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《『虎に翼』で航一さん役を好演》岡田将生のあふれる魅力 約20年で「選ばれる俳優」の筆頭へと飛躍

NEWSポストセブン 2024年9月8日 16時15分

 ドラマ『虎に翼』で星航一を演じる岡田将生(35才)の魅力について、コラムニストで放送作家の山田美保子さんが綴る。

若きイケメンのひとりという認識が変わった作品

 NHK連続テレビ小説『虎に翼』第22週のタイトルは「女房に惚れてお家繁盛?」でした。

(以下、ネタバレあり)

 はて……この“女房”とは寅子(伊藤沙莉サン・30才)のこと? それとも航一さん(岡田将生サン)の亡き妻・照子さん(安田聖愛サン・28才)のことなのでしょうか。

 航一さんの長男・朋一(井上祐貴サン・28才)や長女・のどか(尾碕真花サン・23才)、さらに継母の百合さん(余貴美子サン・68才)とのかな〜りギクシャクした“家族”の中に、寅子と娘の優未(毎田暖乃チャン・12才)が加わったことで、特に、のどかが荒れに荒れた1週間。

 のどかがずっと作り笑いばかりしていた様子に、ナレーターの尾野真千子サン(42才)よりも先に「おやおや〜」と言ってしまっていた私は、ずっと気になっていました。寅子のあの明るさと前向きさと真っすぐさは、苦手な人は苦手だと思います。

 でも、その寅子にハマったのが航一さん。結婚したくてしたくて、彼なりに懸命に立ち回った末、ひとつ屋根の下に暮らすことになるものの、第二次世界大戦中に携わった“仕事”により閉ざされた心……。でも照子さんの生前の思いを子供たちから聞かされて泣いてしまった航一さんに、もらい泣きしてしまいました。

 モデルとなった三淵嘉子さんの夫・三淵乾太郎さんのお写真をネットで拝見したら、すごくシュッとしていらして、あぁ、だから岡田将生サンがキャスティングされたんだとものすごく納得しました。

 伊藤サンとは約30cmの身長差が、『小さな恋のものがたり』のチッチとサリー(古くてゴメンナサイ)みたいだったキスシーンや、濡れた廊下をふたりで何度も滑って転んでしまうシーン。さらに、自由に演じきった伊藤サンがハケ、ひとり取り残された岡田サンが困りきった表情で、演技なのか素なのかわからない笑みを浮かべつつ、監督さんからの「OK」を待つ様子が本当にチャーミングでした。

 今年8月で35才になった岡田サンは中学時代に東京・原宿でスカウトされるも一度は断って、高校進学後にテレビCMでデビュー。若きイケメン俳優の筆頭として、3年後の2009年には映画賞の新人賞を総なめにする活躍をされています。

 それからずっと、いわゆる若きイケメンのおひとりとして第一線で活躍されてきたのですが、コチラから見て印象が変わったのは2016年4月期の主演ドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)でした。

 あの宮藤官九郎さん(54才)が「社会人経験ゼロの私が、45才にして初めて挑む社会派ドラマ」と称した作品。スペシャルドラマやスピンオフドラマ、そして2023年の映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』へと続きました。

約20年の俳優人生で「選ばれる俳優」の筆頭へと成長した

 さらにはドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(関西テレビ・フジテレビ系)や主演ドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)なども岡田サンの20代の頃のイメージを覆す作品でしたよね。

 かかわられているのが水田伸生監督(66才)や前出のクドカンさん、坂元裕二さん(57才)、中園ミホさん(65才)……とワタシ好みであることも相まって、そうした皆さんから指名を受ける岡田サンのことが個人的にすごく気になっていたのです。

 端っこ好きだし、どちらかというとブサメン好きの私が、王道の長身&イケメン・岡田サンのファンであると公言するのもおこがましい気がして、これまで一度も書いたことがないと思います。でも『虎に翼』の航一さんを演じる岡田サンにはどっぷりハマってしまいました。“とらつば”の前には「カンヌ国際映画祭」や「米アカデミー賞」で複数の賞に輝いた映画『ドライブ・マイ・カー』への出演もありました。

 そして、現在大ヒット中の映画『ラストマイル』や7月期のドラマ『錦糸町パラダイス〜渋谷から一本〜』(テレビ東京系)。11月に公開予定の映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』も早くも話題で、いったい一度に何冊の台本を持ち歩いていらしたのやら。イケメンのカメレオン俳優って実在するんですね。驚くばかりです。

 やがて20年となる岡田サンの俳優人生をひもとくと、実は「出まくってはいない」時期もあったように思います。だからといって「作品を選んでいる」といった声を現場で聞いたこともありません。

 果たして近年の岡田サンは、「選ばれる俳優」の筆頭へと成長されました。

 この先、気になるのはやはりプライベート。3年前のインタビューでは「子供は好きだから、そういう機会があったら突然結婚しちゃうかもね」と語っていらっしゃいます。

 直近では女性アナウンサーさんと交際→破局からのトリオ芸人さんとのデート報道が話題になりましたが、映画やドラマでの共演者同士の結婚ばかりが続くなか、個人的には岡田サンはアッと驚くようなお相手を選びそうな気もしています。

『虎に翼』の最終回は9月27日。現在も頭髪に白いものが目立ちつつある航一さんのルックスが、さらにどのように変貌を遂げるのか。寅子との関係がどんなふうに成熟していくのか、しっかり堪能したいと思います。

構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ〜テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。

※女性セブン2024年9月19日号

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