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石井ふく子氏の誕生日会に姿がなかった泉ピン子 渡鬼ファミリーから“ガラパゴス化”がすすんだのは「自己中心性バイアス」の高さゆえか

NEWSポストセブン 2024年9月6日 7時15分

 女優の泉ピン子といえば1990年に放送が始まったドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)での中華料理店「幸楽」で働く小島勇の妻・五月を思い浮かべる人が多いだろう。渡鬼ファミリーと呼ばれる同ドラマの制作陣や共演者たちとの繋がりも途切れたと伝えられる彼女のガラパゴス化について、臨床心理士の岡村美奈さんが分析した。

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「女優・三田佳子のオフィシャルブログ『佳子のガラパゴス遊歩』の内容に一部のドラマスタッフたちが騒然となっている」と、2024年9月3日に公開されたNEWSポストセブンの記事『《かつては蜜月関係》泉ピン子、石井ふく子氏の5年ぶりの豪華誕生会に姿なし 橋田壽賀子氏の遺骨騒動から続く確執は変わらず「ピン子さんは”嘘つき村の村長さん”』に書かれていた。

 気になる記事タイトルに思わずクリックしたのだが、内容を読む前に気になったのが冒頭の一文にあった三田さんのブログの名前だ。ガラパゴスと聞いて、最初に浮かんできたのは”ガラパゴス化”ともいわれる”ガラパゴス現象”。ガラケーと呼ばれた携帯電話が日本独自の進化を遂げたことで、世界標準からかけ離れてしまったという現象のことだ。ある世界から取り残されるという意味でも使われているこの言葉が、”豪華誕生会にピン子さんの姿なし”を暗示しているように思えたのだ。

 三田さん自身はブログにこう名付けた理由を、2022年10月29日の朝日新聞デジタル「私のThe Best」で、その当時使っていた携帯がガラケーだったことと、沢山の島からなるガラパゴス諸島のように色々なことが書けるように名付けたと語っている。ガラパゴス諸島は、大陸と遠く離れている上に、一度も大陸と陸続きになったことがないため、リクイグアナやウミイグアナ、ガラパゴスゾウガメなどの希少な固有種が独自に進化していることで知られる。

 三田さんのブログには、石井氏を囲んで笑顔を見せる往年の芸能人や今活躍中の芸能人たちや、三田さんと並ぶ華やかな女優陣たちの写真が載っていた。だが記事にあるように、そこにピン子さんの姿はない。石井氏のドラマなどからピン子さんが外され、まさに「ガラパゴス化」してしまったことは、これまでも何度か伝えられてきた。

 TBSの人気ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』を手掛けた石井さんとは一時期は蜜月関係にあったというが、2021年4月に亡くなった脚本家の橋田さんの遺骨をめぐり、「火葬場で特別に分けてもらった」「遺骨の一部を海に散骨する計画だ」と自身の朗読劇の記者会見で述べたことで、石井さんとの関係がこじれたという。橋田氏が理事長だった「橋田文化財団」がその話を全面否定し、石井氏はのちに「ピン子さんは”嘘つき村の村長さん”なんです」とコメントしたのだ。

 嘘には大きく分けて自分の利益のためにつく嘘と他者を傷つけないための嘘や社会の利益のためにつく嘘があるといわれる。「嘘つき村の村長さん」という表現には、ピン子さんがこれまでにも嘘をついていたことが仄めかされているようだが、それらは許せる嘘だったのかもしれない。しかし、遺骨となると話は違う。橋田氏と付き合いの長い石井氏にとって、それは許せる嘘ではなかったのだろう。

 彼女の見栄や利害のために仕立てられた美談は、周囲に得する者がいない「利己的な嘘」。だがきっとピン子さんは、嘘だとバレても周りはこれまで通りで気にせず聞き流してくれる、世間は良い話だと誉めそやし持ち上げてくれると考えたのだろう。「自己中心性バイアス」によって他人の感情や状況を自分勝手に解釈したのだ。このバイアスが強いと、他人の感情の強さがわからなくなるという。ピン子さんとしては、当時、絶縁関係になるほどの嘘をついたという認識はなかったのだろう。

 橋田氏の追悼ドラマ『ひとりぼっち -人と人をつなぐ愛の物語-』でも、渡鬼ファミリーと呼ばれる『渡る世間は鬼ばかり』の出演者たちの多くが出演したが、ピン子さんの姿はなかった。自己中心性バイアスによってついた嘘で、これまでの人間関係から取り残されガラパゴス化しまったのだ。

 最近はテレビ出演もめっきりすくなくなったピン子さんだが、独自路線を歩み続けるその姿は、自身のSNSで見ることができる。

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