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兵庫県警と大阪府警が暴力団幹部逮捕をめぐってゴタゴタ? 警察も暴力団も情報を探り合う"捜査の裏側"

NEWSポストセブン 2024年9月1日 16時15分

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、暴力団幹部が明かした、警察による”捜査の裏側”について。

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「指定暴力団絆會代表ら2人を逮捕 うその登記を行った疑い」というNHKニュースとともに、関西を拠点に活動する暴力団幹部から、こんな情報が流れてきた。

「兵庫県警と大阪府警が大喧嘩しているらしい」

 今年7月9日に特定抗争指定暴力団・絆會会長、織田絆誠容疑者と特定抗争指定暴力団池田組の組長、池田孝志容疑者が逮捕された。池田容疑者といえば、2022年10月26日、岡山市内の理髪店で散髪していたところを、サバイバルナイフを持った山口組系幹部に襲撃された人物である。池田容疑者にけがはなく、襲撃犯は彼のボディガードに返り討ちにあい、取り押さえられ、血まみれになった店内の生々しい映像がネット上に流れた。

 事件について産経新聞オンラインは「絆會・池田組両トップを逮捕、所有ビル巡り虚偽登記疑い 大阪府警」、読売新聞オンラインは「池田組から絆會へ1億円供与か、組トップら虚偽の登記した疑いで逮捕…神戸山口組に連携隠す狙いか」というタイトルで掲載した。絆會などが所有する大阪や神戸の土地や建物を担保に金の貸し借りを行うために、絆會の織田容疑者と池田組の池田容疑者が共謀。池田容疑者の親族から織田容疑者が、1億円を借りたとする虚偽の登記をしたという電磁的公正証書原本不実記録・同供用の容疑で、大阪府警が両容疑者を逮捕したという事件である。

 情報によると、「兵庫県警がこの件を組織犯罪と結びつけて動こうとしていた矢先、大阪府警が動いてしまった」ということらしい。この不動産に関しては、関西方面のヤクザの間で知る人ぞ知るという状態だったというから、兵庫県警も織田容疑者を狙っていたのだろう。兵庫県警では、今回の事件だけでなく、神戸市で起きた六代目山口組系傘下の組長でラーメン店店長の射殺事件で逮捕された絆會の金澤成樹容疑者への指示があったかなど、組織犯罪として捜査しようとしていたらしいという話も聞く。そのためかやり取りしている間にも「兵庫県警は織田を再逮捕するらしい」という情報が流れてきた。

互いに情報の探り合い

 絆會は神戸山口組から2017年離脱し、池田組も2020年に神戸山口組から独立。もとは同じ組織に属していた2つの組の両容疑者は以前から友好関係にあったという。だが絆會は組を割って出た組織。山口組分裂抗争ではないが、逆盃で出ていく組を許すわけにはいかないのがヤクザの世界だ。

 さらに池田組は岡山市内などにいくつもの不動産を所有する資金力のある組で、もとは神戸山口組の資金源と見られていた組だ。離脱した絆會にも、裏で資金を出していたとなれば大問題だ。今回の虚偽登記は池田組が独立する前に、組名義ではなく親族の名義を使って行われていたため、絆會との連携を隠す目的だったのではないかとの見方が広がっている。

 暴力団組織としては他の組織の動向を注視することも必要だが、警察の動きも気にしなければならない。捜査の主導権を握るのはどこか。各県警も暴力団組織の一掃に向け、互いにしのぎを削っているようだと暴力団幹部は嘯く。

「まぁ、手柄の取り合いだね。こうした警察のゴタゴタは同じ県警の中でも所轄同士でもあるくらいなので。絆會の織田や池田組の池田を逮捕となれば、子分を捕まえるより点数がいいからね」という。何人もの下っ端組員を逮捕するより組の頭を逮捕したほうが、警察としては内外にアピールでき、仕事ぶりが評価されるということらしい。

 暴対法や暴排条例以前は、所轄内に暴力団組織の事務所がある警察署や二次団体の組長らの自宅がある警察署では、暴力団などの反対社会的勢力の取り締り担当者がいて、互いに情報の探り合いをしていたという。

 こうした情報は暴力団側にも伝わってきた。警察が暴力団の動きを逐一注視してきたように、暴力団側も警察の動きをチェックしてきたのだ。

 常に塀の上を歩いているというヤクザには、他の組だけでなく警察の動きも組織の存続、自分の身の安全のために重要な情報なのだ。

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