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三笠宮彬子さまが名誉総裁に就任内定「ツタンカーメン展」で怪しげな人脈がカネ集め “事務局長補佐”は執行猶予中の身

NEWSポストセブン 2024年9月3日 11時45分

 約100年前に発見されたツタンカーメンの秘宝。最も有名なファラオの副葬品が10年ぶりに日本にやってくる企画が進行中だが、その周辺には盗掘者もびっくりするような怪しげな人脈が見え隠れする。皇室も巻き込まれた騒動を詳報する──。

「このままでは、三笠宮家や彬子女王のお名前にも傷がついてしまうような事態になりかねません。エジプト政府との信頼関係を損なう危険性もありますし、内部からも組織の運営体制を見直すしかない、という声があがっています」

 こう話すのは、今年の年末に開催予定の「ツタンカーメンと黄金の太陽王たち展」の企画団体関係者。

 世界一有名なファラオにまつわる副葬品の数々を展示するイベントがいま、皇室を巻き込んだ騒動に発展している。

 古代エジプトの王・ツタンカーメンの黄金のマスクが初めて日本にやってきたのは、前回の東京オリンピックが開催された翌年の1965年のこと。国内3か所で約295万人を動員し、日本の美術展史上最多の入場者数を記録した。

 さらに、47年後の2012年に開催された2度目の「ツタンカーメン展」も約250万人を動員。ツタンカーメンは日本の展覧会史に金字塔を打ち立ててきた。

「前回の展覧会は当時、皇太子だった天皇陛下も東京・上野の会場に足を運んでくださり、ツタンカーメンにまつわる数々の品物を熱心にご覧になっていました。

 イベント関係者の間では『ツタンカーメン展』は、開催すれば必ず莫大な収益が見込める“ドル箱”として、認知されています。

 今回の展覧会では、中東文化に造詣の深い三笠宮家の彬子さまの名誉総裁就任が内定していると聞いています」(前出・企画団体関係者)

 エジプトの至宝を展示する企画が、日本でたびたび開催されるのはなぜか。そこには現地との窓口となるキーマンの存在がある。

「エジプト政府と特別なパイプを持つAさんという日本人男性がいます。もともとは大手企業のエンジニア出身ですが、エジプトで仕事をしているときに、現地の考古学者と交流を深めたとか。帰国後は映像制作会社を起業し、『世界ふしぎ発見!』(TBS系)の撮影に協力したりしていました。

 Aさんは、エジプトの初代考古省大臣で、前回の展覧会でも監修を務めたザヒ・ハワス博士とは昵懇の仲。有名な考古学者の吉村作治先生の親戚という話も聞いたことがあります」(別の企画団体関係者)

 A氏はアラブ・エジプト地域に強力なコネクションを持つNPO法人とも関係が深い。そのNPOは前回の「ツタンカーメン展」でも主催者の一員として重要な役割を果たした。

 すでにA氏らは開催に向けた“手付金”としてエジプト政府に、億単位のお金を支払っているという。

「過去2回の開催実績から、『ツタンカーメン展』は入場料や展示品の図録の販売収入だけでも100億円が見込まれるビッグビジネス。

 さらに、エジプト政府から許諾を得て、展示品のレプリカを別の国や地域で展示する“リクリエイト展”を開催すれば、収益はもっと大きくなる。それだけに、このビジネスにかかわりたい人は大勢いるのです。

 今回の展覧会では黄金のマスクは来日しませんが、ツタンカーメンが使用した黄金のチャリオット(戦車)が世界で初めてお披露目される予定です」(前出・別の企画団体関係者)

 遺品発掘にかかわった人物が次々と非業の死を遂げたツタンカーメンの呪いはいまも続いていたのか──本来は成功間違いなしとされたビジネスに、コロナ禍の影が差した。

「Aさんたちは当初、2020年の東京オリンピックにあわせて3度目の『ツタンカーメン展』を開催するべく、2018年頃に会社経営者のBさんをプロジェクトの組織委員会事務局長に据え、動き出していました。Bさんの人脈でTBSから5億円の出資も決まり、会場費や宣伝にもめどがついたと喜んでいたのですが、コロナで話が立ち消えになってしまったのです」(A氏の知人)

事務局長補佐は「執行猶予中」

 大型のイベント事業では、会場を借りるうえで大手マスコミの信用は大きく、過去2回の「ツタンカーメン展」も朝日新聞やフジテレビが主催となっていた。

 TBSの翻意に途方に暮れたB氏らは金策に奔走。その過程で、B氏が出会ったのがC氏だった。

「Cさんは、1年ほど前から《組織委員会事務局長補佐》の名刺を持ち、プロジェクトの口座や印鑑を管理するようになりました。独自の人脈で出資者を募る一方で、組織委員会は議事録もなく、どんな計画で展覧会を開催するのかも不透明。

 出資金の金銭管理もBさんやCさんが自由に差配しているようで、すでに一部が使途不明金になっているのではないかという話もあります。BさんやCさんは、彬子さまが名誉総裁に就任してくれることで、大企業からの協賛金も集めやすいと考えているようで、協賛を募る企画書にはすでに彬子さまのお名前が記されています」(前出・企画団体関係者)

 今年2月にはエジプト政府の要人を招き、ホテルで大々的に記者発表も行っている。

「来日したのは、エジプトの次期首相とも噂される大物で、展覧会の企画に感謝し、日本との経済協力にも言及していました。組織委員会としては、彬子さまだけでなく、今度の自民党総裁選への出馬が取り沙汰されている大物政治家を顧問に迎える準備もあるそうです」(前出・別の企画団体関係者)

 しかし、C氏の手腕に疑問を持つ前出の企画団体関係者が言う。

「もともとは、女子高生ビジネスでベンチャー経営者として頭角を現したという触れ込みでしたが、実は数年前に不正な株取引などによる金融商品取引法違反で逮捕され、現在は執行猶予中の身だったのです。

 彬子さまが名誉総裁となり、エジプトの至宝がやってくる国家規模の展覧会の金銭管理や資金集めにCさんが関与するのはいかがなものかという声があがっています」

 彬子さまの祖父・三笠宮崇仁さまは、中近東の文化研究に思い入れが深く、出光興産の創業者の協力を得て、中近東文化センターの設立に尽力。その志を継ぐ彬子さまが、名誉総裁に就任するのは自然な流れだったが、100億円イベントに群がる不可解な人脈に、三笠宮家の名前が利用されてしまわないか、周囲の心配は募るばかりだ。

 はたして、当事者たちはどのように答えるのか。

 A氏やB氏の自宅を訪ね、携帯電話を何度も鳴らしたが、取材に応じることはなかった。NPO法人の理事長も「何も答えないことにしている」と繰り返すのみ。

 宮内庁に彬子さまの名誉総裁就任や経済事件で執行猶予中の人物の関与について見解を尋ねたが、回答はなかった。

 幾度の盗掘危機を逃れ、現代によみがえったツタンカーメンの副葬品の数々。3000年以上の時を超えた現代で繰り広げられる騒動に、ファラオも王家の谷で泣いている。

※女性セブン2024年9月12日号

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