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《恋は落雷みたいなもの》できちゃった再婚した”恋多き男”東出昌大、恋愛対象としての魅力と「瀬戸内寂聴さんと同じだった?」恋愛観

NEWSポストセブン 2024年9月3日 18時15分

 2015年に女優の杏と結婚したことで話題となるものの、自身の不倫をきっかけに5年の結婚生活に終止符を打つこととなった東出昌大。地上波から姿を消したあとも、女性3人との山小屋での共同生活が報じられるなど、プライベートでは“男と女”の話題に事欠かない。なぜ、彼はモテるのか、有名人批評に定評があり、夫婦に関する問題についても執筆活動を行うライター・仁科友里さんが分析する。

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 この方は、波乱万丈に生きる星の下に生まれついているのでしょうか。俳優・東出昌大さんが、自身のYouTubeチャンネルで元女優との再婚を発表。まもなく、お子さんが生まれることも明らかにしたのでした。

大きなイメージダウンとなったモラハラ・不倫

 おめでとうと声をかけるまでに5秒くらい黙ってしまうのは、東出さんの“好感度爆落ち不倫”をどうしても思い出してしまうから。東出さんと言えば、NHK連続小説「ごちそうさん」で共演した女優・杏さんと2015年に結婚。オリコン社主催の「2015年ナイスカップルランキング」では1位に輝くなど、好感度の高いカップルとして認知されていました。2人の間には双子のお子さんが生まれますが、杏さんは出産後比較的すぐに仕事に復帰。人気俳優同士が、2人で協力しながら子育てをする姿が「新しい」と人気を集めていました。

 しかし、2020年1月に「週刊文春」が、映画「寝ても覚めても」で共演した女優・唐田えりかさんと東出さんの不倫を報じます。それだけでも衝撃的ですが、同誌の記事によると、実生活の東出さんはイクメンとは言えず、家事や育児は杏さんまかせ。東出さんは帰宅してすぐに食事が出てこないと外に飲みに行ってしまうなど、モラハラめいた行動も取っており、杏さんは家事と双子のお子さんの育児をワンオペでこなしていたのだそう。しかも、第三子は、東出さんの不倫中に生まれています。不倫だけでもイメージダウンですが、モラハラ夫、妻の妊娠中の不倫というのは、女性が最も嫌うものと言っても過言ではないでしょう。東出さんのイメージは地に堕ち、バッシングも過熱したのでした。

 もう1つ、この不倫報道を過熱させたのは、不倫相手である唐田さんの、交際“匂わせ疑惑”ではないでしょうか。2020年1月26日放送「サンデージャポン」(TBS系)に出演したコラムニスト・山田美保子さんによると、唐田さんは東出さんとのツーショットをプリントアウトして周囲に配っていたそう。この他にも、現在は削除されていますが、インスタグラムでは東出さんと似ているイラストとキスするように目を閉じている姿をアップしています。また、「寝ても覚めても」がカンヌ映画祭に出席し、インタビューを受けた際、唐田さんは「撮休があっても、東出さんが本読みしようとおっしゃってくださったので、ずっと一緒にいました」と答えています。このご時世、不倫がバレたら大変なことになりますから、身に覚えがあるのなら東出さんには触れないほうが賢明なはず。それなのに、自分と東出さんが親しいことをアピールせずにいられないのは、“日陰の身”であることのストレスが限界近くに達していたからかもしれません。

実際、彼女の行動はだんだんとエスカレートしていきます。唐田さんは「100文字ドラマをアイデアにした!」(テレビ東京)に出演していました。これはその名のとおり、100文字のアイデアをふくらませてストーリーを作り上げ、ドラマ化するものです。唐田さんが脚本家と相談して作り上げたのは、売れつつある新人女優が不倫をするという話。つまり、自分のプライベートをそのままドラマ化したわけで、セリフには東出さんの名前も出てくることになっていたそうです。唐田さんにも言い分や事情はあるでしょうが、先輩女優の夫と不倫をして、それを匂わせるという方法は妻にけんかを売っているも同然で、これまた非常に女性ウケがよろしくないと言えるでしょう。

言行不一致?再婚否定の3か月後にできちゃった再婚

 

 一連の報道を見ていると、東出さんからは「言っていることと、やっていることが違う」、つまり言行不一致な印象を受けるのです。たとえば、「週刊文春」には、家事育児を杏さんに押し付けていた、帰宅してすぐに温かい食事が出てこないと、機嫌を損ねて飲みに出かけてしまうというエピソードが掲載されていました。結婚時に2人の間にどんな約束があったかわかりませんが、今どき“家事も育児も全て妻まかせ”というルールで結婚生活を送っている人は多くはないでしょう。自分が帰宅したタイミングでできたての食事を出してほしい、家事も育児も1人でやってほしいというなら、結婚相手は人気女優の杏さんではなく、専業主婦希望の女性がよかったのではないでしょうか。

 唐田さんに対する態度も、やはり言行不一致に思えるのです。「文春」によると、唐田さんから切り出して、2人は一度は別れたものの、東出さんからの再アプローチでよりがもどったそう。東出さんが戻ってきたことで唐田さんが自分とのことは本気だと思いこんでしまった可能性もないとは言えず、ゆえに唐田さんは匂わせという形で存在をあえてアピールするという行動に出たのかもしれません。しかし、杏さんとの間に第三子も生まれていますから夫婦が不仲ということはなさそうです。

また、不倫報道が出てすぐに、東出さんの当時の所属事務所は不倫が事実であり、2人の別居を認めた上で「ただ、今回の別居は離婚へ向かうものではなく、なんとか修復へのステップを踏むための冷却期間と聞いております」と、東出さんに離婚の意志がないことを明かしています。唐田さんにしてみれば、離婚するつもりがないなら、どうしてすんなり別れてくれなかったのかと思うでしょうし、これだけのことをされて「戻りたい」と言われても、杏さんも「どうぞ」と簡単に言えるわけがないでしょう。

東出さんは不倫発覚後、トークイベントに出席し、不倫をした理由について「自分のことしか考えていなかった」と振り返っています。なるほど、だからこそ、妻と不倫相手、どちらの気持ちも踏みにじるようなことができるのでしょう。しかし、この不倫を機に、言行不一致が改まるかというとそうでもないようで、5月19日放送の「世界の果てに、東出・ひろゆきを置いてきた」(ABEMA)において、「誰ともお付き合いしていない」「もしうちの娘たち、息子が大きくなったときに、お父さんのところいつでも来ていいよって言える親父でいたいんですよ。だから新しい家庭を持つことは全然考えていない」と、再婚はないと話しています。離れて暮らしていても、お子さんを思う父親としての心にぐっと来た視聴者も多かったと思いますが、それから3か月あまりでの再婚と妊娠発表ですから、「あのときの発言は、いったい何だったんだ」と思う人もいるでしょう。

自身の不倫について話した作家と一致していた恋愛観

私のようなフリーランスにとって、言っていることがころころ変わる人と仕事をするのは大きなリスクを伴うので、ごめんこうむりたい。安定がベースとなる結婚も、こういう人は向かないと思います。けれど、恋愛においては、美点と言えないこともないと思うのです。

恋愛ドラマを見ればわかりますが、恋愛を盛り上げるのは不安定さです。ライバルの出現、うそ、裏切りなど、相手への不信があればこそ、相手が自分を愛していると感じられたときの喜びが何倍にもなるのではないでしょうか。近しい人は「また、気まぐれオトコに振り回されている」とあきれつつ見ているかもしれませんが、当の女性は「うそがつけない人、不器用で誤解されやすい人」と、相手を信じては裏切られても限界まで繰り返してしまうのかもしれません。人の話をよく聞く、共感性の高い女性のほうが振り回されてしまう気がします。

 恋と言えば、東出さんは2024年3月号の「文藝春秋」の対談連載「有働由美子のマイフェアパーソン」において、「恋は落雷みたいなもので出会ってみないとわからないけれど、あまり期待していないというか」と、恋愛を自分の力ではコントロールできない、自然現象のようなものととらえているようです。

 2021年に亡くなった小説家・瀬戸内寂聴さんも、「恋というのは雷と同じで降ってくるのだから」とまったく同じことを言っています。寂聴さんは若かりし頃、夫の教え子と恋に落ち、お子さんを置いて家を出たことをご存じの方も多いことでしょう。恋多き女性で、作家・小田仁次郎さんや井上光晴さんと不倫関係にあったことも明かしています。寂聴さんの秘書・瀬尾まなほさんによる「寂聴先生、ありがとう」(朝日新聞出版)には、こう書いてあります。

《先生は不倫の何が悪いのかと言う。恋はカミナリと同じ。自分に落ちてしまったら仕方ないじゃない、と。ただ、不倫相手に妻との別れを迫ったりするのはダメだと言う。相手に家族がいることを知ったうえで付き合うのだから、それは図々しいとのこと》

好きになったものはしょうがないのだから、相手をあきらめることはしない。悪いことをしているのだから、世間からは後ろ指を指されるだろうけれど、それは甘んじて受ける。けれど、相手の家族を壊すような直接的な迷惑はかけない。なぜなら、家庭というのは、特に子どもにとって特別な場所だから。これが、寂聴さんが自分に課していた基本ルールではないかと思うのです。実際、寂聴さんは恋はしても、相手の家庭を壊すようなことはしていませんし、自分が家庭を持つこともありませんでした。

 寂聴さんはいろいろなテレビ番組で、お子さんとは和解できたものの、お子さんを置いて家を出たことを今でも後悔していると話していましたが、東出さんに、こういうくびきや悔恨はあるのでしょうか。「恋とは落雷みたいなもの」なんだからしょうがないと開き直って、女性と関係を重ねていくのなら、それは自己の正当化、もしくは「やりたい放題」にすぎず、「自分のことしか考えていなかった」というあの頃とそう変わらない、いや、もっとタチが悪いように思えてならないのです。

 男と女、そして性の深淵を見つめた寂聴さんは文化勲章を受賞した、多作の作家としても知られています。恋もしたけれど、それ以上に仕事をしており、高い評価と収入を得ていたのです。「人生が変わる1分間の深イイ話」(日本テレビ系)に出演した寂聴さんは遺言を書かない理由を聞かれて、「だって、何も書かなかったら、全部娘に行くじゃない」と話していましたが、お金というのは物言わぬ誠意や愛と言い換えることができると思います。

東出さん1人、もしくは夫婦2人であれば、自給自足的な山籠もり生活で暮らすのもいいかもしれません。しかし、東出さんは杏さんとの間にお子さんが3人いて、さらにこれからお子さんが生まれるわけですから、これまで以上に仕事をしてお金を稼がなければなりません。単なるオンナ好きで終わるか、それとも、問題を起こすこともあったけれど、いい俳優だったし、お子さんたちにとっていい父親だったと言われるのか。全ては、東出さんのこれからの行動にかかっているのではないでしょうか。私は人はそう簡単に変われないと思っていますが、どうか予想を裏切ってほしい、こういう裏切りなら大歓迎と思わずにいられません。

◇仁科友里/フリーライター。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ』(主婦と生活社)。

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