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《やす子の幼少期》「菓子パン1個」「パンの耳」生活から4億円超えの募金へ…『24時間テレビ』ランナーを務めた強い思い「過ごした児童養護施設に恩返し」「将来は子ども食堂をつくりたい」

NEWSポストセブン 2024年9月4日 7時15分

「皆さんの応援の下、走ることができました」──8月31日から9月1日の2日にわたり放送された、日本テレビのチャリティー番組『24時間テレビ47 愛は地球を救うのか?』。恒例企画であるチャリティーマラソンは今回で33回目を迎え、ランナーとしての役目を無事に果たしたのは元自衛官のお笑い芸人・やす子だ。

 自身のキャリアを活かした“自衛隊あるある”や、「はい〜!」という愛嬌のある持ちネタがお茶の間に広く受け入れられ、今やテレビで見ない日はほとんどないほどだ。スポーツ紙記者が解説する。

「やす子さんは2021年、注目の若手芸人らが出演する人気コーナー『おもしろ荘』で3位に入賞したことで急速にブレイク。昨年の番組出演本数は295本にものぼり、同年の『上半期ブレイク芸人ランキング』(オリコンニュース)では見事トップに輝きました。また老若男女から受け入れられるお茶目なキャラクターもあり、今年に入ってからは大手企業のCMに5本以上は出演しています。

 最近ではYouTubeチャンネルなどで自ら手がける、独創的なイラストや曲も披露。お笑い以外の多才な一面も注目されており、今一番乗りにのっているタレントと言っても過言ではないでしょう」

 今回のチャリティーマラソンは「全国の児童養護施設に募金マラソン」と題して行われた。総合プロデューサーである吉無田剛氏は制作発表会見で、昨年の段階から「『24時間テレビ』で走りたい」「将来、子ども食堂をつくる夢がある」といったやす子の話を耳にしており、制作側とその思いが一致したことから起用が実現したと明らかにしていた。そのため、やす子の発案で『24時間テレビ』全体の募金とは切り分けて、児童養護施設のために役立てる目的別のチャリティーとして走ることになった。

幼少期の厳しい生活と人生を救った養護施設

 同会見ではやす子自ら高校時代に児童養護施設で暮らしていたことを打ち明け、「自分のそもそも住んでいた児童養護施設に恩返しができたらいいなっていう想いから始まっている募金です」と強い意気込みを語り、チャリティーマラソンに臨んでいた。

 昨年12月放送の『坂上&指原のつぶれない店』(TBS系)で本人は、「(一時期は)給食以外は食べたことがなかった」「50円のパンを食べて飢えをしのいだ」などのエピソードも語っている。実際に彼女が通っていたベーカリーショップ「カナルド西岐波店」で働く女性はこう話す。

「食パンの端、片面が全てミミになっている箇所を15枚ほど入れて、100円で売っています。先日やす子さんがテレビでお話しされて、今日の午前中は2〜3人の方が『番組出てたね!』と言って、買いに来られましたね。

 当時50円だったかどうか今すぐは確認が取れないのですが、そう考えると今は倍額ですね。実はこの食パンの耳は、意外とよく売れる商品でして、売り切れることもよくあります。採算は度外視で売っていまして、買うのはご老人と、やはり学生さんが多いですね。やす子さんも中学校時代に買ってくださったのではないかなと思います」

 2歳の時から母子家庭で育った彼女は、経済的に厳しい生活を強いられていたようだ。働き詰めの母親は家にいる時間が少なく、そのほとんどの時間を妹と過ごした。地元の知人が語る。

「私自身も小さかったので、その時はどういうことかあまり理解していなかったと思うんですが、彼女の夕食に並んだのがお肉が一枚だけとか、お昼に菓子パンが一個だけポンって置かれていたとか、そういった話は聞いたことがあります。

 でも彼女は本当に周りにそういう自分の弱いところを見せないタイプで、気丈な性格でしたね。もともと責任感は強い子だと思いますが、施設に行ってからはよりしっかりしたという印象があります。その頃は妹さんのために飲食店でバイトもしていましたよ」

 やす子は児童養護施設での暮らしについて、会見で「こんな幸せな世界があるのか、こんなに3食食べられる世界があるんだと思って感動しました」と当時の思いを振り返っている。大雨のなか走り抜けたマラソンでは、時間内に81キロを完走し、「マラソン児童養護施設募金」への募金額は4億を超えた。

自身の人生を救った児童養護施設と、全国の子どもたちに笑顔を届けたやす子なのだった。

 

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