してきた。昨年7月、瑠奈被告は被害者を殺害して帰宅すると、浩子被告に「おじさんの頭持って帰ってきた」と話し、「（浴室を）見て」と言った。皮を剥がされて全体が赤くなった人間の頭部を見た浩子被告が「この世の地獄がここにある」と絶望したことなどがこれまでの公判で明かされている。
近年稀に見る猟奇的な事件。ススキノでは事件発覚から1年以上を経た現在も話題となっている。
「瑠奈被告と被害者の男性が事件の直前に訪れていたクラブはすでにありません。しかし、他の関係場所を調べて訪問する人もいるそうですね。不謹慎ですが、聖地巡礼とでも言うのでしょうか……。瑠奈被告が行っていた怪談バーは特に有名ですよね」（ススキノ飲食店関係者）
この怪談バー「A」は、定期的にライブで怪談が披露される。怖い話を聞きながら、手頃な価格設定で飲み放題となっており、若者を中心に週末には特に賑わっているという。
「ススキノで人気となって、今では都内にも支店を出すほどです。男性客が、仲良くなりたい女性を連れて、怖がらせてワンチャン……みたいなことにも使っているようです。あとは、店内の装飾品などとても作りが凝っているんです。高校や大学の学園祭とはレベルが違います。生首や目玉とかがとてもリアルなんです」（同）
「うわあ気持ち悪い」店内には生首オブジェ
提供された写真を見ると、まるで本物のような生首のオブジェが店内に置かれていた。
「自分たち一般人は、『うわあ気持ち悪い』と思うだけですが、これを見た瑠奈被告は何を考えていたんでしょうね。そう考えると、怖さが増します」
確かに瑠奈被告の猟奇的な犯行につながった可能性も否定できないほど、リアルな生首だ。さらに、この「A」には看板メニューとして目玉をモチーフにしたカクテルもある。
「瑠奈被告は修被告に撮影させながら被害者男性の目をくりぬいて、ガラス瓶に保存していました。これを浩子被告に『ちゃんと見て！』と言った上、浩子被告の寝床近くに置いていたといいます。瑠奈被告は目玉をモチーフにしたカクテルを実際に「A」でも飲んでいたという話もあります」（前出・事件記者）
怪談バー「A」では目玉をモチーフにしたカクテルのほかにも、脳みそをモチーフにした杏仁豆腐なども提供されているという。
「きわめつけはトイレですね。薄暗い照明の空間に頭部のないリアルな人形や、足、血しぶきのような跡などで覆われて、かなりすごい空間になっています。田村家もこんな感じだったのかと思うと怖さは増しますね」（前出・飲食店関係者）
「A」に電話で取材を申し込むと男性スタッフが対応し「（事件後も）特に変わったことはない」と言葉少なく応じた。
10月1日には、浩子容疑者の公判が引き続き札幌地裁で開かれる。ここでどのような新事実が明らかになるのか、その内容に注目が集まる。