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「人生が変わりました」磯野貴理子、57才で突如ハマった“野鳥の観察” 専門知識を身につけるために『日本野鳥の会』にも入会

NEWSポストセブン 2024年9月1日 11時13分

 2度の結婚、離婚をはじめ、自身の恋愛観や人生観などをメディアなどで赤裸々かつ軽妙に語り、お茶の間を楽しませてきた女優・磯野貴理子。溌溂とした声と華やかな笑顔が印象深い彼女は今年還暦を迎え、2025年にはデビュー40周年も控える。そんな節目の時期に思うことを120分じっくりインタビューすると……意外な素顔が見えてきた──。【前後編の前編】

 微笑みを浮かべつつ取材場所にやってきた“その人”が磯野貴理子だとは一瞬わからなかった。この日はデニムにパーカ、黒のベースボールキャップというラフな出で立ち。動作がきびきびとしていて若々しいのはイメージ通りだが、テレビで見せるようなテンションの高さはない。明るさこそたたえているが、語り口は落ち着いていて、こちらの問いかけに対し、丁寧に答えようという誠実さがうかがえる──それが彼女の第一印象だった。

57才で突如ハマった「野鳥の観察」

 A4サイズの紙袋を大切そうに持っていたため、それは何かとたずねると、

「この後、書道のお稽古なの」

と笑顔を見せる。書道は8才から始め、ほかにも珠算は1級。“五十の手習い”と始めた中国語では、語学検定試験2級の資格を持つ。好奇心旺盛で勉強家なのだ。

 さらに最近、夢中になれる趣味ができたという。それが、“野鳥の観察”だ。

「今日は鳥の話をしていいの? うれしいわ!」 

と何度も言い、少女のように笑う。今年、還暦を迎えた磯野だが、趣味がそうさせるのか、溌溂としている。

「鳥に興味を持ち始めたのは、3年ほど前の4月のこと。朝、自宅の窓を開けると“ツツピー、ツツツピー”という鳴き声が聞こえてきたんです。あまりにかわいらしくて、何の鳥だろうと調べたら、シジュウカラだとわかりました。写真で見ると背中が緑色でとても美しいの。こんな“子”が大都会・東京に生きているんだと感動しちゃって……。ほかにもそういう子がいるんじゃないかと、それ以来、鳥の鳴き声に耳を傾けては、その姿を探すようになりました。鳥の鳴き声は興味を持ったり、好きになると聞こえてくるんですよ」(磯野・以下同)

 それまで、東京の鳥といえば、スズメやカラス、ハト程度しか認識していなかったというが──。

「東京って意外と野鳥がたくさん生息しているんです。公園や街路樹が多いからね。いちばん驚いたのは、キツツキの一種・コゲラを見つけたとき。冬になると、枯れた木をつついて虫を食ベる姿をよく見かけます。コゲラの頭に赤い羽が生えていたら、その子はオスなんですよ。

 でね、興味を持って鳥の鳴き声を聞いていると、聞き分けられるようになったんです。街を歩いていると、“こっちでキジバトが鳴いている。あっちにメジロがいるな”ってわかるようになるの。それがうれしくて。最近は鳥の姿を見かけるだけで喜びがあふれてきちゃうの。ちっちゃくてね、かわいいし」

一大決心して入会した「日本野鳥の会」

 磯野の好奇心は止まらない。より専門的な知識を身につけようと、2022年10月、『日本野鳥の会』に入会した。58才のときだ。

「『日本野鳥の会』っていったら、NHK紅白歌合戦での“客席審査カウント”しか知らないじゃない? 一体どういう組織でどんな活動をしているのか……。きっとすごい専門家ばかりなんだろうなと、かなり迷ってから一大決心して申し込みました。新しい世界に踏み込むときって不安ですよね」

 前向きで積極的な印象がある磯野のこの言葉には意外さを感じたが……。

「いやいやだって、“知識も経験もない私が参加していいのだろうか”とか“迷惑をかけるかもしれない”とか考えちゃいますよ。皆さんもそうじゃないですか? でもね、今回は“もっと知りたい”という気持ちが先に立ったんです。鳥に限らず、独学には限界がありますからね。大好きなことについては正しい知識で向き合いたかったんです。いやでも、思い切って入会してよかったですね。あのとき入っていなければ、いまの充実した毎日はありませんでしたから。大げさではなく、人生が変わりました」

(後編につづく)

【プロフィール】
磯野貴理子(いその・きりこ)/1964年三重県生まれ。1987年にバラエティー番組『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系)で5代目「いいとも青年隊」(初代「いいとも少女隊」)を務めた後、バラエティー番組などで活躍。現在は『はやく起きた朝は…』『ホンマでっか!?TV』(共にフジテレビ系)、『行列のできる相談所』(日本テレビ系)などにレギュラー出演中。中国語検定「HSK」2級、書道7段、珠算1級などを保有。

取材・文/前川亜紀

※女性セブン2024年9月12日号

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