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《私の最初の晩餐》南野陽子が小学生の頃から配っている手作りスイートポテト「気になる男性には一度もあげたことがありません…」

NEWSポストセブン 2024年9月11日 7時15分

「最初に食べたご馳走はなんですか?」。子供の頃に母が作ってくれた料理、上京したときのレストラン、初任給で行った高級店……。著名人の記憶に刻まれている「初めて食べた忘れられない味」を語ってもらい、証言をもとに料理を再現するこの企画。今回は南野陽子さんに、忘れられないご馳走を教えていただきました。

 ドラマ『スケバン刑事II』に出れば「おまんら、許さんぜよ!」の決めぜりふが大流行。CDを出せば、8曲連続オリコン1位。映画『私を抱いてそしてキスして』では、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『笑っていいとも!』から深夜ラジオまで、芸能界のあらゆる分野で輝き、いまも多忙を極める南野陽子さんが、50年近く食べ続けている大好物とは──。

 * * *
 私と弟は、両親からまったく別々の性格を受け継ぎました。父の「真面目さ」と母の「人あたりのよさ」をもらったのが、弟。私に流れているのは、父の「頑固さ」と母の「楽天的な調子のよさ」。だからすぐ気がつくはずですが、面倒なのは私の方なんです(苦笑)。サラリーマンだった父は一度「こうだ!」と決めたら、ブレない人でした。幼い頃は、毎日きっちり夕方の5時45分に帰ってきて、6時から夕食。食べ終わったら、応接間に移動してレコードを聴きながら、ウイスキーを2杯。それからお風呂に入って、就寝。

 定年後の昼食は、近所のパン屋さんのお気に入りのデニッシュを半分、決まった銘柄のソーセージ、レタスのサラダ、ゆで卵とトマトを4分の1カット。それにカップスープ。お正月などを除く360日が同じメニューで、20年も続きましたね。

 私にも同じ血が流れていて、子供の頃からとにかくさつまいもを食べ続けています。いちばん好きなのは大学いも、次にいもけんぴ。干しいもと焼きいもも冷蔵庫に常備していて、仕事の現場にも持っていきます。好きな品種? その質問はダメ! だって、蜜の豊富なねっとりした品種が食べたい日もあれば、ほくほくした繊維を感じたい日もあるでしょ。みんな好きだから即答なんかできません。

デビュー後の挨拶回りでも配った

 スイートポテトは初めて作った料理というだけじゃなく、小学生から18才ぐらいまで数えきれないほどたくさん作って、人にご馳走してきました。小学4年生のときに、母にお願いして、スーパーで売られている小さなレシピブックを買ってもらったんです。先に立ち読みして、スイートポテト狙いですね。さつまいもと牛乳、それに卵の組み合わせだから、おいしいに決まっています。

 最初は、牛乳や砂糖を入れすぎてしまうこともありましたが、それは両親と弟に食べてもらって、毎週のように作りました。校則では禁止ですけど、学校に持って行って、仲よしの友達グループでこっそりお昼休みに食べたりなんかして。

 手先が器用な母は飾りつけが上手でした。空になったクッキー缶がないときには、ティッシュの箱の上部をカットして、お菓子屋さんでもらってきた花柄の白い紙ナプキンで縁をかざってくれました。そこに、スイートポテトを6つぐらい並べて、ギザギザのカップの隙間をフレッシュなパセリで埋めるんです。作るのも簡単なので、芸能界デビューしてからも、しばらくはご挨拶回りのときに持って行ったりしました。でも実は、気になる男性には一度もあげたことがありません。そんなときはチョコ菓子やクッキーだったり……なんでだろう。

小学校時代から皆に配ったスイートポテトレシピ

■スイートポテト
●材料(8個)
さつまいも(紅はるか)1本(400g)、卵黄1個、バター30g、グラニュー糖大さじ3、牛乳大さじ2、バニラオイル3〜4滴
つや出し用
A[卵黄1個 みりん小さじ1]

●作り方
【1】さつまいもは厚めに皮をむき、1cm厚さの輪切りにし、水に5分つける。水気を切り耐熱容器に入れ、ラップをかけて竹串を刺してすっと通るやわらかさになるまで、電子レンジ(600W)で6〜8分加熱する。
【2】ボウルに【1】のさつまいもを入れ、熱いうちにマッシャーでつぶし、バター、グラニュー糖を加えて混ぜる。さらに牛乳、卵黄を順に加えてよく練り混ぜ、バニラオイルをふって混ぜる。
【3】【2】をスプーンですくい、手のひらにのせラグビーボール状に成形する。指で表面をなめらかにしたら、カップに入れる。
【4】Aをよく混ぜたものを、全体にまんべんなく塗る。
【5】オーブントースターを200℃(600W)に設定し、表面に焼き色がつくまで10〜15分ほど焼く。

●POINT
・つぶしたさつまいもが冷めてしまうとグラニュー糖、バターが溶けず、生地に混ざりにくくなるので注意。
・つや出し用の卵黄を生地にたっぷり塗るときれいな焼き色がつく。
・オーブントースター、オーブンレンジなど、使う器具により焼き時間を調整すること。おいしそうな焼き色がつけば完成。

【プロフィール】
南野陽子/1967年、兵庫県生まれ。高校3年生の夏にCBSソニーより『恥ずかしすぎて』で歌手デビュー。『週刊少年マガジン』で表紙、『DELUXEマガジン』では巻頭36ページを飾るなど異例のデビューとなった。俳優、歌手など幅広く活躍中。

写真/深澤慎平 料理・スタイリング/柳瀬真澄

※女性セブン2024年9月19日号

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